アルタガンマが2025 大阪・関西万博に
※2025年4月14日にAltagammaが発行したプレスリリースの抄訳です。
https://altagamma.it/media/source/ENG_CS%20Altagamma%20Expo%202025%20Osaka.pdf

イタリア館のパートナーであるアルタガンマは「National Made in Italy Day(メイド・イン・イタリーの日)」に際し、職人が持つものづくりのノウハウを称えるインスタレーションを展示し、イタリアの卓越した産業をプロモートします
2025年4月14日、大阪:アルタガンマ(Altagamma)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、ハイエンドのクラフトマンシップ、デザイン、クリエイティビティに基づくイタリアの「美しく、良質で、ウェルメイド」な価値を、イタリア館内の常設展示「アルタガンマ・アイカサヒドゥラン(正二十面体)」と、4月15日に開催の第2回「National Made in Italy Day」を記念して開催されるカンファレンスを通じて発信します。
アルタガンマの会長であるマッテオ・ルネッリ(Matteo Lunelli)は、次のように述べています。
「アルタガンマは、National Made in Italy Dayに合わせて、イタリアの卓越したものづくりを2025 大阪・関西万博で紹介します。これはイタリア館の入り口近くに設置され、来場者を歓迎する巨大なレオナルド・ダ・ヴィンチがデザインしたアイカサヒドゥラン(正二十面体)によって象徴的に示されています。これはアイコン的なインスタレーションで、地方で生まれ、創造性とイノベーション、アートとサイエンスが融合する独自のエコシステムへと次第に変化し、作られたものに美を添え、企業に成功をもたらす、そのようなイタリアの職人の技を動画を通じて紹介します。美意識とクラフトマンシップを共に高く評価するイタリアと日本は、私たちが定義する”美の経済”のキーとなる存在です。“美の経済”はイタリアのGDPの7.4%を占め、その主なターゲットは国際市場です。日本はハイエンドのメイド・イン・イタリー製品にとって戦略的な市場です。2025 大阪・関西万博が、私たちの文化と国を結びつけている強い絆をさらに強めることを願っています。」
アルタガンマ・アイカサヒドゥラン(正二十面体)
Rampello & Partnersが監修し、Eurostands by Mitograffが制作した「アイカサヒドゥラン」によって、アルタガンマはイタリア館の来場者に、ハイエンドなメイド・イン・イタリーを支える柱のひとつである、イタリアの職人技によるものづくりの伝統を表現しています。

アルタガンマ・アイカサヒドゥランは、ウォールナット材で作られた幾何学的な構造物で、イタリアのハイエンドなクラフトマンシップの世界の印象的で記憶に残る体験を提供します。レオナルド・ダ・ヴィンチがデザインし、ルカ・パチョーリが描いた有名な多面体から着想を得たアイカサヒドゥランは20の三角形で構成され、そのうち6面ではアルタガンマに加盟する120ブランドの映像を通じて、イタリアの製造業の驚くべき多様性を人々に示すとともに、クラフトマンシップとホスピタリティアートを起業と産業の成功モデルへと高めてきた、産業地域に形成された広範な専門技術と知識を紹介しています。
Rampello & Partnersが監修し、Eurostands by Mitograffがプロデュースした「アルタガンマ・アイカサヒドゥラン」のデザインコンセプト(英語)と画像(460MB)はこちらからダウンロードいただけます。
カンファレンス「創造性とデザイン、クラフトマンシップとイノベーション:イタリアと日本の対話」
4月15日(火)、「National Made in Italy Day(メイド・イン・イタリーの日)」に、アルタガンマとイタリア館は、Confartigianatoとの協力のもと、創造性とデザインにおけるイタリアと日本の第一人者を招いたカンファレンスを開催。このカンファレンスは、両国の共通点、相違点、ならびに相互作用を探ることを目的に開催されるものです。
このカンファレンス「創造性とデザイン、クラフトマンシップとイノベーション:イタリアと日本の対話」では、アルタガンマ会長のマッテオ・ルネッリ(Matteo Lunelli)、2025年大阪・関西万博イタリアパビリオン政府代表のマリオ・ヴァッターニ(Mario Vattani)氏、駐日イタリア大使のジャンルイジ・ベネデッティ(Gianluigi Benedetti)氏、下院文化委員会委員長のフェデリコ・モリコーネ(Federico Mollicone)氏、Confartigianato会長のマルコ・グラネッリ(Marco Granelli)氏、ミラノサローネ会長のマリア・ポーロ(Maria Porro)氏からご挨拶をいただきます。アルタガンマ・アイカサヒドゥランのキュレーター、ダヴィデ・ランペッロ(Davide Rampello)氏がインスタレーションを紹介します。続くパネルディスカッションでは、デザイナーのファブリツィオ・ジウジアーロ(Fabrizio Giugiaro)氏、原研哉氏、奥山清行氏、シェフのルカ・ファンティン(Luca Fantin)氏、高木慎一朗氏、ポメラートCEO兼アルタガンマ副社長のサビーナ・ベッリ(Sabina Belli)氏、三越伊勢丹グループ マーチャンダイジング部長の宍戸賢太郎氏がそれぞれ対談します。
プログラムはこちらからご覧いただけます。
カンファレンスのもようは 前半 / 後半 からご覧いただけます。
アルタガンマについて
アルタガンマ(Altagamma)は、ファッション、デザイン、ジュエリー、食品、ホスピタリティ、自動車、ヨットの7部門にわたって、イタリアの卓越性、独自性、ライフスタイルを推進する文化・クリエイティブ分野のトップ企業120社を集めています。メイド・イン・イタリーの最高峰であり、イタリアに深く根ざしたサプライチェーンの原動力であるイタリアのハイエンド製品は1,440億ユーロの市場規模を誇り、イタリアのGDPの7.4%に貢献し、輸出収入の70%以上を生み出しています。また、雇用の面でも重要な産業であり、雇用者は直接・間接を占め192万2,000人、これはイタリアの総雇用者の8.2%に相当します。
アルタガンマの詳細は www.altagamma.it をご覧ください。
【参考資料】
4月15(火)開催 アルタガンマ財団主催 カンファレンス
「創造性とデザイン、クラフトマンシップとイノベーション:イタリアと日本の対話」レポート

イタリアの卓越性、独自性、ライフスタイルを世界に広めるハイエンドな文化・クリエイティブ産業の120ブランドが加盟するアルタガンマ財団(Fondazione Altagamma)は、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」において、4月15日のレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日に由来して設定された「Made in Italy Day」を記念するカンファレンス「創造性とデザイン、クラフトマンシップとイノベーション:イタリアと日本の対話」をイタリア館内ホールにて開催しました。
以下、主な内容をご紹介いたします。
[代表挨拶]
マリオ・ヴァッターニ / Mario Vattani(2025年大阪万博イタリア政府代表)
「Made in Italy Dayに興味をもって多くの方々にご来場いただき、本当に嬉しく思います。本日はレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日で、館内にはダ・ヴィンチの手稿のオリジナルが飾られています。芸術家、イノベーター、技術家、デザイン、それはイタリア館が発したいメッセージでもあります。イタリアが世界に伝えてきたレガシーを皆様に伝えていけたらと思います。」
ジャンルイジ・ベネデッティ / Gianluigi Benedetti (駐日イタリア大使)
「第2回目のMade in Italy Dayをこの場所で迎えられることを大変嬉しく思います。非常に重要なアポイントメントであり、イタリアのさまざまな側面をアジアの拠点である日本から、日本だけではなく、世界に向けて発信することができます。Made in Italyは単なるブランドではなく、考え方、モノづくりの長い伝統を有しています。美に対する愛情、素材、アイデアをさまざまな製品に変え、イノベーション、エモーションを内包しています。日本とイタリアにはモノづくり、美、デザインに共通点があり、日本はイタリアにとって重要なパートナーです。今後も戦略的なパートナーシップを持続的に強化していきたいと思います。」
フェデリコ・モリコーネ / Federico Mollicone(下院文化委員会委員長)
「2022年の7月11日に政権が変わったことは、アルタガンマにとっていいタイミングでした。議会の中でMade in Italy Dayが制定されました。国際的に地政学的環境が複雑さを増す中で、企業を支援することはとても大切です。新しい世代の育成も含め、イタリア製品の競争力を高め、世界の市場を獲得するために、イノベーションを促進することが必要です。Made in Italy Dayの目標はイタリアの文化、クリエイティブ産業の革新、成長と国際化を促進し、ブランドの世界的イメージをさらに高め、イタリアンスタイルの象徴としていくことにあると思います。日本は、アジアにおいてMade in Italy製品の輸入国第2位であり、この地域におけるイタリアからの輸出を牽引する非常に重要な市場です。教育によってイタリアのものづくりの技、知識を次世代に受け継ぐ人材育成も重要な項目として取り組んでいきます。」
マルコ・グラネッリ / Marco Granelli(コンファルティジャーナート会長)
「万博は、どんな未来を創ることができるかを共に考える機会です。イタリアと日本は、地理的距離は離れていますが、素材を大切にすること、ディティールへのこだわりなどの共通点があります。両国にとってものづくりは単なる経済活動ではなく、伝統であり、ストーリーを語ることです。クラフトマンは心が重要であり、すべてのスピードが速い時代において、深さが必要なことを職人は知っています。デジタルの時代において、テクノロジーのイノベーションを活用しながら仕事をしています。伝統と新しいビジョンによってMade in Italyを高めることが重要です。」
マリア・ポーロ / Maria Porro(ミラノサローネ会長)
「今回のミラノサローネは、イタリア語、日本語が中心的な言語になっています。多くの日本企業もこちらで展示しており、若い才能として今回、東京のデザイナーが表彰されました。2つの違った文化ではありますが、家具に対するクリエイティビティ、クラフトマンシップの対話がなされました。大阪万博が多くの人たち、文化との交流の場になることを期待しております。」(ビデオで登場)
マッテオ・ルネッリ / Matteo Lunelli(アルタガンマ会長)
「Made in Italy Dayは、アルタガンマが提案し、2023年に議会で制定されました。今回第2回目のイベントを大阪万博で開催できたことを、非常に嬉しく思います。アルタガンマは120の高級ブランドが集結しており、食品、ファッション、ワイン、など違う分野でありますが、同じ価値を共有しています。各企業が各地域に根差し、エコシステムを構築しています。200万人の従業員、1,400億ユーロの売り上げ高はGNPの7%に相当します。イタリア館では、モノづくりの知識やレガシーの継承を重視し、パビリオンの「芸術は生命を再生する」テーマのもと職人が作るデザイン、芸術、機能性と美しさが融合している製品や、芸術が命になっていきます。日本市場は重要な市場であり、イタリア製品の評価が高い市場です。財団に加盟する企業の高級品マーケットにおいては、12%の成長をとげたと言われています。これは将来的にも拡大していくと思います。日本はとても美意識が高く、歴史、アイデンティティがしっかりとしています。日本を足掛かりに、世界中の多くの国々に影響を及ぼすことができると考えています。」
[パネルセッション]
デザインと創造性
イベント後半では、イタリアと日本の創造性とデザインの分野を代表するデザイナー、シェフらを招いて、国の類似点、相違点に関するパネルセッションを実施いたしました。
イタリアからはデザインコンサルティング会社のGFGスタイルの創設者、ファブリツィオ・ジウジアーロ氏と、東京・銀座「ブルガリ イル・リストランテ」のエグゼクティブシェフ、ルカ・ファンティン氏、ポメラートCEOのサビーナ・ベッリ氏が登壇されました。
日本からは無印良品のアートディレクターを務め、日本デザインセンター代表の原研哉氏と、KEN OKUYAMA DESIGN 代表で、デザインコンサルティングを中心に世界で活躍するデザイナーの奥山清行氏、加えて国内外で高い評価を受ける石川県の老舗料亭「日本料理 銭屋」二代目主人の高木慎一朗氏、三越伊勢丹グループMD部長宍戸賢太郎氏など、各分野の第一人者として活躍するメンバーが参加されました。
「イタリアの思想に対する日本の視点」
登壇者:ファブリツィオ・ジウジアーロ、原研哉、奥山清行
ジウジアーロ氏は「日本での活動を通じてトヨタ、スズキの素晴らしい人たちとの仕事が自身にとって幸運なことだった」とし、「日本との共通点は美の耐久、ハーモニーと数学、心がオープンでありイノベーション、伝統的であり、競争性があること」と述べ、原氏は「食べ物のデザインがとても重要」であるとしながら、イタリアのマカロニの形状と日本のひも状のうどんとの対比で、両国のデザイン展開に関心を寄せられました。また自身がプロデューサーを務める、日本の魅力を世界に発信する拠点「ジャパン・ハウス」について、「戦後の大量生産で忘れられた文化、伝統などをいかに未来の資源として磨いていくか」とし、日本の新しい産業の可能性について述べられました。奥山氏は、日本とイタリアの類似点について、「技術は言葉で伝えることが難しく、見て学ぶことが共通している」とし、両国の大きな違いとしては、イタリアは、職人の価値が認識されていることから社会的地位が高く、給与も高い一方で、日本の職人は、低い状況を挙げられました。また日本にはデザイナー養成学校があり、イタリアでは一流のデザイナーになるのに30~40年必要であると述べ、日本の現状をうらやむ場面もみられました。
「イタリア料理への想い:グローカルな視点」
登壇者:ルカ・ファンティン、高木慎一朗
ファンティン氏は、「イタリアと日本の融合した料理は?」の質問に対して「日本にきてクオリティの高さを発見し、素材のビジョンが違うことでゼロから学びなおした」と壁にぶつかった経験を語り、「日本では方向性を変え、地域に根差したイタリア料理にしようと考え、日本中を回り、季節の旬の素材を学びました」と述べられ、玉ねぎ、アスパラガスなど、イタリアの食材ではあるが、日本で生産されたものを選定し、日本の農家の協力を得て目指す料理を作ることができたと感謝の意を添えて語られました。高木氏は、「日本料理が世界に発信できた理由は?」の問いに「日本料理は寿司、天ぷら、ラーメンなど、まだ一部しか広まっていない認識です。それらは音楽で言えばソロであり、懐石料理はオペラにたとえられるような複雑な要素がある」と述べ、日本とイタリアの決定的な共通点として「トマトと昆布のグルタミン酸は、科学的に同じで、肉とか魚もうまみ成分のイノシン酸があり、これら2つの成分が合体した時にうまみが爆発的に多くなる。このマッチングを利用した料理は世界に多くない」と述べ、日本でイタリアが当たり前の存在になっている理由として、酸の組み合わせを挙げ、世界で料理を作る際に、日本との共通点、共有できるものがあることをみせ、日本料理の深さを感じてもらいたいと語られました。
「市場とブランドについて」
登壇者:サビーナ・ベッリ、宍戸賢太郎
ベッリ氏は、自身がCEOを務めるポメラートのジュエリーについて「宝飾品は、なくても生活はできます。しかしながら人々は、膨大なお金を使って買うわけです。それはエモーショナル、欲望があるからです。私は自身のことを、喜びを与える仕事をしていると説明しています。」とし、「この業界の95%のCEOが男性です。しかし、消費者の90%が女性です。このクリエイティビティの世界は、パッションに裏付けされているわけです。合理性があるわけではありません」と述べました。また職人の継承者が減少していることに触れ、「ミラノにある会社で、金銀細工職人の新しい世代の養成コースを作りました。こうした取り組みは非常に重要で、アルタガンマ財団と一緒にイタリアのハイブランドと職人学校を結びつけて支援する活動をしています。」と日本でも共通する後継者問題について危機感を感じておられました。宍戸氏は、経済の不透明性についてどう思うか?に対し「インバウンド、ツーリストの数字が厳しくはありますが、落ち着いてみると日本のお客様は今も堅調であり、特に外商の売り上げが安定的に非常にいい状態が続いています。不透明な状況を生き延びる一つの答えとしては、お店と深く繋がっているお客様としっかりつながっていくこと」と述べられました。また日本人の顧客に対して「イタリアのラグジュアリーは何年間も非常に売り上げがいい状態です。その要因としてMade in Italyのモノを身に着けることによって、自信が持て、そのブランドによる心理的な安全、信頼感を理解されているのではないか」と考えを述べられました。
カンファレンスのレポートは以上です。
イタリア館では会期中、常設展示として「アイカサヒドゥラン(正二十面体)」をご覧いただけます。レオナルド・ダ・ヴィンチが設計し、ルカ・パチョーリが描いたことで有名な多面体に着想を得たインスタレーションで、イタリアの卓越したデザインと美意識が凝縮された、究極の美のシンボルです。
以上
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