【有限会社 匠弘堂】世のため人のために取り組む企業を認証する「ソーシャル企業認証制度 S認証」を取得
経営方針・事業内容・社会的インパクトなどを基準とし、評価・認証を行う制度にソーシャル企業として認証。
日本の美しい景観を守り「ものづくり」に対する日本の存在感を取り戻すべく、有限会社 匠弘堂は今後も多くの活動に取り組んでまいります。
ソーシャル企業認証制度 S認証とは
ソーシャル企業認証制度(通称、S認証)は、ESG経営や社会課題の解決を目指す企業に対し、経営方針や事業内容、社会的インパクトなどを基準に、評価・認証を行う制度です。
企業活動の社会的インパクトをみえる化し、社会課題に取り組む地域企業の成長を支えることで、地域社会におけるソーシャルマインドの醸成及び持続可能な地域社会の実現を目指します。また、認証制度を軸とした企業・消費者のエコシステムを構築し、地域経済の持続的成長に繋げます。
(引用:S認証 公式サイト https://besocial.jp/)
匠弘堂が解決する社会課題
【日本の伝統的な社寺建築を守る】
全国に16万軒あると言われている寺院・神社は、日本らしい景観を形作る大切な要素の一つです。しかし今日の利益と効率化を優先としたものづくりと、これらに携わる人たちのモラル低下によって、中には本来の社寺建築とは程遠い「社寺っぽい」残念な建造物も存在します。
その背景には、海外の安い製品が大量に流入したことなど多くの要因があります。「手作業・手作りは悪」というレッテルが貼られ、自らの仕事の価値を正しく訴求できないことは、職人にとって大きな問題です。さらにそのような中で、職人の請負単価はますます低下し、モチベーションを保つことができない職人のモラルや仕事の品質が下がるといった悪循環が生じています。
当社はそうした社会課題を重く受け止め、日本の伝統的な社寺建築を守るための取り組みを行っています。
課題解決のための取り組み
(1)社内の技術向上
当社の事業の核となる職人の技術向上に日々努めています。具体的には、社内での技術継承・勉強会に加え、全国青年技能競技会といった外部の競技会にも参加。おかげさまで、創業以来技術に関するクレームは0件を継続しています。
(2)社寺建築や宮大工に触れる機会の提供
学校や民間企業を受け入れての工房視察見学会(オープンファクトリー)を実施。また、建築主側関係者及び各学校、業界、近隣住民に向けての工事中現場の現場見学会も実施しています。
(3)社寺建築や宮大工に関する情報発信
2018年より広報部隊を新設。お客様である神社や寺院、将来入社するであろう若者たち、伝統建築に関心を寄せていただいた方などに向け、情報発信を開始しました。
とくにInstagramでは、4,400名を超えるフォロワーを獲得。その他にも、自社サイトにおけるインタビュー記事やイベントレポートの発信、地上波テレビ番組への出演も行っています。
<SNS>
Instagram:https://www.instagram.com/kyoto_shokodo/
Twitter(X):https://twitter.com/kyoto_shokodo
Facebook:https://www.facebook.com/kyoto.shokodo
(4)現代の徒弟制度
若い社員の場合「自分がやりたいことはやはりコレではなかった」と気づくケースもあります。当社では、入社後2年間は契約社員としてキャリアをスタートする、現代版の「徒弟制度」を実践。現代の働き方や若者のキャリアに合った制度を導入することにより、正社員登用後のミスマッチによる退社はゼロになり、未経験の若者であっても柔軟に受け入れることができています。
(5)業界全体の技術向上
同業の社寺建築会社を巻き込んだ若手のための勉強会を実施し、昔ながらの手道具の使い方や規矩術について学ぶ機会を提供。同業の方々と意見交換を行い、匠弘堂の仕事への向き合い方を伝えることで、業界全体の仕事の質が高まっていくことを期待しています。
(6)国産材の利用促進(石油化学系の材料の削減)
なるべく国産材を使っていただけるよう、顧客への働きかけを行っています。石油化学系の材料は将来的にゴミになる可能性が高いため、極力使用しません。社寺建築の修理修繕を通して、大量消費社会ではなく循環型社会の一翼を担いたいと考えています。
その他にも当社では、木材生産業者・製材業者とのコラボによる木造建築の素晴らしさの訴求活動に取り組んでいます。
匠弘堂のさらなる取り組み
上記に加えて、匠弘堂では今後、以下の取り組みの実施を検討しています。
(7)社寺建築を通じた循環型社会教育
日本人は古来より木材を巧みに活用しており、世界でも屈指の「木材の扱いに長けた民族」です。その代表的な事例が、修繕を前提として木のみで築かれた社寺建築です。しかし、近年ではプラスチック製品が日常に広まり、大量生産・大量消費が一般的となっています。このような状況の中で、社寺建築の価値を広めることは、かつての循環型社会を再認識する助けとなります。今後は宮大工だからこそできる、こうした価値を広める活動や教育に注力していく予定です。
(8)日本の伝統産業全体の担い手不足の解消
日本の伝統産業の担い手との情報交換を通じ「自己PRが得意ではない」という共通の感触があります。その結果、多くの分野で担い手不足が深刻です。一方、若者たちは職業選択には迷いを抱えています。現行の就職システムでは伝統産業が選ばれにくい状況ですが、当社の新卒者がイキイキと働く様子を見る度に、若者が伝統産業で才能を発揮できる可能性を確信しています。こうした背景から、将来的には担い手不足な伝統産業と若者をマッチングする活動にも取り組みたいと考えています。
代表取締役 横川メッセージ
当社は、2019年に「これからの1000年を紡ぐ企業認定(https://www.kyoto-shokodo.jp/company/social-innovation/)」を取得しています。
単に良いものを作るだけではなく、自分たちの仕事が世の中にどう貢献しているのかを可視化し、それを世の中に認知してもらうこと。それが、匠弘堂のためにも、従業員のためにも必要という意識をもってきました。
S認証取得のきっかけは、京都信用金庫様から取得にチャレンジすることを勧めていただいたことです。「これからの1000年を紡ぐ企業認定」を取得している企業がS認証も取得していたことや、同じ京都の企業がS認証を取得していたこともあり、当社も取得を目指すことにしました。
「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の取得からは約3年が経っており、今回のS認証取得にあたって、当社としてより強く意識した部分は「手仕事」と「SDGsへの取り組み」です。
当社は低価格や効率化ではなく、職人の手仕事による高品質な仕事で勝負しています。職人が仕事にやりがいを感じ楽しく働けることの延長線上に、良いものが完成するのです。また、適正な価格で仕事をすることによって、社員教育にもコストをかけられます。その結果、お客様にさらなる満足や安心を提供できます。
企業は、経済的な合理性と社会的な意義を両立させることが理想です。しかし当社は、経済的な合理性を機械的な効率化で求めることはしません。まずは質の高い仕事を適正な価格で受注できる強い体制を構築し、それを実現した上で日本文化や環境の保護といった社会課題の解決に取り組める状態を目指しています。
今回のS認証取得は、社員の士気が高まる大変良い機会となりました。今後も日本文化を守りつつ、さらに良い仕事ができるよう社員一丸となって邁進してまいります。
匠弘堂について
2001年創業。「宮大工として生きる」を企業理念に掲げ、宮大工による社寺建築の設計施工を行う会社です。岡本棟梁より受け継いだ伝統的木造建築技術を駆使して、高い品質と大きな感動を届け、日本文化の伝承と発展に貢献します。
〜匠弘堂が大切にしていること〜
・品質力
「宮大工の仕事」であるという誇りと責任を持ちお客様の満足が得られる高い品質を提供します。
・人間力
常に「宮大工」という公人であることを自覚し心からものに感謝し人に感謝することで人間として成長し続けます。
・技術力
伝統技術に創意工夫を加えた「匠弘堂」にしかできない高い技術力で世の中になくてはならない「宮大工集団」を目指します。
匠弘堂HP:https://www.kyoto-shokodo.jp/
SDGsへの取り組み:https://www.kyoto-shokodo.jp/company/sdgs/
【お問い合わせ先】
有限会社 匠弘堂(しょうこうどう)
メールアドレス:info@kyoto-shokodo.jp
担当者:横川 総一郎(よこかわ そういちろう)
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