サファイアテラ・キャピタル:三陽商会に対しより積極的な株主還元と戦略的方向性の見直しを求めます
サファイアテラ・キャピタル(以下『サファイアテラ』といいます。)は、米国シカゴを拠点とする日本株エンゲージメント投資に特化した運用会社です。サファイアテラは、キュリRMBから継承したファンド等を通じて2017年より継続的に株式会社三陽商会(東証コード8011、以下『三陽商会』といいます。)に投資を行っております。これまで、2019年10月の経営陣交代、2020年4月の株主提案と新経営体制への移行、その後のコロナ禍での経営不安等、様々な経営環境の変化があったなかでも一貫して三陽商会への投資を継続してまいりました。この度、サファイアテラの三陽商会株式保有分が発行済株式総数の5%を超え、大量保有報告書を提出することになったため、これまでの三陽商会との対話について一般投資家の皆様に公開する目的で本リリースを行います。
サファイアテラの現状認識
三陽商会の株価は、同社事業の本源的価値を十分に反映しているとは言えず、PBRは0.8倍程度と、理論的な解散価値と言われる1倍を下回っています。なお、サファイアテラでは、三陽商会株式の本源的価値は、保守的に見積もっても4,400円以上(現在の株価から約65%のアップサイド。PBR1.4倍程度)であると試算しています。
三陽商会株式が本源的価値まで評価されていない背景として、同社が不動産・投資有価証券の売却や在庫の圧縮により、手元現預金が以前にも増して大きくなり、もはや過剰資本と言える状況になっていることが挙げられます。その結果、三陽商会の資本効率が投資家の求める期待利回りに比べ大幅に低くなっていることが、株式市場での評価の低さにつながっているとサファイアテラは考えます。
また、これまで三陽商会は、在庫を圧縮することで事業効率を高めることに成功しましたが、足元では既存ブランドの新規出店、新ブランドの立ち上げ等により、在庫水準が再度高まっていることも、投資家を不安にさせている要因であるとサファイアテラは考えます。
したがって、今後は、過剰資本を圧縮することで資本効率を高めつつ、規律ある在庫管理という原点に立ち返ることで、企業価値を向上させるべきであるとサファイアテラは考えます。
資本政策に関するご提案
サファイアテラは、三陽商会がより積極的な株主還元を行い過剰資本を圧縮することで高い資本効率を実現し、企業価値の向上を図ることを提案します。具体的には、現在三陽商会が表明しているDOE4%という配当政策に加え、自己株式の取得についても明確な水準を示し、即時に取得を開始することを提案します。
<サファイアテラの提案:資本政策>
・40億円の自己株式の取得を速やかに表明し実行する。
・さらに、向こう3年間で120億円(年間40億円)の自己株式の取得を行うことを表明する。
三陽商会は、約210億円の現預金、および約68億円の投資有価証券を保有しています(2025年5月末現在)。また、事業構造改革の結果、年間約30億円のフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を生み出すことが期待できます。したがって、現在の過剰資本を解消するためには、FCFを上回る年間40億円の自己株式の取得を継続的に行うことが妥当であるとサファイアテラは考えます。
戦略的方向性について
さらに、サファイアテラは三陽商会の長期的な戦略的方向性について経営陣の皆様にご検討いただきたいと考えております。すなわち、(1)引き続き独立した上場企業として事業を継続するのか、または、(2)より大きな資本の傘下に入るのか、という選択肢についてです。
三陽商会は他の有力なアパレル企業と比較して事業・資本規模において小規模であることから、新規の事業やブランドを積極的に手掛けることはリスクが大きいとサファイアテラは考えます。今回の過剰在庫の問題は正にその証左であると言えます。
したがって、(1)引き続き独立した上場企業として事業を継続する場合、拡大路線を進むのではなく、既存ブランドに注力し収益性を高めつつ、先にご提案したような大胆な株主還元を行うことで資本効率を高め、もって企業価値を高めるべきです。
一方、引き続き拡大路線を志向する場合は、短期的な事業リスクを避けるため、(2)より大きな資本の傘下に入るべきです。具体的には、既に資本関係にある三井物産株式会社(東証コード:8031、以下『三井物産』といいます。)の完全子会社となることで、同社アパレル事業の中核企業として既存ブランドの成長、および新規ブランドの立ち上げ、さらには国内外の事業や有力ブランドの買収などが可能になると考えます。
<サファイアテラの提案:戦略的方向性>
1. 独立の維持:小規模だが資本効率の高い事業を追求する
2. 三井物産による完全子会社化:積極的な事業拡大
三陽商会経営陣の皆様が、これら提案を前向きに検討していただけることを期待しております。
以上
お問い合わせ先:info@sapphireterra.com
Website: https://sapphireterra.com
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