全国の看護師に得意なケアや苦手なケアをアンケート【株式会社ケアコム】
『傾聴・コミュニケーション』を大事にしている看護師割合が大きいことが分かった
株式会社ケアコム(本社:東京都調布市、代表取締役社長:池川充洋、以下「当社」)は、ナースコール製品の開発・製造・販売の他、看護師向け情報発信サイト「ケアのあるある知恵袋」( https://aruaru.online/ )を運営しており、この度、全国の看護師371名に看護師のケアをテーマに「看護師の意識・実態調査」を実施しました。

主な調査結果
看護師371名に対して、日頃行うケアにたいして得意なケアや苦手なケア、好きなケアとその理由、昔はやっていたが今はやっていないケア、働いている病院独自の「もしかしてうちだけ?」というケアを質問しました。
1.あなたが得意だと思う看護技術(複数選択可)では、傾聴・コミュニケーションは回答者の43.4%が得意なケアの一つとして回答した。
回答者の43.4%が傾聴・コミュニケーションを得意なケアのひとつとして回答に選択していた。
全回答に対して傾聴・コミュニケーション:18.2%、点滴:11.0%、採血:8.2%、吸引:6.4%、環境整備:5.1%、浣腸・摘便:4.3%、口腔ケア3.6%、食事介助:2.9%、そのほかおむつ交換、ポジショニング・体位変換、バイタル測定、経管栄養(注入)、注射、車椅子移乗、その他が続いた。

主な理由(コメント抜粋)としては、
・コミュニケーションに関しては接遇マイスターというものをいただけたので。
・患者さんと話をして情報収集、寄り添うことが好き!清潔ケアも好きですが、得意?とは違う気も…他のケアは平均的だけど、吸引は比較的得意かもです!
・患者さんの反応から
・公認心理師 特定行為修了者 登録販売者 プライマリケア認定看護師 など少しですが系統的に学んできたから
・時々、指名が入るから。
・他者に評価されるポイントだから。
・日々の業務で慣れているから
・コミュニケーションとりながら、摂取量をあげる
・いちばん多く行うので
など、経験値や日頃行うことが多いこと、また同僚や患者様からの評価という部分で得意と感じている意見が多く見られた。
また、コミュニケーションは看護の根幹であることも理由から分かった。
2.あなたが好きな看護技術は?(複数選択可)という問いに対しては、環境整備13.7%で最多であったが得意な看護と比べるとばらつきがあった。
環境整備:13.7%、採血:12.4%、食事介助:8.2%、足浴:7.9%、傾聴・コミュニケーション:6.6%、入浴介助・シャワー:6.6%、吸引:5.3%、創傷ケア(スキンテアなど褥瘡以外の傷):5.0%、ポジショニング・体位変換、口腔ケア、清拭、褥瘡・創傷ケア、その他が続いた。

得意なケア同様、経験値や実施回数が多いことが理由としてあったが、それ以上に実施した際の達成感やすっきり感、成功したときの嬉しさがるといった理由が多かった。
3.あなたが苦手、やりたくない看護技術は?(複数選択可)という問いに対しては、胃管チューブ挿入:18.8%が最多となった。
胃管チューブ挿入:18.8%、浣腸・摘便:8.3%、牽引や創外固定の管理:8.1%、車いす移乗:7.3%、おむつ交換:5.9%、ポジショニング・体位変換:5.4%、食事介助:4.8%、バルーンカテーテル交換・導尿:4.6%、吸引4.0%、包帯法、採血、環境整備、点滴(静脈確保)、創傷ケア(スキンテアなど褥瘡以外の傷)、入浴介助・シャワー、創傷・褥瘡ケア、の他が続いた。

苦手意識は、経験の少なさや業務上実施回数の少なさなどからケアに対する自信のなさが理由として圧倒的であった。その他の理由としては過去の失敗経験や患者さんのこだわり、単純に嫌いなどがあった。
4.あなたが一番得意だと思っている、または自信を持って提供できている看護ケアという問いに対しては、心理的なケア、寄り添い、傾聴など:28.8%が最多だが、1つもない:11.9%が時点となった。
心理的なケア、寄り添い、傾聴など:28.8%、1つもない:11.9%、点滴・ルート管理:9.7%、認知症ケア:7.0%、清潔ケア:5.4%、人工呼吸器管理:4.6%、家族ケア:4.3%、褥瘡ケア:3.8%、廃痰ケア(吸引や体位ドレナージ、スクイージングなど):3.5%、緩和ケア、食事介助、退院時支援、その他と続いた。

アンケート回答者なりの工夫や自信をもって提供している方法において、患者さんの立場に立つことの重要性が見られた。
番外編
あなたが、看護師をしていてやる気が出る、燃える場面を教えてください。(例:褥瘡を発見したとき、新しい患者さんが不安を訴えてくれたときなど具体的な場面を教えてください。)
1. 【患者さん・家族の喜びを感じたとき】
・断トツで「ありがとう」と家族や患者から言われた時。
・患者さんが「実は・・・」と話してくれた時
2. 【急変・緊急対応時の達成感】
・急変場面です。アドレナリンがでてぶわぁっとやる気がでるのがたまりません。
3. 【患者さんとの信頼関係・心を開いてもらえたとき】
・クセの強い患者さんとのコミュニケーションのきっかけや懐に潜り込めそうなすきを見つけたとき。それが上手くいって入院生活に馴染めるようになったとき。もっと頑張るぞ!と燃えます。
4. 【意思決定支援・難しい場面での支援】
・薬を飲みたがらない患者が自分と話す事で飲んでくれたとき、自傷行為の患者が自分と話す事で自傷行為を止めるとき。
5. 【日々のケア・ケアの質向上を感じたとき】
・清潔ケアをして、ピカピカになったり髪の毛がふわふわになったりしたときに、次の患者さん、利用者さんに対してのやる気も出ます。
6.【採血・点滴ライン確保でやりがいを感じたとき】
・「私、血管細いんです。」「血管見えづらいって言われるんです」「看護師さん泣かせの血管なんです」と言われた時
・難しい血管のルートを確保できた時
などがあげられた。
以上のような結果がアンケートによりわかりました。
全体を通して、患者さんとのかかわりの時間を大切にしている看護師の方が多いことがわかりました。
しかし実際の現場ではルーティンワークによる患者さんとかかわる時間が取れないこと、看護師不足の深刻化など課題が多くあると思います。
看護師が自信をもって看護に望める環境ができるよう微力ながら弊社一丸となり医療業界に貢献してまいります。
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