インフラ維持管理業務の効率化と第三者被害抑制対策に貢献する新技術点群からの『差分解析』で点検現場にイノベーション
■開発の背景
インフラ構造物の老朽化が叫ばれる中、点検する構造物も年々増加の一途を辿っています。また、点検や診断を効率良く、漏れなく調査するには技術者側のスキルや経験値に左右されてしまうのが現状です。
そこで、長年に渡り土木測量系3Dプログラムを開発している当社の強みである、「点群からの3Dモデル化技術」を活用し、その差分量からグラデーションヒートマップとして可視化することによって、経年変化の把握を可能とすることに成功しました。コンクリートの浮きや剥落、ジャンカや補修跡、塗装面の浮きや剥がれなどの早期発見、現地調査工程の短縮、点検者の負担軽減につながることが期待されます。
■製品の機能・特徴
インフラ維持管理の効率化を目指し、構造体表面の変位や変状を3Dデータで把握・共有することによって、各種調査や点検業務を支援することを目的として開発しました。
搭載されている機能としては、前述の「差分解析」を筆頭に、「点群データからの3Dモデル化」、「2D図面からの3Dモデル化」、「トンネル展開」、「点群データからの2D図化」、「補修面積や容積の計算」に対応し、3Dモデルを活用した構造物の維持管理にご使用いただける機能を、各種ご用意しております。
詳細は、株式会社アイ・エス・ピー公式サイトをご覧ください。
(新技術情報提供システムNETIS登録申請中)
▲実験結果:構造物の調査時間(橋梁点検の場合)
■本製品における差分解析技術と、その目的について
地上型レーザースキャナー等で取得した点群データを3DのTIN(Triangular Irregular Network)モデル化し、点群データと比較させることで、法面距離から差分量を計算し、各点に色情報を付加したものです。
点密度を確保できれば、より詳細な解析結果が得られることが可能となります。なお同技術は、1mm にも満たないと言われる“浮き”の正確な位置特定を目指すものではなく、点検前に短時間で解析して事前に変位箇所の情報を把握しておくことで、点検時の作業負担軽減や省力化、または変位箇所の調査漏れを未然に防ぎ、第三者被害対策に貢献するものです。
打音調査技術者の勘や感覚といった経験知や、見た目ではわかりにくい“浮き”について、「可視化する技術」が点検現場を変えることにつながるものと考えております。
※ 計測データをシステムに取り込み、変状を現場で確認することも可能です。
■開発会社概要
社名 :株式会社アイ・エス・ピー(株式会社土木管理総合試験所グループ企業)
所在地 :2拠点
・札幌本社 札幌市中央区北4条西20丁目2番地6
・東京事務所 東京都台東区上野5-15-14 ONEST上野御徒町ビル9F
事業内容:3D土木測量系プログラム開発および販売、委託開発、データ作成サービス
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