こども性暴力防止法の施行に向け、「認定事業者マーク」「法定事業者マーク」を制定

1年後の施行に向け、こどもを守る環境づくりを目指す

　こども家庭庁は、2026年12月25日に施行予定の「こども性暴力防止法（※１）」に基づき、国の認定を受けた事業者が表示する「認定事業者マーク」、また学校や認可保育所等が表示する「法定事業者マーク」を制定しました。これらのマークは、基準を満たした事業や施設において表示することにより、こどもや保護者等が地域で教育・保育のサービスを安心して利用できる環境の整備を図るものです。

　今回制定したマークは、学校や認可保育所を始めとして、公的な認可等を受けてこどもに教育や保育を行う場や、国からの認定を受けたこどもが通う学習塾、スポーツクラブ、放課後児童クラブなどの民間事業者が、こどもへの性暴力を防ぎ、こどもの心と身体を守るための取組を行っていることを、簡単に分かるようにするためのものです。

　モチーフには、大きな目でこどもを見守る「フクロウ」を採用し、「こまもろう」と名付けました。こどもをしっかり“見て守る”黒い大きな瞳と、こどもを守るために張り巡らせた“アンテナ”を思わせる少し尖った頭の形が特徴です。デザインは、こどもにも親しみやすく、さまざまな場所で見つけやすいよう、本体にはあたたかいオレンジを基調に、背景に青とピンクを用いることで視認性と分かりやすさを高めています。

　また、制定の過程では、10月に「こども若者★いけんぷらす（※２）」の仕組みを活用し、いけんひろば（※３）でマークのデザインについてこどもたちからの意見を直接聴く場を設けるなど、多くの方のご協力をいただきました。10月のヒアリングでは「明るく安心でき、かつ、目立つ色がよい」「キャラクターがあると親しみやすい」といった意見が寄せられ、これらを踏まえてデザインの検討を重ねました。

　今回制定したマークには、基準を満たして認定を受けた事業に表示できる「認定事業者マーク」（左側）と、法律上の義務対象施設が表示する「法定事業者マーク」（右側）の二種類があります。これらのマークは、法に定められた基準を満たす施設・事業者のみによって表示されます。いずれも施設の入口や受付、ウェブサイト、募集広告、求人広告などに表示されることで、こどもや保護者等が自然と目にし、こどもへの性暴力を防ぐ取組を行っていることを認識できる環境づくりを進めます。今後、これらのマークが社会に浸透することにより、性暴力から「こどもをまもろう、みんなでまもろう」という意識が社会全体に広がることを目指します。

【こども家庭庁 黄川田大臣のコメント】

こどもを性暴力から守ることは、家庭だけでも、教育・保育の現場だけでも成し得ません。こどもと接するすべての方の理解と協力が必要です。日々こどもと向き合う大人が、関心を持ち、声を聴き、何かがあった時に守る体制をつくることが何より大切だと考えております。このマークを通じて、こどもたち、保護者の皆様、教育・保育等、こどもに接する現場で働かれる皆様お一人おひとりが「こどもの安心」を考え、こどもを性暴力から守るために行動する社会をつくっていきたいと思います。ぜひみなさまのご協力をお願いいたします。

■こども性暴力防止法について

　2026年12月から始まる「こども性暴力防止法」は、学校や保育所、学習塾やスポーツクラブなど、こどもに対して教育・保育等を提供する場での性暴力を防止するための制度です。法律が施行されると、こうした施設・事業者には、従事者に対する性犯罪前科の有無の確認のほか、相談窓口の設置、性暴力やその疑いが生じた際の調査、被害児童の保護・支援、従事者への研修などのこどもへの性暴力を防ぐための取組が求められます。学校や認可保育所等の公的な施設は必ずこうした取組を行うこととなり、学習塾やスポーツクラブ等の民間事業者についても、国の定める基準を満たし、認定を受けることで同様の取組を実施することとなります。これらの施設・事業者は「こまもろう」マークを表示することができ、こどもを性暴力から守るための取組を適切に行う施設・事業者であると、こどもや保護者から一目でわかるようになります。

※１　正式名称は「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」

※２　こども家庭庁を始め各省庁が様々な方法でこどもから意見を聴き、こどもや若者に関わる制度、政策をよりよくする仕組み

※３　「こども若者★いけんぷらす」に登録したメンバーの方が、各省庁から提案のあったテーマやこども・若者のみなさんが意見を伝えたいテーマについて意見を伝えることができる場