小児がんなどの病気と向き合う子どもたちへ、メタバース技術を活用し、わくわくする支援を提供 『WonderMeta×PABLOS美術館』プロジェクト始動
今秋、高松市内で連動リアル展示イベントも開催予定

小児科医、香川大学教育学部准教授、長期入院児を支援するNPO法人の代表らによって結成された「チームWonderMeta」は、メタバース(仮想空間)を活用し、美術作品の発表・展示を通して“わくわく”と交流の機会を届け、小児がんをはじめとする小児慢性特定疾病と戦う子どもたちを支援するプロジェクト『WonderMeta×PABLOS美術館』を始動します。なお、2025年9月には、「世界⼩児がん啓発⽉間」(9⽉1⽇〜30⽇)に合わせ、オンラインでの美術展と、香川県高松市内でのリアル展示イベントも開催予定です。
小児慢性特定疾病は長期にわたる治療・入院・通院が必要なケースが少なくなく、病気に対する不安や治療の苦しさに加え、学校や日常生活への参加が制限されることも多く、社会的な交流が乏しくなったり、生活の楽しみが奪われてしまったりすることが少なくありません。本プロジェクトは、そうした社会的孤立、教育機会の損失、心理的負担などの課題が少しでも解消されるよう、彼らが楽しく創造し、病室やご自宅など場所を問わず、社会や人とのつながりを感じられることを目的に企画したものです。
闘病中の子どもたちが病室や自宅で制作したアート作品を、教育テクノロジー事業を展開するパブロス株式会社が手掛けたメタバース上の美術館「PABLOS美術館」で展示するだけでなく、投票機能や館内で楽しめる謎解きクエストなどを用意し、遊び心あふれる参加型美術館をめざします。
本プロジェクトへ協賛いただける企業・団体を募集しています。ご関心をお持ちいただけた方は、担当から詳細を説明させていただきますので、ぜひウェブサイトよりご連絡ください。
公式ウェブサイト(https://wondermeta.org)
『WonderMeta×PABLOS美術館』開催概要
主催:チームWonderMeta
協力:パブロス株式会社
システム開発: 株式会社BIFROST
運営:株式会社happipon
対象:
小児慢性特定疾病の認定を受けている方(20歳未満の方のみ)
※作品の制作・展示応募は対象者のみに限らせていただきますが、
メタバース美術館での展示鑑賞はどなたでもご参加いただけます
作品テーマ:
「空想いきもの図鑑」世界でたった一つの生き物を自由に描こう!
(かわいい、かっこいい、ふしぎな生き物など何でも歓迎)
作品の形式:
絵画・工作・デジタルアートなど自由
(工作などの立体作品は写真でのアップロードとなります)
提出方法:下記いずれかの方法にて8月10日までに作品提出
1.作品を写真やPDFスキャンデータにして送付
2.作品を着払いで郵送(8月10日消印有効)
応募締切:2025年8月10日(消印有効)
展示:
〇2025年9月1日(月)~20日(土)に開催予定のオンライン美術展で公開
〇2025年9月28日(日)に開催予定のリアル展示イベントにて展示・表彰
備考:
入院中の方に関しては、NPO法人未来ISSEY「グッドブラザー事業」にて、
入院中の子どもたちを遊び・学習を通して支えてきたボランティアらが、
作品制作をサポートします。
その他詳細は、公式ホームページにてご確認ください。
* 内容は変更となる場合がございます。
「チームWonderMeta」について

「新しい技術を使って 闘病中の子どもたちに わくわくする支援を」をモットーに、香川大学の小児科医、教育学部准教授、長期入院児とその家族を支援するNPO法人の代表らによって結成されたチームです。
闘病中の子どもたちが抱える社会的孤立、教育機会の損失、心理的負担を目の当たりにし、彼らが楽しく創造し、病院やご自宅など場所を問わず、社会や人とのつながりを感じられるよう、新しい技術を使って"わくわく"できる体験を実現していくことをめざしています。
川口 幸穂(香川大学小児科医局所属 小児科医 / 株式会社happipon 代表)

(株)ボストンコンサルティンググループにてコンサルタントとして6年勤務した後、医師免許を取得し、現在は小児科医として勤務。2021年より、「長期入院経験のあるお子さんを招待するティラノサウルスレース」 を毎年主催している。
今回のプロジェクトを始めたきっかけは、「小児慢性特定疾病」という、まだ社会にはあまり知られていない難病と闘う子どもたちを応援したいという想いでした。私は大学病院で小児科医として働き、長期入院する子どもたちやそのご家族と日々接しています。病院では半年から1年以上も狭い病室で過ごし、社会とのつながりが途絶え、家族との時間さえ制限されてしまう子どもたちがいます。その子たちは病棟内で開催される小さなイベントや、自分の描いた絵や工作物が掲示板に飾られるだけでも大きな喜びを感じてくれます。こうした子どもたちの姿を見る中で、「自分が作った作品をもっと多くの人に見てもらい、評価されるような機会を提供したい」と考えるようになりました。メタバースという新しい技術を使えば、入院中でも自宅療養中でも、多くの人に作品を届けたり、他の人の作品を鑑賞したりすることが可能になります。さらに、このプロジェクトを通じて「小児慢性特定疾病」について社会の理解を深め、子どもたちが温かく社会に迎え入れられる一助になれば嬉しく思います。
小西 行彦(香川大学教育学部准教授 / 小児科専門医、小児神経専門医、子どものこころ専門医)

小児科医としての長いキャリアを持ち、教育分野での研究・教育活動も行う。病弱児(慢性的な病気のために日常生活に制限のある児童)の学びの支援に取り組む。
私は小児科医として20年以上働いている中で慢性疾患を抱える子どもたちが、病気と向き合う中で病気による症状だけでなく、不安や孤独感などの精神的な負担にも直面してしまう姿を目にしてきました。同時にこうした子どもたちが教育を受ける機会が制限されることが多いという現実も何度も見てきました。
昨年から教育学部に身を置くことになり、教育の場でもこの問題が重要な課題となっている一方、なかなか改善の取り込みが進まない状況が香川だけでなく全国的にみられているということを知り、何かできないかと考えている中で今回のプロジェクトに参加させていただくことになりました。メタバース内でのアート活動は、物理的に離れている子どもたちがお互いの作品を通じて交流する機会を提供することで孤独感や疎外感を軽減し、自己肯定感の向上や精神的な成長につながる重要な場となると同時に、こうした子ども達が教育を受ける機会を広げていくための第一歩となると考えています。
吉田 ゆかり(NPO法人 未来ISSEY 代表理事)

2024年こども家庭庁「未来をつくるこどもまんなかアワード」の【未来へつなぐ「応援団」部門】にて最優秀の総理大臣表彰に選出。患者や家族のための施設「みらいキューブ」の設立や、入院中の子どもと家族に生活必需品を届ける「エールバッグ活動」、学生サポーターらと共に学習・復学を支援する「チーム・グッドブラザー」等を継続実施。
入院中、痛みが和らいでいる時や治療がない時、子どもたちは退屈で時間を持て余してしまいます。外の世界と比べて楽しい瞬間が少なく、学校に行けない孤独とも向き合っています。そんな時、この美術館の開設によって、少しでも心躍る時間を届けられたらと思い、参加することにしました。
NPO法人未来ISSEYは、病気を抱えるお子様とそのご家族の笑顔と明るい未来を支えたいと考えて活動しています。私自身、小児がんを経験した子の母として、入院生活の孤独を痛感しました。だからこそ、この美術館が子どもたちやご家族に楽しみと笑顔を届ける場になればと思っています。また、学生ボランティアとの交流を通じて、子どもたちが社会とのつながりを感じる機会になれば嬉しいです。
さらに、この取り組みは、私たち当事者が作ったNPOが医療や教育に関わる先生方と一緒に活動することで、今後のサポート体制を広げるきっかけになるのではないかと期待しています。
小児慢性特定疾病とは
20歳未満の子どもの病気のうち、次の4項目を満たすと厚生労働大臣が認定したものを指します。[(1)慢性に経過する (2)生命を長期に脅かす (3)症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる (4)長期にわたって高額な医療費の負担が続く]小児がんのほか、腎臓病や血液疾患など、16疾患群 約850の病気が含まれます。一過性の病気ではなく、長期にわたる治療や入院・通院が必要なケースが少なくありません。病気と向き合う子どもたちは、症状や治療そのものだけでなく、孤立感、学習機会の減少、社会とのつながりの喪失といった課題にも直面しています。
お問い合わせ先
チームWonderMeta事務局(株式会社happipon内)
MAIL:info@wondermeta.org
HP URL:https://wondermeta.org
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