八丈島の名物おばあ「えいこば」初の著書発売が実現! 離島の民俗・伝承・暮らしをめぐるフィールドノート『八丈島の猫学 ~なぜ猫は人を化かさなくなったのか~』で、猫を通して人の営みが見えてくる!?

民宿「ガーデン荘」を60年経営する名物女将「えいこば(福田栄子)」の初著作が完成。文化人類学者&日本語学者の解説や対訳、地図付き。貴重な「猫に化かされた話」の聞き取り調査で、えいこばが見たものとは?

あだん堂

 東京から南方へ約290kmの位置に存在する、東京都の伊豆諸島に属する八丈島。

「豊かな自然に囲まれたこの島は、古くから「猫」と不思議な縁を持ってきた……」

 と、著者である「えいこば」は語ります。
 そんな猫と島民の不思議な関係性を、島に暮らす人々に対し聞き取り調査をしながら著者の考察を交えて書き上げたのが本書『八丈島の猫学 ~なぜ猫は人を化かさなくなったのか~』です。

 噂話や民間で語られたきた「猫に化かされた」「猫にだまされた」話を中心に、24の事例を収録しています(八丈島・青ヶ島)。

 同じ土地で60年民宿を営んでいる「えいこば」ならではの聞き取り調査たち。

 本書はその調査成果と、調査成果に対する著者の独自考察をまとめた1冊となっています。

 単なる郷土誌でも観光案内でもない。
猫」を切り口に八丈島の民俗・歴史・文化・日常を浮かび上がらせる1冊です。

『八丈島の猫学~なぜ猫は人を化かさなくなったのか?~』表紙。イラストも「えいこば(福田栄子)」作
筆者の元原稿(一部)。ルーズリーフやノート紙、チラシの裏紙などに書かれた原稿たち。同一人物に対し何度か聞き取りを行った際、内容修正を繰り返している跡が見える
およそ100片の手書き原稿たち
まとまりごとに付箋でタイトルがついている原稿もある
慌てて書いたのか、裏紙で作られた袋の裏に描いたものも……

福田栄子(ふくだ・えいこ)。愛称、えいこば。

◆「えいこば」のプロフィール

昭和14(1939)年4月19日東京都八丈島八丈町中之郷の藍ヶ江で生まれる。約60年間でのべ10万人が訪れたともいわれる中之郷の民宿「ガーデン荘」を経営する、八丈島を代表する名物女将。エネルギッシュな話術と、島の豊かな海の幸で握った島寿司で、宿泊客に元気と安らぎを提供している。近年、猫の奥ゆかしい世界に興味を持ち、猫は「可愛さ」だけでなく、「深くて怪異的な力を持っている二面性のある生き物である」という考えのもと、「猫にだまされた話を聞いたことがないか?」と聞き取り調査をしている。メディア出演多数。

最新の出演動画:「東京のハワイ」八丈島 海と山と温泉…夏でなく春が狙い目なぜ? 離島グルメも満載【Jの追跡】【スーパーJチャンネル】(2025年5月17日) ※出演は12分頃から

 本書の特徴

 1.八丈島の猫伝承を初めて体系的に記録

 噂話や民間で語られたきた「猫に化かされた」「猫にだまされた」話を中心に、独自調査で聞き取った24事例を掲載。(青ヶ島の話含む)これまで記録されることのなかった猫譚を収録しています。また、可能な限り「どの事例をどの話者が話していたのか、話者の名前、生まれ年」なども掲載されており、今後の「離島猫伝承の研究」にとって意義のある記録となっています。

貴重な聞き取り調査と、その合間に挟まる「えいこば」独自の考察文章群から、八丈島民のかつての営みが垣間見える
愛らしい猫のイラストたちは、すべて「えいこば」作。聞き取り調査をしてインスピレーションを得た作品ばかり

 2.聞き取り調査のきかっけは、民俗学×猫の貴重書『猫の王』

 調査のきっかけとなったのは、書籍『猫の王: 猫はなぜ突然姿を消すのか』。「えいこば」が『猫の王』を読んだ際、八丈島など伊豆諸島の事例が掲載されていました。

 「八丈島の事例がのっているが、そういえば、身の回りで猫に化かされた昔話は結構あるな……」

 と、ここから独自に調査をスタート。

 それから2年、ついに本書が完成しました。

◆調査のきっかけとなった参考文献
猫の王: 猫はなぜ突然姿を消すのか

 3.島の暮らしと猫との共生の記録を、文化人類学者が解説

 かつては、御蚕様を守る(ネズミ被害を防ぐ)ために飼われた猫たち。現代では観光客を迎える「島の顔」として愛されています。変化する暮らしと共に、猫の役割も変遷してきました。そんな、「かつての八丈島民と猫の関係性」と「現代の八丈島民と猫の関係性」を紐解く解説文を、文化人類学者・立柳 聡が担当しました。

調査のきっかけとなった書籍『猫の王』をもたらした、立柳 聡氏の序文
筆者あとがきの後に収録されている解説文。現在八丈島で活動している保護猫団体へ取材し「猫が繋げる八丈島の今昔、歴史や生活文化」について全体感をまとめている

◆立柳 聡(文化人類学・民俗学監修・解説)

たちやなぎ・さとし。1959 年生まれ。社会学博士。2025 年3 月福島県立医科大学を定年退職後同大学医学部非常勤講師並びに総合科学教育研究センター博士研究員。この間、島嶼コミュニティ学会総括理事などを歴任。日本を中心に東アジアをフィールドとして文化人類学の立場から、畑作農耕文化・社会や日本文化・社会の地域性研究が専門。

 4.ユネスコ消滅危機言語のひとつ「八丈語」の日本語対訳&解説つき

 「えいこば」の手書き原稿を読んだ際のあたたかみを再現するため、表記統一などの厳密な作業を行いすぎず、書籍化にあたり最低限必要なところのみ、補足・編集注釈を積極的に付け加えるなどの編集を加えました。

 また、原稿にあった「八丈語(八丈島の方言)の台詞」をそのまま採用しています。

 八丈語は、ユネスコに「言語」と指定されるほどには現代の音声日本語とは異なる存在ですが、日本語学者であり八丈語研究を牽引し続けている金田章宏が解説と対訳を担当し、八丈語話者でなくとも分かりやすく仕上がっています。

八丈語については、カタカナ表記+対訳付き。八丈語話者でなくとも、台詞が分かりやすい!

◆金田章宏(八丈語中之郷方言監修・解説)

かねだ・あきひろ。1955 年生まれ。日本語学(文法)の研究者。千葉大学大学院国際学術研究院名誉教授。第30 回金田一京助博士記念賞受賞(『八丈方言動詞の基礎研究』に対して)。研究対象は八丈語三根方言、琉球宮古語大神島方言、琉球八重山語西表島方言、山形南陽方言等の形態論。

 5.豊富なビジュアル&解説資料つきなので、八丈島を知らない方も楽しめる!

 八丈島をご存知ない方向けに、「全域地図」と「本書で登場する場所を示した図」をカラーで掲載。また、前述のとおり、えいこば特有の言葉遣いや八丈島方言については、八丈語研究者・金田章宏が日本語対訳を担当しています。研究者だけでなく一般読者も、かつての離島で人がどのように生きていたのか、「猫」という存在をどうとらえていたのかが楽しめる構成になっています。

地図を描いたのは、「えいこば」の営む民宿「ガーデン荘」に宿泊していた、新人アーティスト・Zack

 6.一部が八丈島の保護猫団体に寄付される!
  「サイン本」が貰えるクラウドファンディングを開始予定!

 「大好きな八丈島のネッコメ(猫)たちに恩返しをしたい!」
 そんな想いを抱えた「えいこば」が初めての本を出版することにちなんで、島猫に寄付できるセット購入者を募ります!

 (2025年9月2日現在、クラウドファンディングページは近日公開予定)

 ※集まった費用は制作費にあてられますが、一部が八丈島の保護猫団体に寄付される仕組みです。

 ※本書は、出版社を介さず発売する「えいこば」の自費出版(同人誌・個人出版誌)です。

 目 次

   えいこばあと猫、旅のはじまり(監修者序文)

第一章 「猫の王」との出会い

  『猫の王』との出会い

  私は猫ではない(筆者考察)

第二章 八丈島に伝わる猫の珍奇談

 まっぴるまの出来事(筆者が記憶より考察)

 炭小屋と猫(筆者が記憶より考察)

 伊郷名の出来事(筆者が記憶より考察)

 男が歩いた花の道(筆者が記憶より考察)

 三歳の男の子がきえた(昔の噂話より)

 赤子の泣くまね(明治生まれの筆者父、西条新平の話より考察)

 東山のデッジメの話(明治生まれの菊池菊四郎の話より考察)

 青ヶ島でも見た(昭和11年生まれ金田みさ子の話より考察)

 おじいさんの話(昭和11年生まれの筆者姉・奥山菊美の話より筆者考察)

 つけんば(昔の噂話より)

 樫立橋(明治生まれの吉田オツヱの話より考察)

 おんたごう(昔の噂話より考察)

 水海山の出来事(昭和7年生まれ沖山美登子の話より考察)

 迎えに行った中学生の子供(昭和14年生まれ川上絢子の話より考察)

 緑の衣の女(約40年ほど前にあったとされる噂より考察)

 魂をぬかれたのか(約40年ほど前にあったとされる噂より考察)

 幻覚を見せたか(筆者考察)

 石積(約40年前のつり客の話より考察)

 いすの上の猫(筆者姉・奥山菊美から聴いた、菊美の同僚の話より考察)

 車のライトの光(昭和11年生まれの筆者姉・奥山菊美の話より考察)

 ある日の出来事(筆者姉・奥山菊美から聴いた、菊美の同僚の話より考察)

 消えた食パン(筆者が記憶より考察)

 実兄の話(筆者の兄の妻・西条由美子の話より考察)

第三章 なぜ猫は人を化かさなくなったのか?

猫をめぐる思索あれこれ(筆者考察)

 第一話 猫の行動と体の不思議をめぐる推測

 第二話 猫の日常についての考察

 第三話 現代の家猫考

我が家の周りの猫のエピソード(筆者考察)

 第一話 ネズミ出没

 第二話 猫の目の変化

 第三話 野ら猫

人を化かさなくなった猫(筆者考察)

 第一話 昭和・平成・令和の時代の八丈島の猫の変化

 第二話 猫の変幻のからくり

 第三話 「ほじょ(魂を)ぬく」のは猫の天賦の才?

筆者あとがき

監修者解説

  立柳 聡(文化人類学)/金田章宏(日本語学)

 書誌情報

タイトル:『八丈島の猫学~なぜ猫は人を化かさなくなったのか~』
著者:福田栄子(えいこば)
仕様:B6サイズ/フルカラー122ページ
価格:1,000円+税

ISBN:978-4-910368-04-7
文化人類学監修: 立柳 聡
八丈語(日本語学)監修:
金田章宏
八丈語の日本語対訳:金田章宏
現地コーディネイト・写真:田代倫子(OCTOWORKS)
編集・デザイン・DTP:
あだん堂
発行:ガーデン荘
発行協力:合同会社つばくら文藝企画(万年筆文芸部)
発売:ガーデン荘、八丈島内の書店、Amazonで順次取り扱い予定

印刷製本:株式会社グラフィック

※本書は、「えいこば」の自費出版(同人誌・個人出版誌)です。ISBNコード付与については、合同会社つばくら文藝企画(万年筆文芸部)と提携し発行協力をいただきました。

取り扱ってくださる全国の書店さん、また書店以外からのお問い合わせも大歓迎です。個人出版であり、大きな出版社の力を借りられないからこそ、みなさんの応援が本当に力になります。どうぞよろしくお願いいたします。

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
神奈川県横浜市中区初音町 3-47-703
電話番号
090-1603-4695
代表者名
吉田美幸
上場
未上場
資本金
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設立
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