神戸女学院 キャンパス再整備マスタープラン実施へ

9月11日(月)取材会・トークセッションを開催

神戸女学院大学

神戸女学院は、創立150周年を記念したキャンパス再整備に向け、マスタープランの実施を決定しました。9月11日(月)には、キャンパス再整備の背景や関係者の思い、今後の計画についてメディア向け取材会・トークセッションを実施しました。
  • 神戸女学院がキャンパス再整備マスタープラン実施へ

左から:北條氏、山形氏、田原氏、大澤氏 


 重要文化財の校舎群で知られる神戸女学院は、日建設計提案による「キャンパス再整備マスタープラン」の最初の一歩となる「理学館西側地域再整備計画」に着手しました。ヴォーリズによるオリジナルのキャンパスが備えている完全な美と学校としての実用性を活かし、これと調和し、新しい時代の開かれた神戸女学院を具現化する新棟の設計が進められています。


理学館前を南から望むイメージ


西門より新棟を望むイメージ



  • 9月11日メディア向け取材会・トークセッションを実施

 9月11日(月)に開催されたメディア向け取材会では、設計チーフの大澤智氏(日建設計)による新棟デザインのポイント説明の後、近代建築の保存改修デザインをリードするプロフェッサー・アーキテクト・田原幸夫氏、ヴォーリズ建築研究の第一人者・山形政昭氏(共に重要文化財神戸女学院保存活用委員会委員)、神戸女学院の理事・総務部長(一級建築士)の北條敦子氏が加わり、「理学館西側地域再整備計画」と新棟建設の意義や、美しい建築の社会的重要性などについてトークセッションを実施しました。

 その後のキャンパスツアーで、参加メディアの皆さんにヴォーリズのオリジナル建築群の持つ価値と、その細部にまで宿る美を体感していただきました。

創立150周年を迎える2025年秋の完成を目指し、順調に進めば2024年6月、新棟建設工事に着手する予定です。


  • トークセッションで話し合われたこと

神戸女学院 理事・総務部長/北條敦子氏

建学の精神、そして美が校舎として「成った」(Beauty becomes a college)のが神戸女学院のキャンパスです。そこで学ぶことにより人格を涵養し、美的感性を高めることができます。このキャンパスの価値は、ここを訪れて体感しないと理解できません。この取材会を機会に、90年間西宮の地に静かに佇んできた神戸女学院を再発見して下さい。そして、少しでも多くの人に、このキャンパスの建築が持つ力を感じ取っていただきたいと願っています。


日建設計/大澤智氏

ヴォーリズの精神を承継しつつも模倣はしないことが設計のコンセプト。ヴォーリズの基本的アイデアである中庭、建物間の軸線を合わせること、回廊で建物を繋ぐこと、を活かし、地上部分にラウンジを設けてこれまで裏側であった理学館西側地域を新たなエントランスとします。ラウンジは豊かな緑に臨み、周りに巡らした回廊は、人々の出会いの場となります。そして、低く抑えた建物は重要文化財の理学館と社交館を引き立て、一方で、理学館はラウンジと同一軸線上にあるため、その借景として活かされます。


京都工芸繊維大学 客員教授/田原幸夫氏

近代建築が群として指定された重要文化財はここにしかなく、今回の再整備はキャンパス全体を都市的視点からも検討されており素晴らしい。日本の街にはフェイクが溢れているが、ここには本物があります。フェイクに慣れると本物を見分ける力が失われる。神戸女学院という本物の中で教育を受けること、そこで生活することの価値は極めて高いと考えます。


関西学院大学 客員教授/山形政昭氏

数あるヴォーリズ建築の中でも美しさにおいては間違いなく神戸女学院が一番です。現在では入手できない貴重な素材もよく残っており、建築のディテールも実用的でありながら美しく、入念な設計による見所が沢山あります。キャンパスグリーンも素晴らしいし、旧櫻井家別邸の庭園に由来する植栽が、そのまま残されてキャンパスの一部になっていることも特色です。


  • 登壇者の皆さんのプロフィール


京都工芸繊維大学 客員教授/田原幸夫氏

東京駅丸の内駅舎復元設計を担当。直近では京都の新行政棟・文化庁移転施設整備にあたりヘリテージ・アーキテクトを務めた。現在は京都工芸繊維大学客員教授として、近代建築の保存改修デザインをリードする、プロフェッサー・アーキテクトの立場にある。

重要文化財神戸女学院保存活用委員会委員。







関西学院大学 客員教授/山形政昭氏

主な研究分野は、建築史、建築計画。大阪芸術大学教授を務めた。特にウィリアム・メレル・ヴォーリズの調査研究の第一人者であり、今日の建築家ヴォーリズの評価の高まりは山形氏の貢献に負うところが大きい。

重要文化財神戸女学院保存活用委員会委員。







日建設計/大澤智氏

沖縄科学技術大学院大学、大阪大学箕面キャンパス、インフォシス チェンナイキャンパスなど国内外で豊かなランドスケープを活かした優れた大学のプロジェクト等を担当。現在、神戸女学院「キャンパス再整備マスタープラン」全体の設計チーフを務めている。







神戸女学院 理事・総務部長/北條敦子氏

神戸女学院中高部を経て同大学文学部英文学科卒、一級建築士。

京都国立博物館専門員として平成知新館新築事業に携わった後、施設課長として神戸女学院に着任。2022年4月より総務部長。2023年4月より理事・総務部長。

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会社概要

学校法人神戸女学院

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URL
https://www.kobe-c.ac.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
兵庫県西宮市岡田山4-1
電話番号
-
代表者名
飯謙
上場
-
資本金
-
設立
1875年10月