中学受験合格者の57%が家庭教師や個別指導塾を利用【保護者186名実態調査】

個別指導は「落ちこぼれ対策」ではなく「合格への戦略的投資」へ

ライフデザイン

Web教育メディア「中学受験ポータル」を運営するライフデザインは、中学受験で合格したお子様を持つ保護者186名を対象に実態調査を実施しました。

本調査を通して、中学受験で見事合格を勝ち取ったご家庭が「家庭教師や個別指導塾などマンツーマンの学習サービスをどのように利用したのか」を明らかにしています。

調査概要

中学受験における家庭教師や個別指導塾の活用実態調査

調査期間:2025年10月10日〜11月3日

調査対象:年齢/30代〜50代
     在住/東京・神奈川・埼玉・千葉
        大阪・兵庫・京都・奈良
〈質問1〉中学受験で合格したお子様を持つ保護者186名

〈質問2〜10〉中学受験で家庭教師か個別指導塾を利用した保護者94名
       ※無回答11名除く

調査方法:インターネットアンケート調査

調査委託先:株式会社マクロミル

〈調査結果の引用・転載時のお願い〉
本記事の調査結果や画像を引用する場合は、「中学受験ポータル」の名前を明記のうえ、引用元として以下のリンク設置をお願いいたします。
https://juken-support.jp/survey-kobetsu/

調査結果

Q1:中学受験時、家庭教師または個別指導塾を利用しましたか?

〈補足説明〉
中学受験で合格したお子さんを持つ保護者186名に「家庭教師または個別指導塾を利用したか」を尋ねたところ、「はい」と答えた方が105名(57%)に上りました。

合格者の半数以上が個別指導を受けたという実態が明らかになりました。

Q2:Q1の質問に「はい」と答えた方、中学受験時の塾の利用形態を教えてください。

〈補足説明〉
次に、前問で「個別指導を受けた」と回答した方に塾などの利用形態を聞いたところ、「集団塾と家庭教師の併用」35%が最も多く、次いで「集団塾と個別指導塾の併用」28%となりました。

「個別指導塾のみ」22%、「家庭教師のみ」10%と、個別指導の単独利用も全体の3割程度を占めることが明らかに。

中学受験において個別指導の活用が一般化してきていることが分かります。

Q3:家庭教師または個別指導塾の講師はプロでしたか?学生でしたか?

〈補足説明〉
担当の講師が社会人のプロだったか、学生バイトだったかという質問では、プロ講師66%、学生講師16%、両方が16%という結果でした。

東大生など自らが中学受験を経験した大学生講師に教わるサービスも増えていますが、プロ講師を利用するご家庭がまだまだ多く、保護者が指導実績を重視する指向が伺えます。

Q4:指導は対面でしたか?オンラインでしたか?

〈補足説明〉
指導形式(対面・オンライン)の質問では、自宅や塾の教室で講師に直接会って対面指導を受けた人が68%、パソコンやスマホを通したオンライン形式が16%でした。

「両方」という回答と合わせるとオンラインを取り入れた人が30%近くに及び、ICT教育の浸透を感じさせる内容となりました。

Q5:家庭教師・個別指導塾を利用していなかったら、中学受験の合格は難しかったと思いますか?

〈補足説明〉
個別指導を受けなくても合格できていたか、保護者としての感覚を尋ねたところ、合格は難しかったと答えた方が62%、利用しなくても合格できたと答えた方が31%でした。

その他7%の人がどのような事情をお持ちかは分からないが、6〜7割の親が「家庭教師や個別指導塾が合否に大きな影響を与えた」と感じていることが明らかになりました。

Q6:家庭教師・個別指導塾をいつから利用しましたか?

〈補足説明〉
個別指導の利用開始時期に関する質問では、中学受験対策がピークを迎える小学5〜6年生(高学年)が42%と半数近くを占めたが、低学年のうちから利用しているご家庭も結構多いことが分かりました。

その他と答えた方は小学校入学前から何らかの個別指導を受けていたのかもしれません。

中学受験専門の個別指導というよりは、勉強全般のフォローや英会話レッスンなどを幼少期から継続的に受けている層が一定数いることが推測できます。

Q7:月々の費用は平均いくら位でしたか?

〈補足説明〉
支払い金額についての質問では、月3万円程度が19.3%で1位、月4万円程度が13.8%で2位、平均では42,043円となりました。

月1万円〜2万円の低額費用は、個人的に知人に依頼したケースや月に1回だけ指導を依頼した単発などのケースが含まれているように思います。

逆に月10万円という高額費用は、個別指導だけでがっつり対策したケース等が想定されます。

Q8:家庭教師や個別指導塾を探し始めたきっかけ(目的・理由)は何ですか?

〈補足説明〉
家庭教師や個別指導塾を探し始めたきっかけを問う質問では、「中学受験の対策全般を頼みたい」が49%で断トツ多く、次いで「苦手科目・苦手分野の克服」28%、「集団塾のクラスアップ」19%が上位でした。

なお、6位以降には、「自宅学習のスケジューリング・管理」13%、「過去問など志望校対策」13%、「模試の解き直し」10%などが挙がりました。

Q9:家庭教師や個別指導塾を選ぶ際に、一番気を付けるべきことは何だと思いますか?

〈補足説明〉
家庭教師や個別指導塾を選ぶ際の注意点を尋ねると、「講師の指導実績・合格実績」39%、「講師と子供との相性」31%、「講師が子供の通う塾のカリキュラムに詳しいか」30%と講師に関する条件が上位を占めました。

なお、6位以降には、「使用する教材は何か」21%、「保護者への報告・連携の頻度と方法」17%などが挙がりました。

Q10:家庭教師または個別指導塾を最大限に活用するためのコツを教えてください。

〈補足説明〉
家庭教師または個別指導塾を最大限に活用するためのコツについては、「分からない」「特にない」といった回答が多かった中、「体験授業でいろんな塾を見て回る」「何度かお試ししてみて子どもが良いと思ったら通わせる」「口コミを参考にする」など事前に入念な調査をすることを挙げる人が一番多かったです。

他、参考になりそうな回答を紹介します。

  • 子供との相性が良い講師を選ぶ。

  • 途中での講師変更など臨機応変に対応してくれるところを探した方が良いと思う。

  • 集団塾との併用前提なら時間も限られるので目的を絞った方がよいと思います。

  • 「どの科目を伸ばしたいのか」「どの学校を目指すのか」を最初に共有すると、指導内容が的確になります。

  • 予習にするか復習にするかを決める。

  • 画一的な指導方法ではなく個々に対応してくれるかどうか。

  • 予習を欠かさず、指導時間にはわからないことを徹底して教えてもらう。

  • (個別指導は)自分からぐいぐい質問できる子には利用価値があるが、受け身の子にはあまり意味がないと思う。

  • 先生をいっぱい使う、何でも相談する。

  • 保護者も進捗を把握すること。

総括

個別指導は「落ちこぼれ対策」ではなく「合格への戦略的投資」へ

かつて家庭教師や個別指導といえば「勉強が遅れている子が使うもの」というイメージがありましたが、今回の調査で合格者の約6割が利用している実態から、その役割が大きく変化していることが分かります。

特筆すべきは、「集団塾との併用」が主流である点と「プロ講師」への需要の高さです。多くのご家庭が、集団塾で競争力を磨きつつ、個別の弱点補強や志望校対策にはプロの個別指導を充てるという「ハイブリッド型の受験戦略」をとっていることが浮き彫りになりました。

中学受験が激化・高度化する中、画一的なカリキュラムだけでなく、我が子の特性に合わせた「オーダーメイドの指導」を組み合わせることが、合格への最短ルートとして定着しつつあると言えるでしょう。

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企画執筆:中学受験ポータル編集部

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