迫りくる多死社会に貢献する! 緩和ケアの現場でのヨーガ療法の有効性をテーマにした「日本ヨーガ療法学会 大阪大会」を、大阪国際会議場にて5月25日・26日に開催。緩和ケアの第一人者の先生方の講演も実施。
医療や介護の現場は人手が不足し、緩和ケアの患者様やご家族の精神的なケアまで満足に行うことが難しいという問題があります。私たちは全国約1200名のヨーガ療法士と連携し、緩和ケアの現場の課題に貢献します。
一般社団法人日本ヨーガ療法学会(所在地:鳥取県米子市、理事長:木村慧心)は5月25日・26日に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて、医療機関や介護施設など緩和ケアの現場でのヨーガ療法の有効性をテーマにした研究総会「日本ヨーガ療法学会 大阪大会」を開催いたします。
今後国民の高齢化が進むにつれて死亡者数も急増していきます。2010年に約120万人であった年間死亡者数は、2025年まで5年間ごとに約10万人ずつの増加を続け、団塊世代が80歳代後半となる2030年代には160万人を超える見込みとなっており、これ以降も年間150万人以上で高止まりすると予測されています。このように、高齢化ののちに死亡者数が増加し人口減少が加速する状況は「多死社会」と呼ばれ、最近では多死社会の到来で顕在化すると見られる「家族や介護者へのケア(グリーフケア)」や「看取りの場所」といった課題が注目されたりと、「多死への対応」が避けて通れない局面となってきました。
がん患者さんは、がん自体の症状のほかに、痛みや倦怠感などのさまざまな身体的な症状や、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛を経験します。「緩和ケア」とはがん患者さんのがんによる心と身体の苦痛をやわらげ、患者さんとご家族が自分らしい生活を送れるようにするケアのことです。政府では団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年をめどに、人口減少社会における介護需要の急増という課題に対して、医療・介護などの専門職から地域の住民一人ひとりまで様々な人たちが力を合わせて対応していく「地域包括ケアシステム」の構築に取り組んでいますが、私たちは医療者とともにがん患者さんやご家族のケアに取り組むことで、この「地域包括ケアシステム」に貢献していきたいと考えています。
人は死を目の前にしたとき、恐怖を覚え、乱心状態に陥ります。ヨーガ療法では精神的苦痛の緩和が期待できますが、精神が安定すれば痛みの感じ方にも変化が現れることが多く、身体的苦痛の緩和も期待できます。私たちはこれまで、協立記念病院 緩和ケア科部長の森一郎先生とともに、緩和ケアの患者様やご家族の方々の精神的な混乱や苦痛を緩和するため、医療や介護の現場でヨーガ療法を実施し、その精神や身体に対する有効性を検証して参りました。患者様にはヨーガの呼吸法や瞑想、ご家族にはそれに加え身体技法を組み合わせることで、患者様やご家族がご自身の人生を振り返り、現実を客観的に受け入れたり、荒ぶる気持ちを落ち着けたり、最期のときを納得して穏やかに迎えるためのサポートをして参りました。
医療や介護の現場で働く方々は非常に忙しく、緩和ケアの患者様やご家族の方々の精神的なケアまで満足に行うことが難しいという問題がありますが、今後高齢者が増えるにつれてさらに人手不足が顕著になっていきます。人には誰にも平等に死が訪れますが、それまで生きた人生に感謝し、安らかな気持ちで最期のときを迎えるために、私たちはこれからも命の尊厳を大切に、ヨーガ療法を通して医療や介護の現場の課題に貢献して参ります。
大会長講演:森 一郎氏
協⽴記念病院 緩和ケア科部⻑ 緩和ケア病棟⻑
I FOR YOU Japan 代表理事
1999年 熊本⼤学医学部卒業。2017年 ⼤阪⼤学⼤学院(緩和医療学)修了。⼤学病院および関連病院にて腫瘍内科、救急、内科全般、在宅医療を研鑽した後、呼吸器専⾨病院にて呼吸器疾患、肺がん治療、緩和ケアチームに携わる。大学院進学、ガラシア病院、市⽴川⻄病院の緩和ケア病棟⻑を経て現在に⾄る。緩和ケア病棟にヨーガ、ハープ、アロマ等の補完医療やボランティアを積極的に取り⼊れ、終末期の患者のスピリチュアルケアの⼀つであるディグニティーセラピーをはじめとする様々なケアを実践している。がん患者・家族・遺族のスピリチュアルケアが急性期病院では難しく、緩和ケア病棟では遅いことを痛感し、がんサポート団体・⼀般社団法⼈ I FOR YOU Japanを設⽴して地域にがんサロンを広げている。緩和医療専⾨医、呼吸器内科専⾨医、総合内科専⾨医、産業医、医学博⼠。
招待講演:Harvey Max Chochinov(ハーヴェイ・マックス・チョチノフ)氏
マニトバ大学精神医学特別栄誉教授
CancerCare Manitoba Research Institute 上級研究員
緩和ケアの世界的第一人者であり、これまでに医療現場における「尊厳」の問題を対象にした大規模研究プログラムを主導。発表した300以上の論文はうつ病、QOL、自殺、脆弱性、スピリチュアリティ、終末期の実存的苦悩など様々なトピックスにわたる。がん患者の尊厳についての研究より導かれたディグニティーセラピーは緩和ケア領域において全世界で実践されている。Canadian Virtual Hospice 共同設立者、The Handbook of Psychiatry in Palliative Medicine編集者。最新刊は『Dignity in Care ~The Human Side of Medicine~』。カナダ医師会の最高評価である FNG スター賞をはじめ、数多くの栄誉と賞を受賞し、2020年にカナダ医学の殿堂入りを果たしている。マニトバ勲章受章者、カナダ勲章オフィサー。
イベント概要
開催日時:2024年5月25日(土)・26日(日)
会場:大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪) 10F・12F
大阪市北区中之島5丁目3-51(https://www.gco.co.jp/access/)
主催:一般社団法人 日本ヨーガ療法学会
関連団体:NPO法人日本ヨーガ療法士協会
運営:NPO法人 ヨーガ療法士協会大阪
後援:大阪府、大阪市、在大阪・神戸インド総領事館、特定非営利活動法人 日本緩和医療学会、特定非営利活動法人 日本心療内科学会、公益財団法人 関西・大阪21世紀協会
日本ヨーガ療法学会について
日本ヨーガ療法学会はヨーガ療法の研究と普及活動を目的に2003年に設立されました。医師やヨーガ教師など約2,000人の会員(内ヨーガ療法士1,200名)を抱えています。東日本大震災に際しては、日本ヨーガ療法学会が認定するヨーガ療法士による被災地支援活動が行われました。現在も全国各地で被災者支援活動を行なっています。また2009年から実施しているウクライナ国キーウ市でのチェルノブイリ被曝事故被災者支援活動や、インド国内でのヨーガ療法指導など、認定ヨーガ療法士の活躍の場は海外にも広がっています。
各メディア様、医療機関様、介護施設様でヨーガ療法にご興味のある方は以下までご連絡ください。
(連絡先)一般社団法人 日本ヨーガ療法学会事務局
〒683-0842 鳥取県米子市三本松1-2-24
TEL:0859-32-1557
FAX:0859-30-3859
Email:yoga@yogatherapy.jp
<参考URL>
日本ヨーガ療法学会 大阪大会
一般社団法人 日本ヨーガ療法学会
日本ヨーガ療法学会研究総会Facebookページ
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