フルテック社「eメディアドア」CO2削減効果の実証実験結果を発表

画像解析AIと自動ドア制御でSDGsの一助に

フルテック株式会社

2023年9月9日 01時26分

フルテック株式会社（本社：札幌市中央区、代表取締役社長：古野重幸東証スタンダード：証券コード 6546）は明治大学理工学部建築学科酒井孝司専任教授による「eメディアドア」を用いた「商業施設での実証実験結果と開口幅制御によるCO2削減効果の研究」において、「eメディアドア」の画像解析AIと自動ドア制御機能が、空調ロスを抑制し、CO2削減効果が実証されたと発表しました。

実証実験を実施した背景

当社は2022年1月、NECソリューションイノベータ株式会社（本社：東京都江東区、代表取締役執行役員社長：石井力、以下NECソリューションイノベータ）と、カメラ画像から人の動きをAIで解析し、ドアを通過する場合にのみ開き、また向かってくる方向によって開口幅を制御する「eメディアドア」を共同開発しました。効果検証のため、みずほ銀行が提供するビジネスマッチングアドバイザリー機能を活用し、本ソリューションの検証パートナーを探索した結果、明治大学酒井専任教授との連携について提案・紹介を受け今回の研究が実現しました。

実証実験の結果

実際の商業施設にカメラを設置して通行導線を記録し、AIによる画像解析と自動ドア制御で総開口面積を抑える効果を測定しました。その結果、自動ドア1台分で、建物内の空調にかかる電力を年間で9.2％（1,495.0kWh）削減し、659.3kgのCO2を削減できることが実証されました。これは金額にして年間40,300円の節電であり、杉の木74本分のCO2吸収量と同等の効果です。

なお、上記の研究結果は建築学会にも投稿されています。

＜ご参考＞当社では聖マリアンナ医科大学病院にて、来院者の車椅子の有無を検知して自動ドアの開閉スピードや開放時間などを制御する実証実験を2021年に実施しています。

https://www.fulltech1963.com/storage/news/1618188554_file1.pdf

「eメディアドア」の特徴

①環境負荷低減

「eメディアドア」は自動ドア装置にカメラを搭載し、カメラ画像から人が動く方向をAIにより解析し、ドアの開閉や開く幅をコントロールします。これにより、空調ロスを抑え、CO2削減に貢献します。食品を扱う場所では、虫の侵入を抑えることにも役立ちます。

＜AIの判断例＞

・自動ドアを通過しようと向かってきている場合は開く

・自動ドアの前を横切るだけの場合は開かない

・1人で通過するときは開く幅を抑え、全開させない

この機能はCO2削減が期待できるため、SDGsの「気候変動に具体的な対策を」につながる取り組みです。

②利用者に合わせた安全性の確保

人の動きだけではなく、車椅子などの物体の画像もAIで解析し、利用者に合わせて開閉のタイミングや速度、開口保持時間を可変します。（特許出願済み）

たとえば、ゆっくりとドアに向かっている場合は、開口保持時間を延長します。反対にドアに駆け込んでくる場合には、開くタイミングを早めてドアとの接触を防ぎます。

利用者に合わせた自動ドアの安全性を確保できる機能は、SDGsの「住み続けられるまちづくりを」の一助となる取り組みです。

今後の展望

当社は「eメディアドア」で自動ドアの無駄開き削減、開口幅の適切化で空調ロスを低減し、カーボンネットゼロに貢献してまいります。今後は、AIによる利用者を見分ける技術や物体認識精度を一層向上させ、利用者それぞれに配慮したさらに安全な自動ドアを目指します。また、自動ドア設置場所の価値を活かした情報の受発信なども追求してまいります。

さらに、NECソリューションイノベータと共同開発したAIによる画像解析+自動ドアのプラットフォームをベースに新たな価値創造を図り、酒井専任教授との実証実験の結果を元に「地球温暖化による環境問題の深刻化」を防ぐGX（グリーントランスフォーメーション）にも取り組んでいきます。