GenSparkに挑戦状？Skywork.ai、先駆的なAIオフィスエージェントを発表――8時間の作業をわずか8分に

SKYWORK AI PTE. LTD.

2025年5月19日 19時44分

2025年、AI開発競争は「エージェントの時代」へと突入しました。2025年1月、OpenAIが高度なリサーチレポート作成機能を備えた「Deep Research Agent」を発表し、話題を呼びました。まもなくして、「Manus」や「Genspark」などの汎用エージェントが登場し、複数のモダリティに対応したコンテンツ生成を可能にすると主張しています。

そして現在、シンガポールと米国に本社を構えるSkywork AIがこのエージェント市場に参入しました。同社は5月19日、AIオフィスエージェントの先駆けとして「Skywork Super Agents（スカイワーク・スーパーエージェント）」を正式発表。北米と日本で同時にリリースされました。

「1つの指示で5形式に対応、8時間の業務を8分に」

多くのビジネスパーソンが共通して抱える悩み――それは、業務時間の約60％が複雑な資料作成に費やされているという現実です。リサーチレポート、要約資料、データシート、プレゼン資料などの作成に追われ、本来注力すべきビジネス価値の創出に十分な時間を割けていないという声が後を絶ちません。

この課題に対し、Skywork AIの「Super Agents」は、文書・スライド・スプレッドシート・ウェブページ・ポッドキャストの5形式に特化したAIエージェントを提供。コンテンツ制作の効率と品質の両立を目指しています。

汎用型エージェントとは異なり、Skywork.aiは5つの専門エージェントと1つの汎用エージェントで構成される垂直特化型システムを導入

「Manus」のような多機能を提供する汎用型エージェントは、機能の幅広さが特徴である一方、個々のタスクにおける専門性に欠けることが課題です。これに対し、Skywork.aiは、特定業務に深く対応するための垂直特化型構成を採用。5つの専門エージェントと1つの汎用エージェントから成る革新的なシステムを発表しました。

5つの専門エージェントは、それぞれプロフェッショナルな文書、プレゼンテーション、データシート、ポッドキャスト、ウェブページの生成に特化しています。このうち「Documents」「Slides」「Sheets」は、オフィスワーカーにとって最も一般的なニーズに対応しており、Microsoft OfficeやGoogle Workspaceの中核機能と重なる領域を担っています。Skyworkはこれら3つのエージェントに高度なリサーチ機能を統合し、コンサルティングレベルの品質とリサーチベースのコンテンツを提供可能にしました。

一方、「Webpages」と「Podcasts」は、ニューメディア時代における価値あるコンテンツ形式として注目されており、全5つの専門エージェントは、ビジネスおよび学習の実務シーンに即した高品質かつカスタマイズされた成果物の生成に特化しています。

さらに、Skyworkは汎用エージェントを提供し、複数のMCP（Model Context Protocol）と接続することで、ビジネスユーザーのためのマルチモーダルな創造業務を支援

加えて、Skyworkは「General Agent（汎用エージェント）」も展開しており、これは数十種類に及ぶMCP（Model Context Protocol）と連携しています。これにより、マルチモーダルな創造的タスクに対応し、ビジネスユーザーが求める専門的な成果物を効率的に生成可能です。

この汎用エージェントを活用することで、プロモーションビデオ、オーディオブック、ミュージックビデオ、絵本など、多様なマルチメディア形式のコンテンツを制作できます。

Documents：チャート強化型のディープリサーチ対応エージェント

今回のリリースにおける中心的存在は、「Documents」「Slides」「Sheets」の3大エージェントです。

まず「Documents」について。近年、ユーザーの文書作成ニーズは一層高度化・多様化しており、業界調査、競合分析、製品企画、学術論文、事業提案書、マーケティング戦略、さらには創作的なライティングまで、その範囲は広がっています。

これに対応するため、Skyworkは独自の「ディープリサーチ」技術を「Documents」エージェントに搭載。先進的な推論能力と、モデル駆動型の情報検索技術を組み合わせ、検索の深度と網羅性を大幅に向上させました。また、強化学習の導入により、検索の一般化能力も高まり、ユーザーは信頼性の高い情報源をもとに、高品質なコンテンツを効率的に生成できます。

Skyworkは、同社のリサーチ機能がOpenAIと同等の精度を誇りながら、コストは約40％に抑えられていると発表しています。

さらに、Skyworkの「Documents」エージェントが作成するリサーチレポートには、より多くのデータチャートが盛り込まれており、文章中でもそれらを視覚的に美しく表現することが可能です。

SkyworkのDeep Research Agentは、GAIAリーディングボードにおいてスコア82.42という高評価を獲得し、ManusおよびOpenAIのDeep Researchを上回って、2025年5月10日時点で第1位にランクインしました。

Slides & Sheets：ディープリサーチに基づくAI「オフィス」の構築

従来のオフィスソフトウェアの常識を覆す存在として、SkyworkはAIによるプレゼンテーションスライドおよびデータワークシートの生成機能も提供しています。

Skyworkの「Slides（スライド）」エージェントは、ディープリサーチ機能を活用し、徹底的な情報検索と深い分析に基づいて、正確な内容を自動生成します。生成されるスライドに記載されたすべての事実やデータは出典の追跡が可能で、信頼性が確保されています。

スライドのビジュアルは洗練されており、動的なエフェクトに加え、YouTube動画の埋め込みにも対応。完成したスライドは、PPTXまたはPDF形式でエクスポートできるほか、Googleスライドへの直接アップロードも可能です。

ディープリサーチを活用したSheetsエージェント：統計分析とテンプレート作成に対応

Skyworkの「Sheets（表計算）」エージェントは、ディープリサーチ機能を活用し、ユーザーがアップロードしたデータシートに対して記述統計や推測統計の処理を行い、統計チャートを自動生成することが可能です。また、多様な業務に対応する各種テンプレート表の作成にも優れた性能を発揮します。

さらに、Skyworkは、ドキュメント・スライド・シート生成機能をMCP（Model Context Protocol）として開発者向けに提供しており、外部システムへの統合利用も可能です。

Webpages & その他：Skyworkのマルチメディア生成力

Skywork Super Agentsは、単なる「AIオフィススイート」にとどまらず、マルチモーダルコンテンツの制作における多才なエキスパートでもあります。

ウェブページ生成においては、ユーザーの要件に基づき、構造が明確で操作性に優れたプロフェッショナルなウェブサイトを迅速に構築可能です。情報発信型のプラットフォームから機能性を備えた実用的なウェブサイトまで、複雑なコーディングなしで創造的なアイデアを形にすることができます。

また、Skyworkは、わずか1文のプロンプトから、論理的に整合性の取れた、聞きごたえのあるポッドキャスト台本を生成し、音声化まで対応可能です（※現在は英語のみ対応）。

Skyworkの「汎用エージェント」は、画像・映像・音楽・音声など、数十種類のMCPを統合しており、プロモーション動画、教材コンテンツ、創作ショートフィルム、オーディオブック、絵本など、さまざまなマルチメディア形式のコンテンツを柔軟に生成できます。

明確化からトレーサビリティまで：Skyworkの巧みなプロダクト設計

賢い入力が、賢い成果を生む

Skyworkは、単に応答するだけではありません。「聞く力」も備えています。あいまいな指示に基づく処理ではなく、ユーザーの目的・背景・制約条件を事前にヒアリングする「明確化カード（Clarification Card）」機能を備えており、AIがユーザーの本当のニーズを把握したうえで、適切な出力を行えるよう設計されています。

情報の出典と論理の透明性

ドキュメント、スライド、シートの各エージェントは、情報の出典元を明示し、ユーザーが原典に基づいて内容を検証できる設計になっています。このような透明性は、自らの業務成果を説明責任付きで提示する必要があるビジネスパーソン、正確性を求める研究者、信頼性の高い参考資料を必要とする学生にとって極めて重要です。Skywork.aiを使えば、コンテンツ作成から納品まで、自信を持って進めることができます。