株式会社瑞鷹「ZUIYO」は法務省と連携し、刑務作業にAIの学習データ作成(AIアノテーション作業)を導入開始。日本初の試み。
~拘禁刑創設に伴い、AI開発における人手不足の解消と受刑者の社会復帰促進を目指す~
[2025年8月20日] 株式会社瑞鷹(本社:東京都千代田区、代表取締役:西山将士、以下「ZUIYO」)は、2025年6月に118年ぶりの刑罰制度の法改正となる拘禁刑の創設を受けて、法務省府中刑務所(以下、「府中刑務所」)において日本初となるAIの学習データ作成、(以下、「AIアノテーション作業」)を刑務作業に導入し、2025年8月より本格運用を開始しました。
〜拘禁刑とは〜
拘禁刑は、従来の懲役刑と禁錮刑を統合した新しい刑罰制度で、2025年6月に施行されました。受刑者の更生と社会復帰をより効果的に支援することを目的としており、ZUIYOのAIアノテーション事業は、この制度の理念を具現化する取り組みです。
取り組みの背景と目的
本取り組みは、日本のAI開発における深刻な人手不足を解消するインフラを構築するとともに、受刑者が出所後に活かせるシームレスな就業スキルの習得を目的としています。AIアノテーション作業を通じて、受刑者が専門性の高いデジタルスキルを身に付けることによって、出所後の経済的な課題を解決する打ち手の一つにすることに狙いがあります。
刑務作業の概要
府中刑務所で開始された本作業は、ZUIYOがAI開発元となる民間企業や研究機関からAIアノテーション作業を受託し、受刑者がPC上で高品質且つ大容量のAIアノテーションデータを作成する作業です。今後はAIアノテーションの品質管理システムの整備並びにアノテーターの育成を早期に実現するとともに、少年院を含む他刑務所にも展開し、厳重なセキュリティ環境を担保しつつ、大規模なAIアノテーションプロジェクトにも対応可能な体制構築を目指しています。
AIアノテーション作業の民間資格の新設
AIアノテーション作業の導入と並行して、アノテーターとしての民間資格の新設についても検討を進めています。この資格は、受刑者が刑務作業で積み上げてきた経験値を可視化するもので、社会復帰後に即戦力として活躍できるスキルの証明となり、社会での雇用または労働の機会を拡大することを目指しています。
歴史的意義と今後の展望
1790年、江戸時代の奉行・長谷川平蔵宣以が江戸・石川島に創設した日本初の更生施設「人足寄場」は、再犯防止と社会復帰を目的とした先駆的な取り組みでした。ZUIYOはその精神を受け継ぎ、この度の法改正を機にAIアノテーションという新たな刑務作業を通じて、受刑者の更生と社会復帰を力強く支援します。本取り組みを日本全国の刑務所に拡大し、日本のAI産業の発展と受刑者の社会復帰を両立させる新たなモデルを構築して参ります。今後は、アノテーターの大規模拡充に努めた上で、AIアノテーションのみに留まらず、社会の需要に即した「デジタル作業」の導入にも積極的に挑戦して参ります。
株式会社瑞鷹「ZUIYO」 について
ZUIYOはAIアノテーション事業を通じた受刑者の更生支援を行っています。AI開発における人手不足と出所後の社会復帰という二つの社会課題を同時に解決し、再犯防止にも寄与しながら、持続可能な社会の実現を目指しています。ZUIYOの詳細については、https://zuiyo-inc.co.jp/ をご覧になるか、下記までお問い合わせください。
info@zuiyo-inc.com
代表者プロフィール 代表取締役:西山将士
山口県下関市出身。大学卒業後に日本製鉄に入社。柔道の実業団選手として活動し、2012年ロンドン五輪柔道-90kg級で銅メダルを獲得。2016年リオ五輪の国内予選敗退後、現役引退。同社にて5年間営業職に従事し、2021年に独立。2022年、美祢社会復帰促進センターでの講話をきっかけに刑務作業の課題に着目。法務省と連携し、「出所後の就労につながる刑務作業」のアップデートに取り組む。
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