和歌山発の宇宙産業へ──アークエッジ・スペースと地域企業6社が共同出資で新会社WALL設立、和歌山大学と共同研究始動
和歌山大学との共同研究を起点に、人材育成と能力構築を進め、地域企業と連携した宇宙技術の社会実装を推進。2028年の“和歌山製人工衛星”県内打ち上げを目指す。



株式会社WALLは、宇宙スタートアップと和歌山県内企業が共同出資し、実践的なプロジェクトを通じて、地方から宇宙産業を担う人材と企業の基盤づくりに取り組む民間主導の宇宙産業プラットフォームです。
株式会社WALL(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役:有井安仁)は、国立大学法人和歌山大学(イノベーション・イニシアティブ基幹:秋山演亮教授)と、「宇宙産業人材の実践的育成手法の研究」に関する共同研究契約を締結しました。本共同研究は、WALLとして初の公式プロジェクトであり、人工衛星の設計・製造・運用を題材とした実践的な研究を通じて、人材育成と産業創出を同時に進めるものです。両者は、2028年に「和歌山で作られた人工衛星」を和歌山県内から打ち上げることを中長期目標に掲げています。
宇宙産業は今後、通信、防災、地球観測など多様な分野での成長が期待される一方、地方においては、実践的に学ぶ機会や事業化につながる場が十分に整っていないという課題があります。WALLは、こうした課題に対し、「地方から、民間主導で宇宙産業を担う基盤をつくる」ことで解決に挑みます。人工衛星の設計・製造・運用に実際に取り組みながら、そのプロセスを人材育成と企業参画の場として地域に開いていく点に特徴があります。
WALLは、超小型人工衛星の設計・製造・運用を手がける株式会社アークエッジ・スペースと、和歌山県内を中心とする複数の民間企業が共同で出資し設立されました。宇宙スタートアップと地域企業が対等な立場で資本参加し、研究、人材育成、実装、事業化までを一体的に進める地方発・民間主導の宇宙産業プロジェクトは、全国的にも例のない取り組みです。
人工衛星は、設計、製造、試験、打ち上げ、運用、データ活用といった宇宙産業の主要要素を包括する分野です。WALLでは、人工衛星を単なる製品ではなく、宇宙産業に必要なスキルを実践的に獲得するための総合的な学習・実装テーマとして位置づけています。
和歌山大学は、人工衛星の製造・運用実績を有し、衛星データの受信・活用が可能な大型パラボラアンテナなどの研究設備を備えています。本共同研究では、人工衛星の製造・運用、地上設備、通信、データ利活用に関わる人材を対象に、研究から実装までを見据えた育成モデルの構築を進めます。
和歌山県串本町には、民間ロケット射場「スペースポート紀伊」が整備され、人工衛星の製造から打ち上げまでを地域内で捉えられる環境が整いつつあります。WALLは、この地理的・産業的ポテンシャルを活かし、2028年に和歌山で製造した人工衛星を県内から打ち上げることを目標に、宇宙産業の集積と人材育成を進めていきます。
今後、WALLはエコシステムのさらなる拡大を見据え、設立時の出資企業に限らず、和歌山県内企業をはじめ、本取り組みに関心を持つ企業からの出資参画を積極的に受け入れていく方針です。地域の企業が主体的に関わり、大学・行政・他企業と価値を共創することで、地域や産業の現場ニーズを踏まえた宇宙技術の活用や関連サービスの実装が進むとともに、持続的な人材育成が可能になります。
人工衛星は、防災・減災、インフラ監視、通信確保などに活用でき、災害時の迅速な情報取得にも寄与します。WALLは、宇宙技術を地域の日常を支える社会インフラとして実装し、住民の安心・安全の確保や地域課題の解決を通じて、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。
株式会社WALL 会社概要
会社名:株式会社WALL
代表取締役:有井 安仁
所在地:和歌山県和歌山市梅原579-1(ノーリツプレシジョン株式会社 内)
設立:2025年
資本金:2,900万円
出資企業:株式会社アークエッジ・スペース、株式会社共栄テクシード、株式会社タカショーデジテック、株式会社PLUS SOCIAL、三木理研工業株式会社、ノーリツプレシジョン株式会社、株式会社BEE
事業内容:人工衛星の設計・製造・運用、宇宙産業人材の育成・能力構築、産学官・企業間連携の推進、宇宙技術を活用した実証・実装支援
本件に関するお問い合わせ先
株式会社WALL
担当:有井 万沢
TEL:073-424-0007
E-mail:info@wallspace.jp
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