東京大学、社会人向け「災害対策エグゼクティブプログラム(DSEP)」2026年度受講生を募集開始
Disaster Solution Executive Program (DSEP)
東京大学大学院情報学環は、社会人を対象とした履修証明プログラム「Disaster Solution Executive Program(DSEP/災害対策エグゼクティブプログラム)」の2026年度受講生募集を開始します。本プログラムは、自然災害やサイバー攻撃、地政学リスクなど多様な脅威に備え、地域・組織・国家レベルで社会のレジリエンス強化を担うリーダー人材の育成を目的としています。
体系的かつ先端的な「リスク」「レジリエンス」に関する幅広い講義を通じて、実務と理論の両面から課題解決力を養成します。さらに、研究プロジェクトを通じて、世界が直面する複雑なリスク課題に挑戦し、持続可能で強靭な社会の実現に貢献します。
DSEP概要
東京大学大学院情報学環は2024年4月、CIDIRと生産技術研究所附属災害対策トレーニングセンター(DMTC)の協力のもと、DSEP「Disaster Solution Executive Program(災害対策エグゼクティブプログラム)」を開講した。DSEPは、学校教育法に基づき修了者に履修証明書が発行される文部科学省認定制度を活用したものであり、本学では医学部以外で初の履修証明プログラムである。
経営者や高度専門職が、災害時や不確実な未来において必要となる意思決定力(レジリエンス能力)を学ぶ国内初の取り組みとして注目を集め、現在は第2期(2025年4月〜)を迎えている。
近年、世界は自然災害に加え、感染症やサイバー攻撃、地政学的リスクなど複合的な脅威に直面している。最終的に組織や地域を守るのはリーダーの判断であるとの考えから、DSEPは「危機に強いリーダー」の育成を主軸とし、法人・個人による自助・共助への投資を促すことを目的に設計された。
カリキュラムは、災害対策の8分野を体系とし、自然科学と社会科学を基盤にサイバー犯罪、法医学、組織危機管理などを含む多岐なテーマを扱う。また、国内外の災害事例を用いたケーススタディを組み合わせる構成とし、理論と実務を往復しながら「自分の現場にどう適用できるか」を議論することで、受講者は実効的な知識とともに強固な人的ネットワークを獲得する。
第1期は上場企業4社を含む経営者17名を中心に計28名が参加し、女性比率は約18%だった。第2期は医師や弁護士、政治家らも加わり、経営人材16名とともに計30名が受講。女性比率は約25%に上昇し、外国人も参加するなど国際性と多様性が拡大している。1期・2期の受講生は連携を図り、異なる背景を持ちながら平時から協働できるネットワークを形成している。
全国の大学でも履修証明プログラムの導入が進んでいるが、多くは少人数規模に限られるか、一回限りで終了している例もある。その中でDSEPは継続開講を行い、参加者層の多様性を拡大させている点で、全国的にも稀有な成功例とされており、学内外からの注目度も高まっている。既に他研究科や他大学からの問い合わせが寄せられ、制度活用の先行モデルとしての期待も高い。
今後は「大学院レジリエンスマネジメント研究コース設立」や「災害対策士などの関連資格との連動」を視野に発展を目指す。DSEPは、災害多発時代に不可欠なリーダーを育成し、東京大学が社会に知を還元し続ける挑戦の場として進化を続けている。
対象者
経営者、組織のトップマネジメント層、リーダー等社会人(※高等学校卒業以上)
学習内容・時間
RiskやResilienceに関わる体系的な知識・技能を習得する。
・最先端の研究を踏まえた講義
・各受講者独自の研究テーマの設定・研究活動・成果発表
・学習時間:60時間(別途、自主研究時間を要します)
修了要件
各講義におけるレポート提出
研究論文の執筆
修了発表会での研究発表
受講形態
オンライン講義(Zoom)および対面による研究議論・発表会
※完全オンラインによる修了も可能だが、対面による受講者間の交流をもって頂きたい。
講義及び演習場所
東京大学大学院情報学環または生産技術研究所の講義室
開講期間
毎年4月~翌年2月
定員
約18名(最低開講人数10名)
受講料(税込)
DSEP受講者からの推薦あり:88万円
DSEP受講者からの推薦なし:110万円
修了者には、東京大学より履修証明書を発行いたします。
申し込み方法
詳細は以下のURLよりご確認ください。
https://tdmtc.tokyo/utokyo-disaster-solution-executive-program/
※申請者については、面接の上、受入を決定します。
問い合わせ先
東京大学大学院情報学環 准教授 沼田 宗純 numa@iis.u-tokyo.ac.jp







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