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公益財団法人人権教育啓発推進センター
会社概要

ハンセン病問題を次世代に伝える「親と子のシンポジウム」

偏見や差別をなくし安心して暮らせる社会へ

公益財団法人人権教育啓発推進センター

【ハンセン病問題のことをもっと知って話し合おう】
ハンセン病問題を次世代に伝える「親と子のシンポジウム」が11月11日にオンラインで開催されました。ハンセン病は治療法が確立しており、治る病気です。しかし、ハンセン病患者・元患者やその家族への偏見・差別は現代社会に根強く残っています。偏見・差別を解消するには、ハンセン病による偏見・差別を受けた当事者の声を聞き、ハンセン病問題に関する正しい知識を身に付け、患者・元患者やその家族の方々が置かれている状況を理解することが大切です。ハンセン病問題の解決に向けて、世代を越えて話してみましょう。

〔ハンセン病とは?〕

ハンセン病とは「らい菌」という細菌に感染することで起こる病気です。手足の指先の神経が麻痺したり、皮膚が変形したりすることがありました。しかし、らい菌の感染力は弱く、発病することは極めてまれです。また、万が一発病しても、現在は早期発見と適切な治療により、後遺症が残ることなく完治します。


<基調講演>

●「うそ」の生き方で60年余

国立療養所多磨全生園入所者自治会会長

山岡 𠮷夫さん


私は小学6年生の夏休みにハンセン病を発症し、国の強制的な隔離政策によって、国立療養所長島愛生園(岡山県)に入所して治療を受けることになりました。家族や親類に迷惑がかかるからと、姓を山岡から山田に変えました。

つらかったのは病気への偏見で親子の絆が結べなかったことです。友達もできず、口数も少なくなり、孤立していきました。

これではいけないと思い、長島愛生園から多磨全生園(東京都)に転園し、そこから都立の定時制高校に4年間通いました。卒業前には全生園を退所し、卒業後は都内で就職しました。30年以上にわたり会社勤めをしましたが、その間は病気のことを隠し、人とのつながりをもたず、「うそ」の生き方をしてきました。その後、後遺症の治療のため、2012年に全生園に再入所しました。

全生園には70歳から105歳まで99人が生活しています。高齢化問題もありますが、現在は、全生園を市民共有の森、ハンセン病問題を学ぶことができる「人権の森」にしようという構想に取り組んでいます。


<トークショー>

●差別する側もされる側に

俳優

横溝 菜帆さん


ハンセン病という言葉は聞いたことがありましたが、詳しいことは知らなかったため、今回国立ハンセン病資料館を訪ね、ハンセン病の歴史や現状を学びました。患者・元患者やその家族の方々の苦しい思いをされた境遇に触れ、とても胸が苦しくなりました。

衝撃だったのは、患者さんが断種、堕胎でこどもを持てないようにされたことです。また、小さいこどもたちも療養所に入所していたと聞いて、家族や友達などと突然引き離されてしまったら、どれほど悲しくてつらくて怖いんだろう、療養所で友達はできたのか、どのような話をしたのか、想像は広がりました。

どうしたら偏見・差別がなくなるのでしょうか。小・中学校で「ハンセン病問題について知ろう」をテーマにしたイベントがあっていいと思います。ハンセン病問題に関する情報に触れることができる場を増やしたらよいと思います。差別をする側もされる側になるかもしれません。一人ひとりが正しい知識を身につけ、自分事として考えることが大切だと感じます。


<パネルディスカッション>

患者・元患者やその家族が安心して暮らすには?


●「声」を届けるのが使命

フリーアナウンサー 元ヤングケアラー

町 亞聖さん


私は主に医療と介護の問題で生きづらさを抱えている人々の声に耳を傾けてきました。ハンセン病患者を隔離することなどを定めた「らい予防法」が27年も前に廃止されたにもかかわらず、いまだに偏見と差別はなくなっていません。そんな現状に苦しむ人の声を全国に届けるのが私の使命だと考えています。


●正しく知って、正しく行動 

第41回全国中学生人権作文コンテスト・内閣総理大臣賞受賞者

松葉 悠乃さん


高校の部活動でヒューマンライツ部に所属しています。岡山県にある国立療養所長島愛生園で園内ガイドを経験し、入所者の方々と交流して学び、入所者の方々だけでなく家族も差別によってつらい経験をしたと知りました。偏見や差別をなくすためには正しく知って、正しく行動することが大切です。


●徹底的に考え続ける

東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻修士課程在籍、写真家・アーティスト 

木村 直さん


こどものころ両親に連れられて通った沖縄愛楽園の大好きなおじい、おばあとの交流からハンセン病問題を知り、写真や映像などを用いて表現活動をしています。差別と向き合うには徹底的に考え続けることが必要だと思います。中学生のみなさんには、ぜひハンセン病療養所に出かけてみてほしいです。


●自分事として考える

ハンセン病問題を共に学び共に闘う全国市民の会会長

太田 明夫さん


ハンセン病問題や様々な差別の問題の当事者とは、被害を受けた当事者だけではなく市民一人ひとりなのです。全ての人が自分の問題として考えなければなりません。一度、教室で先生に「ハンセン病とはなんですか」と質問してみてください。先生と一緒に考えることも大切です。


●人権の進化に対応する
全国人権擁護委員連合会会長、国立ハンセン病資料館館長

内田 博文さん


人権は絶えず進化し続けます。進化に対応せずにいると未解明の問題を闇に葬ることになります。それは私たちが再び差別者になることを意味します。ハンセン病問題を解決していくためには絶えず次世代にバトンタッチし、その時代の進化に即応していく必要があります。それが被害者の救済につながります。


●身近な人が差別されたら

国立ハンセン病資料館学芸員

金 貴粉さん


全国のハンセン病療養所の入所者812人の平均年齢は87.9歳(5月現在)です。入所者がいなくなっても、ハンセン病問題は残ります。偏見・差別の問題は大多数である社会の側が変わらなければいけない課題です。身近な人が病気のために偏見・差別を受けたらと想像して、一歩を踏み出してみてください。


<ビデオメッセージ>


●人間として生きられる社会を

ハンセン病違憲国家賠償請求訴訟全国原告団協議会 事務局長

竪山 勲さん


11歳の時に母がハンセン病で亡くなり、中学2年生でハンセン病療養所に強制隔離されました。家族とは離れ離れになり、父や兄、姉の葬儀にも出られませんでした。親と子の絆を断ち切るようなことがあってはなりません。当たり前の生活も国の政策の中で奪われてしまった人生があるということも知っていただきたいです。


●いつでも遊びに来てください 

全国ハンセン病療養所入所者協議会会長、国立療養所邑久光明園入所者自治会会長

屋 猛司さん


邑久光明園は東日本大震災の翌年から被災者家族を受け入れて、交流しています。ハンセン病療養所では唯一、敷地内に特別養護老人ホームもあり、その入居者を年に2回招待しています。親子で、近所の人たちと誘い合わせて、近くのハンセン病療養所に足を運んでみてください。いつでも遊びに来てください。


●私たちのことを忘れないで

ハンセン病家族訴訟原告代表

原告番号21番さん


父が24歳でハンセン病を発症し、私は小学校で同級生からハンセン病患者の子といじめられました。運動会の昼食も母と校舎の陰に隠れるようにして食べました。家族訴訟の原告団(560人以上)のほとんどが今なお、偏見・差別に怯えながら自分の経験を隠して暮らしています。どうか私たちのことを忘れないでください。



このシンポジウムの模様は、動画共有サイトYouTubeの[人権チャンネル]でご覧いただけます。

https://youtu.be/P276Vt03VrI?feature=shared


ハンセン病問題に関連する動画はこちらよりご覧いただけます。

人権啓発動画「ハンセン病問題を知る ~元患者と家族の思い~」

https://youtu.be/gPH5b_CDwto 



●人権相談窓口

様々な人権に関する相談を受け付けております。


みんなの人権110番(全国共通)0570-003-110

こどもの人権110番(全国共通・通話料無料)0120-007-110

女性の人権ホットライン(全国共通)0570-070-810

インターネット人権相談受付窓口 https://www.jinken.go.jp 

こどもの人権SOSミニレター https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03_00013.html 

外国人のための人権相談 https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken21.html 

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