デンソー九州と九州工業大学が外観検査AIを開発
製造現場の生産性向上とAIの社会実装に向けた産学連携を強化
株式会社デンソー九州(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:内村 洋一郎、以下「デンソー九州」)と国立大学法人九州工業大学(本部:福岡県北九州市、学長:三谷 康範、以下「九州工業大学」)は、熱交換器の製造工程における外観検査業務の効率化を目指し、AI技術を活用した外観検査システムを共同開発しました。本システムは、新設予定の製造ラインにおいて実装され、検査工程における品質の安定性向上と作業効率向上の実現を目指します。
これまでも、デンソー九州ではAIを活用した生産プロセスの最適化を積極的に進めており、九州工業大学においてもAI技術を重点研究領域として、研究成果の社会実装を推進してきました。今回の共同研究では、両者の技術的な強みと課題意識が一致したことで、実践的かつ高精度な外観検査AIの開発が実現しました。

■AI技術を活用した外観検査システムの特長
●ディープラーニングを活用した高精度な欠陥検出
人間の熟練検査員に匹敵する認識能力を持ち、微細な傷や異物も短時間で高精度に検出できる。
●現場導入を前提とした設計思想
実装環境の制約(撮像条件・タクトタイム・歩留まりなど)に合わせ、柔軟に推論条件の調
整が可能なため、製造ラインの立ち上げに向けたデータ収集や検証作業の高速化を実現。
●検査業務の自動化を実現
本システムを検査工程に導入することで、ラインの省力化・人員削減が可能となる見込み。

■今後の取り組みについて
今後、デンソー九州と九州工業大学は、本技術のさらなる進化と実用化を見据え、以下の取り組みを共同で進めてまいります。
(1)マルチライン対応による汎用化
デンソー九州にて新設予定の製造ラインにおいて実装予定で、今後は異なる製品や工程にも柔軟に適用可能なAIモデルへと発展させ、複数ラインでの同時運用を目指します。
(2)異常検知から予兆保全への応用
検査対象の異常を検出するだけでなく、異常傾向を早期に察知することで、設備保全や工程の改善につながる予兆保全システムの開発に取り組みます。
(3)次世代の人材育成・教育への活用
開発した本システムを教材として活用し、九州工業大学の学生が実際の産業課題を通じて学ぶ場を提供。次世代AI人材の育成にも寄与します。
(4)他業種・地域企業との連携拡大
本共同研究で得られた知見を他業種や地域の企業にも応用し、九州地域全体の産業DX推進と競争力強化に貢献していく構想です。
本共同研究では、九州工業大学大学院情報工学研究院知能情報工学研究系の德永旭将研究室の学術研究の成果が活用されており、その成果を産業現場のニーズと結びつけることで、大学の持つ技術の実装可能性を実証した好例です。今後も、デンソー九州と九州工業大学は、持続可能なものづくりを支える新技術の共創を通じて、産業界と地域社会に貢献してまいります。
【本共同研究に関するお問い合わせ先】
株式会社 デンソー九州
生産技術部 AI・DX推進課
高咲 龍樹
E-mail:ryuki.takasaki.j4x@jpgr.denso.com
TEL:093-693-1328
国立大学法人九州工業大学 大学院情報工学研究院
知能情報工学研究系・准教授
德永 旭将
E-mail:tokunaga@ai.kyutech.ac.jp
TEL:050-1802-1495
【報道に関するお問い合わせ先】
株式会社 デンソー九州
働き方変革推進部 サステナブル推進室 総務課
佐藤 宗一郎
E-mail:soichiro.sato.j3f@jpgr.denso.com
TEL:093-693-1582
国立大学法人九州工業大学
管理本部総務課広報係
TEL:093-884-3007
E-mail:pr-kouhou@jimu.kyutech.ac.jp
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