環境シンポジウム「今を生き抜く風土学~足もとから社会と心の平和を考える~」緊急開催!
「人類の未来は、今後10年の私たちの行動で決まる」
「気候危機を含む環境問題は人権の問題でもある」
このように国連が声高に叫ばざるを得ないほど地球環境はかつてない危機に瀕しています。その一方で大規模開発、森林破壊、海洋汚染、土壌汚染は進み、最大の環境破壊である戦争は止まず、いのちが絡め取られるように失われています。
一人ひとりの意識と行動が切実に問われるなか、多くの人が途方に暮れて立ち尽くし、豪雨災害が起これば防災の専門家の先生方のコメントに終始して、根本的な要因、具体的なアクションにまだ辿り着いていないのが現実です。
この閉塞状況に風穴をあけるため、昨年12月に発足したのが一般財団法人「杜の財団」(代表理事:矢野智徳)です。そして先月、8月31日には堀信行氏(東京都立大学名誉教授)を会長に「風土再生学会」が発足。現場と研究分野を横断的に繋ぎ、上記のマクロな環境問題と、切実で日常的なミクロの環境問題に対して、即応的な環境再生の視点と技術の研究・普及・実用化を目指すものです。
グローバルな環境危機の渦中にあって、一人ひとりの意識の変化、小さなアクションが本質的な変革と創造的未来に繋がることを目指し、この度合同で緊急環境シンポジウム「今を生き抜く風土学~足もとから社会と心の平和を考える~」を開催します。
人間は古来、自然を畏れ、敬い、尊びながら暮らしてきました。あらゆる社会活動、文化、信仰、生活は「風土」とともにあり、それらは言ってみれば自然の中で他の生きものと共に「生き抜く」 ための智慧、技術として伝承されてきました。
豊かさを一面的に捉え、人間中心の経済成長に目を向けてきた時代に、失われてきたものは何だったのか。いまこそ「風土」の意味と価値を見つめ、学び直す必要があるのではないか。
半世紀以上にわたって「地球フィールドワーク」を行ってきた堀信行氏の基調講演は、地理、地形から現代社会をマクロとミクロの両視点から捉え、未来への視座を高めるものになります。粟生田忠雄氏からの「流域生態系」に関する研究報告は具体的な示唆に富み、造園家および環境再生医として40年自然と向き合ってきた矢野智徳氏からの実践報告は、環境問題の核心を突き、解決への道筋を問いかけます。
待ったなしの現実の中で、間に合わなくなる前に。参加者の方々にこの内容を是非ともお聞きいただき、その上で共に考え、具体的な行動へと繋げていくキックオフ集会としたいシンポジウムです。急遽の呼びかけではございますが、多くの皆様のご理解とご参加をお願い申し上げます。
【開催概要】
■日 時:2024年9月23日(月、祝)、11時~19時15分
■会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟 第1ミーティングルーム(東京都渋谷区代々木神園町3-1)
■開催方法:対面
■参 加 費:学生3000円、「結の杜会」正会員5000円、一般8000円
■主 催:一般財団法人杜の財団、風土再生学会
■参加方法:以下Peatixよりお申込みください。
環境シンポジウム「今を生き抜く風土学~足もとから社会と心の平和を考える~」
【タイムテーブル】
10:30~受付
11:00〜開会 各団体(一般財団法人杜の財団、風土再生学会)からの挨拶、概要説明
11:30〜基調講演 堀 信行氏(風土再生学会会長/東京都立大学名誉教授)
「Fudology ~ 風土再生:人間と自然の関係性に新たな視座を求めて」
<12:45〜昼食休憩>
13:45〜研究報告 粟生田忠雄氏(風土再生学会/新潟大学助教)
「流域の生態系保全機能を総合学として考究する今日的意義」
<14:45〜休憩>
15:00〜現場からの報告1 矢野智徳氏(一般財団法人杜の財団代表/合同会社杜の学校)
「能登震災、明治神宮外苑樹木伐採問題他から見えてくる現代の風土と再生」
16:00〜現場からの報告2 矢野智徳氏(大地の再生技術研究所)
「通気浸透水脈に関する特許の内容とその技術的・社会的意義」
<16:45〜休憩>
17:00〜フリーディスカッション、シェアタイム
「私たち一人ひとりに何ができるか」
19:00 閉会挨拶(19:15閉会)
登壇者プロフィール
堀 信行(風土再生学会会長/東京都立大学名誉教授/地理学者)
1943年愛知県生まれ。東京都立大学名誉教授、地理学者。サンゴ礁をはじめ、アフリカなどの熱帯地域の環境地理学的な研究を行うとともに、風景論、風土論も展開している。主な著書に『アフリカⅠ』(共著、朝倉書店)、『環境の人類誌』(共著、岩波書店)、『水の原風景―自然と心をつなぐもの』(共著、TOTO出版)、『熱い自然―サンゴ礁の環境誌』(責任編集、古今書院)、『風景の世界』(共著、二宮書店)などがある。
粟生田 忠雄(風土再生学会/新潟大学助教)
1963年埼玉県生まれ。新潟大学農学部農学科助教。地域環境工学、生物多様性、物質環境、土壌環境などの研究を行う。主な著書に『不飽和土壌における残留水分の物理的定義について』(共著、アジアの不飽和土壌)、『土の中の水』(共著、土からのラブレター)などがある。
矢野 智徳(一般財団法人杜の財団代表理事/造園家/環境再生医)
1956 年福岡県生まれ。花木植物園で植物と共に育つ。東京都立大学において理学部地理学科・自然地理を専攻。1984年、矢野園芸を始め、1995年の阪神淡路大震災で大量の瓦礫がゴミにされるのを見て、環境改善施工の新たな手法に取り組む。1999 年、元日本地理学会会長の中村和郎教授らと、環境 NPO 杜の会を設立。現代土木建築工法の裏に潜む環境問題にメスを入れ、その改善予防を提案。足元の住環境から奥山の自然環境の改善までを、作業を通して学ぶ「大地の再生」講座を開催。
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