初の全がん拠点病院の診療実績データ(現況報告書)を分析

がん医療の均てん化目指す「CQI研究会」8月30日開催

Cancer Quality Initiative研究会

 病院間でがん医療の診療内容に違いがあるのはなぜか。どうすればがん医療の均てん化を目指せるのか――。

 このような問題意識の下、国内の半数以上のがん診療連携拠点病院等(※1)が参加する「CQI(Cancer Quality Initiative)研究会 ※2」(代表世話人:藤也寸志(とう・やすし)・九州がんセンター名誉院長)が8月30日、第17回の総会を東京都内で開催します。病院間の診療内容を医療ビッグデータに基づいて比較、改善点を検討する研究会で、今回の総会では初めて、すべてのがん診療連携拠点病院等の診療実績データなどをまとめた「現況報告書」に基づいた分析内容も発表されます。

国内の半数以上のがん診療連携拠点病院等が参加する「Cancer Quality Initiative研究会」 

実名で病院間の診療データを比較するCQI研究会とは

 CQI研究会は、がん診療連携拠点病院等のがん医療の質向上と均てん化を目指す有志病院が2007年に設立した会です。会員病院の診療プロセスについて、「DPCデータ ※3」等の医療ビッグデータを用いて病院間比較し可視化することで、各病院での医療の質向上や経営改善を促しています。病院間のデータ比較(ベンチマーク分析)は、会員病院に限定して病院名を開示した形で行っています。実名でのベンチマーク分析だからこそ、会員病院はさまざまな示唆を得て改善活動に活用し、それら個々の病院の改善が広まることで、国内のがん医療の均てん化につながると考えています。

会員病院へ無料提供「CancerDashboard」

 こうしたベンチマーク分析は、今回開催される総会での発表のほか、ウェブ経由の会員限定サービス「CancerDashboard」でも無料提供します(詳細は『【3分で分かる】がん診療分析ツール「CancerDashboard』参照)。がん診療連携拠点病院等の全がん種の治療内容やクリニカルパス(治療計画表)などを病院の実名でベンチマーク分析できます。

 現在、CQI会員病院は242施設まで拡大しました(CQI会員病院一覧はこちら)。CQI研究会の企画・運営・分析はグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC ※4)が担っています。

すべてのがん診療連携拠点病院等の現状を可視化

 第17回のCQI研究会総会では初めて、「現況報告書」を用いた分析結果が発表されます。「現況報告書」は、毎年、すべてのがん診療連携拠点病院等の状況や診療実績、人員配置等の情報をまとめたものです。今回の分析では、全国のがん診療連携拠点病院等の診療体制、診療実績、各種がん医療の体制、カンファレンス(医療関係者が患者に関する情報共有、問題解決、治療方針などを検討する会議)などについて明らかになる見通しです。

特別セミナー「働き方改革への挑戦」

 また、CQI研究会前には「働き方改革への挑戦」をテーマにCQI研究会の会員病院を対象とした特別セミナー「経営環境が厳しい中・・・できたこと、できなかったこと、これからやること」を開催します。

参加締め切り間近

 第17回のCQI研究会総会の参加締め切りは6月20日。参加対象はがん診療連携拠点病院等です。総会と特別セミナーの開催概要、参加申込方法は以下の通り。

■「第17回CQI研究会」概要

日   時:令和7年8月30日(土)14:00 ~ 16:30

会   場:ハイブリッド形式(オンライン参加:Zoom、来場参加:東京都内を予定)

参 加 対 象:理事長、院長、副院長、診療部長、看護部長、事務部門(経営企画、医事課等)

参 加 費:お一人様 1,000円(税込)

      ※CQI研究会への入会には費用はかかりません。

プログラム:

 (1)周術期がん治療の経年変化および改善の事例発表

  ・胃がん(愛知県がんセンターより)

  ・前立腺がん(神奈川県立がんセンターより)

  ・肺がん(栃木県立がんセンターより)

 (2)がん化学療法の実態

  ・食道がんにおける周術期ケモの治療選択と治療完遂等(副作用マネジメント)(がん研究会有明病院より)

 (3)現況報告書を用いた分析

  ・診療体制、診療実績、各種がん医療の体制、カンファレンスなどの分析

■「特別セミナー」概要(CQI研究会会員限定)

日   時:令和7年8月30日(土)12:30~13:30

プログラム:「経営環境が厳しい中・・・できたこと、できなかったこと、これからやること」

会   場:同上

参 加 対 象:第17回CQI研究会ご参加者

参 加 費:第17回CQI研究会ご参加者は無料

■参加申込方法

以下の「参加申込」からお申し込みください。

(※1)がん診療連携拠点病院等

質の高いがん医療を全国で均てん化するため、都道府県知事の推薦に基づき厚生労働大臣が指定した病院。全国にがん診療連携拠点病等を463 箇所(都道府県がん診療連携拠点病院51 箇所、地域がん診療連携拠点病院352箇所(うち、12箇所が(特例型))、特定領域がん診療連携拠点病院1箇所、地域がん診療病院59 箇所)指定している(2025年4月1日時点)

(※2)CQI研究会

がん対策基本法ができた2007年、がん医療の質向上を目指す有志施設(栃木県立がんセンター、千葉県がんセンター、神奈川県立がんセンター、愛知県がんセンター、四国がんセンター、岩手県立中央病院)が設立しました(世話人は以下参照)。がん診療連携拠点病院等から成る会員は2024年7月現在で242施設にまで成長しました。研究会では、DPCデータの入院・外来データ等を用いて、実名公開の形で参加施設の診療プロセスを比較・分析しています。分析結果を各施設にフィードバックすることで、がん医療の質を改善する活動を支援するとともに“がん医療の均てん化”を目指しております。URL:https://www.ghc-j.com/science/cqi/

【CQI研究会世話人(五十音順)】
愛知県がんセンター:山本 一仁病院長
公益財団法人がん研究会有明病院:渡邊雅之副院長・消化器外科部長
岩手県八幡平市病院:望月泉事業管理者(兼八幡平市立病院統括院長)
岩手県立中央病院:臼田昌広院長
九州がんセンター:藤也寸志名誉院長(代表)
神奈川県立がんセンター:岸田健副院長・地域連携室長・泌尿器科部長
九州がんセンター:森田勝院長
四国がんセンター:吉田功血液腫瘍内科医長
千葉県がんセンター:加藤厚病院長
栃木県立がんセンター:中原理恵呼吸器外科科長

(※3)DPCデータ

包括支払い方式で入院医療費を請求する「DPC(診療群分類別包括払い)制度」の対象病院が作成を義務付けられているデータ。DPC制度は、従来型の出来高制度と比較して、1日当たりの報酬が決まっているため、過剰な診療の抑制や必要なコスト削減を促すことが期待できる。主に病床数が多く、重症患者を診療する急性期病院の多くが導入している。対象病院は1786病院(2024年6月時点)。

(※4)グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン

医療専門職、ヘルスケア企業出身者、IT専門家らで構成される経営コンサルティングファーム。急速な高齢化で社会保障財政の破たんが懸念される中、「質の高い医療を最適なコストで」という理念を実践する具体的な手法として、米国流の医療マネジメント手法「ベンチマーク分析」を日本に初めて持ち込み、広めたパイオニアです。URL:https://www.ghc-j.com/

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医療・病院医薬・製薬
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会社概要

Cancer Quality Initiative研究会

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URL
https://www.ghc-j.com/science/cqi/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都新宿区新宿六丁目27‐30 新宿イーストサイドスクエア5F
電話番号
03-6380-2401
代表者名
藤也寸志
上場
未上場
資本金
-
設立
2007年12月