【朗報】花嫁も嬉し涙!低侵襲手術で本復期間が大幅に短縮!
インスブルック医科大学仕込みの下顎骨(したあご)外科手術の好成績続々
学校法人東京女子医科大学【東京女子医科大学病院/歯科・口腔外科】の佐々木医師が手掛けた「下顎骨関節突起骨折の低侵襲手術(インスブルック医科大学方式)」では、施術中~本復までの顎間固定が不要(フリー)であり、結果受傷患者さんの術後の本復までの期間が従来型の治療(手術)に比べると大幅に短縮されました。とりわけ社会人である患者さんにとっては、職場に復帰するなど日常生活を取り戻すことが早くなったわけです。
下顎骨関節突起骨折とは、下顎骨(したあご)に位置する頭蓋骨の顎関節にあたる一部を損傷するというモノで、口をあける時、食事をしたり話しをする時に下あごの支点になる顎関節部位が機能しなくなるわけです。
この下顎骨関節突起骨折治療の新低侵襲手術は、佐々木亮医師がインスブルック医科大学に単身医療技術修得を目的に留学(マキシロフェイシャルサージャリー臨床留学)した時に学び、日本の患者さんの事情(バイタルデータ等を勘案)に合わせて独自に術法を収斂して来たものです。そして当該術法を留学先に敬意を表し、通称「インスブルック医科大学方式」と呼んでいます。
この「インスブルック医科大学方式」の顎間固定が不要(フリー)となったのは、耳垂直下の約2cmの皮膚切開からアプローチする直視下の施術で正確な整復固定が可能となったことが主な要因です。さらに皮膚切開も最小限に抑えたことで低侵襲となり傷も目立たくなりました。
こうして、従来型治療法の課題であった術後に顔面の神経麻痺が出現するリスクが大幅に低減される事も予測されました。
「インスブルック医科大学方式」によれば、術後は3日から5日で退院し、低侵襲で手術の影響度が少ないことで術後の顎間固定(顎ギブス等)が不要となった為に早期に職場(仕事)復帰やスポーツも楽しめるような普段の日常生活に戻れるようになった訳です。
佐々木医師は、「この低侵襲手術治療を受けた受傷患者さんの中に、4日後に結婚式を控えた女性がおりました。もしその方が従来型の顎間固定(顎のギプス)を前提とした手術を選択していれば、本復し花嫁として登場する晴れの日に間に合わなかった。しかしその賢明な花嫁は私の手術を選択し、十分結婚式までに本復しました。」等の好事例を次々と披歴し、本件「新手術療法」(インスブルック医科大学方式)の将来性に胸を膨らませていました。
【ご参考】研究概要のポイント
❑2016年5月~2020 年3月(3年10カ月)において、東京女子医科大学歯科口腔外科および東京警察病院形成外科で「新手術療法」(インスブルック医科大学方式)による観血的整復固定術を行った患者さんの関節突起骨折症例35症例39関節を対象とした後方視的研究(検討)を行いました。
❑結果として35症例中34症例において、明らかな噛み合わせの改善がみられました。
❑また平均最大開口量は49 ± 1.3 mmと極めて良好な所見を示しておりました。加えて 開口時の痛みなどの顎関節症状は全症例で認められませんでした。
❑なお術後患者さんの顔面神経麻痺の出現は3関節に認められましたが、 術後3カ月で全症例が本復いたしました。そして創部の肥厚性瘢痕は1症例に認められました。
❑以上のように術後の課題(本復迄の期間)が従来より大幅に最小化し改善したという好成績から、本手術【新手術療法(インスブルック医科大学方式)】は、合併症も少なく低侵襲で術後の顎間固定の必要がない、結果として本復までの期間(養生)が短縮されることが立証されました。従来型治療で課題とされた患者さんの負担軽減と早期社会復帰が可能となりました。
【お問い合わせ先】
<研究と治療に関すること>
佐々木 亮(ササキ リョウ)
東京女子医科大学 医学部 歯科口腔外科学講座〒162-8666 東京都新宿区河田町 8-1Tel&Fax:03-3353-8111
E-mail: sasaki.ryo@twmu.ac.jp
<報道担当>
東京女子医科大学 総務部広報室 阿部/首藤〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
Tel:03-3353-8111 Fax:03-3353-6793E-mail: kouhou.bm@twmu.ac.jp
【プレス情報】
1.掲載誌名:Plastic and Reconstructive Surgery -Global Open Plastic and Reconstructive Surgery – Global Open (lww.com)
2.論文タイトル:Innsbruck-style retromandibular anterior trans-parotid approach for
condylar fractures: A retrospective review of 39 fractures
3.著者名:佐々木亮*、渡辺頼勝、宮本範子、阿川かおり、
岡本俊宏
4.論文のオンライン掲載日と報道解禁日(Embargo)
:2023 年 6 月 21 日(水)
・PRS Global Open is the official open access medical journal of the American Society of Plastic Surgeons and is published by Wolters Kluwer Health.
・The American Society of Plastic Surgeons (ASPS) is the largest plastic surgery specialty organization in the world. Founded in 1931, the Society represents 93% of all board-certified plastic surgeons in the U.S., and more than eight thousand plastic surgeons worldwide, making ASPS a global institution and leading authority on cosmetic and reconstructive plastic surgery. Visit https://www.plasticsurgery.org/ for more information.
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