宇宙戦略基金の技術テーマ「衛星データ利用システム海外実証」にTellusも参画

衛星データを活用したソリューションの海外展開に向けた「基盤整備」を担当

株式会社Tellus（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：山﨑秀人）は、2025年6月10日（火）に開催された、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下、JAXA）が推進する宇宙戦略基金の技術開発テーマ「衛星データ利用システム海外実証（フィージビリティスタディ）」のキックオフミーティングに参加し、研究活動を開始しました。

◾️技術開発への取り組みに関する概要

研究代表者である一般財団法人日本フォーラムは、技術開発課題「海外における衛星データ利用システムの開発・実証基盤の整備（委託）」をJAXAへ提案し、2025年2月7日（金）に採択されました。

本プロジェクトでは、「宇宙地理空間技術」と「地上データ、AI、機械学習、ビッグデータ、IoT」を組み合わせた先進的な「統合宇宙技術」および「地理空間情報」を活用し、衛星データを用いたソリューションを海外に展開したい企業と連携して、グローバル市場における社会実装を目指します。

具体的には、現地拠点や現地コーディネーターの整備、対象国の宇宙政策・戦略・マスタープランへの働きかけ、アウトリーチ活動、ハンズオン型のキャパシティビルディング、さらには現地パートナーとのビジネススキームの構築など、多角的な取り組みを進めてまいります。こうした活動を通じて、APAC地域のステークホルダーおよび現地企業との連携を強化し、数十億〜数百億円規模の新たな事業機会を3〜5件創出することを目標に、関連する環境の整備を推進していきます。

本プロジェクトには、企業・団体・大学の計6者が参加しており、当社も研究分担者の一員として参画しています。当社は主に「基盤整備」の領域を担当し、「相手国における能力開発と持続可能な市場拡大を目的としたキャパシティビルディングの提供」、「有望な現地ビジネスパートナーとの共創を促進するスキームの構築」を、重点課題として取り組んでまいります。

なお、対象国はタイ、ベトナム、インドネシアの3か国であり、現地のニーズに即した持続可能な仕組みづくりを支援してまいります。

◾️Tellusの今後の展望について

当社は本プロジェクトを契機に、衛星データの活用ニーズが高まっているアジア太平洋地域において、衛星データ解析・分析およびソリューション創出を支える衛星データプラットフォームの展開を進めてまいります。AIと衛星データを組み合わせた新たなソリューションの提供を通じて、アジアにおける衛星データ流通のハブとなることを目指しています。

◾️「株式会社Tellus」について

株式会社Tellusは、日本発の衛星データプラットフォーム「Tellus（テルース）」の開発・運用を行う企業です。だれでも簡単に衛星データを活用できる環境を提供し、企業や研究機関によるデータ分析やソリューション開発を支援しています。経済産業省の研究開発事業として2018年にスタートした「Tellus」プロジェクトを継承し、2021年に株式会社Tellusが設立されました。2024年には、さくらインターネットからの事業分割を経て、現在の運営体制となっています。今後は、アジア太平洋地域をはじめとする海外展開も視野に入れ、AIと衛星データを組み合わせた新たなソリューションの提供を通じて、アジアにおける衛星データ流通のハブとなることを目指しています。

コーポレートサイト：https://corp.tellusxdp.com/

◾️参考情報

・宇宙戦略基金事業について

（Webサイト：https://fund.jaxa.jp/）

宇宙戦略基金は、世界的に激化する宇宙開発競争の中で、日本の宇宙産業の競争力強化と成長を支援するために創設された政府主導の大型技術開発プログラムです。

JAXAを中核機関とし、産学官が連携して、輸送・衛星・探査といった分野における先進的な技術開発を促進します。内閣府や関係省庁が策定した方針に基づき、民間企業や大学等が複数年度（最大10年）にわたって意欲的に開発に取り組めるよう、スタートアップなども対象に継続的な支援を行います。

本リリースで言及している「衛星データ利用システム海外実証（フィージビリティスタディ）」は、その中の技術開発テーマの一つです。

・技術開発テーマ「衛星データ利用システム海外実証（フィージビリティスタディ）」について

（Webサイト：https://fund.jaxa.jp/techlist/theme19/）

本テーマは、日本の宇宙産業全体の市場拡大を目指し、衛星データを活用したソリューションの海外展開を支援する取り組みです。

宇宙機器産業（ロケットや衛星など）だけでなく、それを活用した ダウンストリーム（利用）産業を成長させることで、宇宙産業全体の持続的な発展を図ることを目的としています。衛星データを活用したソリューションは、広域性や汎用性に優れており、特定の国や地域の課題に対応した技術は、同様の課題を抱える他国にも展開可能です。

これにより、グローバルな市場でのスケールメリットを得ることが期待されます。一方で、海外での事業展開には現地の制度、文化、商習慣、ニーズなど複雑な要素への対応が求められるため、官民連携のもとで戦略的に進めることが重要です。本テーマでは、まず約2年間のフィージビリティスタディ（実現可能性調査）として、現地ニーズの把握やビジネススキームの検討を進め、その後の本格的な事業化へとつなげることを目指しています。