NY発のデザインスタジオSOAR NYが、春の東京を鮮やかに染め上げた—森ビルによる5つのヒルズ横断プロモーションのアートディレクションを担当。

都市空間に春を届ける大規模アートディレクション。“桜”を再解釈したビジュアルを開発し、ヒルズ５箇所を起点に都市へとひらく回遊体験を創出。

SOAR NY

2025年5月30日 12時09分

ニューヨークを拠点に活動するグローバルデザインスタジオ SOAR NY（本社：ニューヨーク市ブルックリン、代表：花原正基）は、森ビル株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：辻慎吾）が運営する5つの「ヒルズ」連動のプロモーション「HILLS SAKURA JOURNEY」（2025年3月22日〜4月6日）のアートディレクションを担当しました。

本件は、六本木ヒルズ、アークヒルズ、麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、愛宕グリーンヒルズの5箇所を横断しながら、訪れる人々が“歩いて”桜と都市を楽しむという、ヒルズ間の回遊を促すプロモーションです。SOAR NYはその世界観を表現し、街の印象に残るビジュアル構築を手がけました。

コンセプト

“桜”を抽象とモダンで再構築──都市空間と共鳴するビジュアル展開

一般的な桜キャンペーンで多く採用される桜の写真や和柄、あるいは伝統的な色づかいに頼らず、SOAR NYは「桜吹雪と、色づく東京の街」をコンセプトに、現代都市にふさわしいビジュアルを創出。桜のもつ儚さ・力強さ・揺らぎといった多様な表情を、鮮やかで詩的なグラフィックに昇華しました。

このグラフィックは、桜のもつ伝統的な美しさを踏まえながら、現代の都市にふさわしい新たな春の表現を試みたものであり、都市空間のなかで人々の感覚を揺さぶる“新しい春の記号”を生み出しました。

5つのヒルズがつながるアートディレクション

SOAR NYは、５つのヒルズにおけるクリエイティブ開発をディレクションし、ヒルズを起点に、街全体を歩いて楽しむ体験をビジュアルでつなげる設計を行いました。

１．５ヒルズによって異なるビジュアル表現

移りゆく東京の街と桜の風景の連続を描くことで、新鮮な景色に出会うワクワク感を演出。

２．大型ビジョンやデジタルサイネージで映えるモーショングラフィック

３．地下鉄の駅に掲載したコルトンインフォメーション

４．街をつなぐ共通フライヤー

持って歩きたくなるような明るい世界観と、桜が咲いている場所が分かりやすくレイアウトされたマップをデザイン。

クリエイティブディレクター花原正基・コメント

「このプロジェクトでは、都市に存在する“移動”や“視点の変化”をデザインの一部として取り込みました。歩くことで視界が変わり、街と桜の関係が変化する。遠景から近景そしてクローズアップと、連続する風景と感覚の揺らぎを、ビジュアルに落とし込んでいます。

SOAR NYが目指すのは、広告でもアートでも単独では語れない、都市に作用する“感性の装置”をつくることです。今回のように街の随所に展開されたビジュアルが人の行動や気分を変えていく体験は、都市を再構築するデザインの可能性を示しています。今後も、美しく洗練されたビジュアル構成を軸としながら、街の文化や景色を“内側から変える”活動を広げていきます。」

花原正基（Masaki Hanahara）

資生堂で約17年、ブランドと企業広告のアートディレクター／クリエイティブディレクターを務め、2019年に渡米。グローバルブランド「SHISEIDO」のクリエイティブディレクターを経て、2022年にSOAR NYを設立。戦略と表現をつなぐ視点と、高いビジュアル構築力を活かし、広告やアートなどのジャンルを問わず、国内外で多様なプロジェクトを手がけています。