AIエージェント同士が広告を売買する基盤のpubX、シリーズAで500万米ドル(約7.9億円)を調達しCompliantを買収

広告主・広告会社と媒体社の双方にAIエージェントを提供。オープン規格「AdCP」上で、Compliantのメディア品質・ガバナンスのシグナルを取引判断に組み込む

pubX

AIエージェント同士による広告取引(エージェント間取引)のインフラストラクチャーを開発するpubX(本社:英国ロンドン、CEO:Andrew Mole)は、2026年10月6日(米国東部時間)、Chicago Ventures(シカゴ・ベンチャーズ)をリード投資家とするシリーズAラウンドにおいて、総額500万米ドル(約7.9億円※1)の資金調達を実施したことを発表しました。あわせて、メディア品質とガバナンスを専門とするCompliant(コンプライアント)の買収も発表しました。買収条件は非開示です。

Compliantは今後も社名を維持し、CEOジェイミー・バーナード(Jamie Barnard)のもと、pubXのグループ企業として事業を継続します。バーナードはpubXにおいてPresident, Global Demand Growthに就任し、広告会社・広告主をはじめとする買い手側(バイサイド)全体でのグローバルな成長戦略を率います。

■ pubXとは:広告のためのエージェント間取引インフラストラクチャーを開発

pubXは、広告のプランニング、購入、販売、最適化を担うAIエージェントと、そのエージェント同士が取引するためのインフラストラクチャーを開発しています。広告主・広告会社側の「バイヤーエージェント」と、媒体社側の「セラーエージェント」が、ブリーフ(広告出稿の要件)からレポートまで、あらゆるチャネルで直接やり取りすることで、広告費のより多くがメディアとその背後にいる媒体社に届くようにします。

pubXは媒体社側から事業を始め、長年にわたり媒体社の広告在庫の価格設定と販売を支援してきました。一方、元ユニリーバ(Unilever)およびP&Gの幹部が創業したCompliantは、主に買い手側に軸足を置き、グローバルブランドとその広告会社に価値を提供してきました。今回の買収により、ブランドと媒体社の両方の知見が一つの会社に集まります。市場の両側での経験から、pubXはエージェントが直接売買するためにゼロから設計されたインフラストラクチャーを構築しました。オープン規格であるAd Context Protocol(AdCP)上に構築されており、買い手と売り手の双方に対応します。

■ エージェント間取引とAdCPとは

エージェント間取引とは、広告主・広告会社側のAIエージェントと媒体社側のAIエージェントが、共通のルールに沿って直接やり取りし、広告枠の提案、条件のすり合わせ、発注、レポートまでを進める取引の形です。これまで担当者が電話やメール、表計算ソフトで行ってきたやり取りの多くをエージェントが担い、人は予算や方針の設定と、重要な段階での承認に集中できます。pubXの仕組みでは、媒体社が承認した案件は、媒体社自身の広告サーバー上で配信されます。

AdCP(Ad Context Protocol)は、こうしたエージェント同士が「共通の言葉」でやり取りするためのオープンなプロトコルです。2025年10月に広告テクノロジー各社によって公開され、特定の企業に依存しない規格のため、異なる会社のエージェント同士でも取引が可能です。

■ 信頼を製品の基本原則に

pubXは「信頼できないシステムにメディア予算を任せる人はいない」という前提に立ち、信頼性、透明性、説明責任を、すべての取引の両側でインフラストラクチャーそのものに組み込んでいます。pubXのエージェントは、pubXによって学習され、すべての購入でガバナンスのチェックを行い、その判断は根拠が示され、追跡・監査が可能です。また、Compliantの品質シグナルが、エージェントの検討対象を方向づけます。エージェントは、ブランド自身のブリーフ、プラン、媒体社、取引ルールに沿って、クライアントの指示のもとで動きます。主導権は常に人にあります。クライアントが自律性のレベルを設定し、重要な段階でプランを承認し、エージェントはそのルールの範囲内で実行します。信頼が積み重なるにつれて、自律性も高まっていきます。

pubXのCEO兼共同創業者であるアンドリュー・モールは、次のように述べています。

「プログラマティックは、わずか20年でこの業界をファクスと表計算ソフトの時代から、より自動化されたリアルタイムのプラットフォームへと進化させました。それ以降の私たちの取り組みはすべて、その前提の上に成り立っています。エージェントによって、始まったことを完成させることができます。自分たちの買い方をエージェントに伝え、重要な場面で承認すれば、ブリーフはどのページも毎回必ず読まれます。ブランドが広告で実現したいこと、そして媒体社が望む売り方に、初めてインフラストラクチャーが追いつきました。」

CompliantのCEO、ジェイミー・バーナードは、次のように述べています。

「ブランドは長年、実在し、関連性が高く、エンゲージメントの高いオーディエンスを持つ、高品質で成果の出る広告在庫を探し求めてきました。Compliantは、それを推測ではなく確信をもって行えるよう、Data Integrity IndexとCTV Quality Indexを構築しました。pubXの中では、こうしたメディア品質とガバナンスのシグナルが意思決定そのものに組み込まれ、エージェントは購入する前にそれらを考慮します。これこそが、各CMOがpubXのエージェントを信頼できる理由です。」

Chicago Venturesの共同創業者兼ジェネラル・パートナーであるスチュアート・ラーキンス(Stuart Larkins)氏は、次のように述べています。

「広告業界のあらゆる領域が、エージェントによって売買がどう改善されるのかを問うています。そして、これまでの答えの多くは、既存のインフラの上にエージェントの層を載せたものです。共同創業者のアンドリュー・モールと、pubXのCTOであるアレックス・ローゼン(Alex Rosen)は、これまでにも広告インフラを構築してきましたが、今回は最初からエージェントのために、取引の両側で構築しました。すでに彼らを信頼している媒体社の基盤があり、クライアントが主導権を保つ設計になっています。これは稀有なスタート地点であり、Compliantの買収によってさらに強固なものになります。」

今回調達した資金は、グローバルでの事業拡大、ブランドおよび広告会社向けのデマンドサイド事業の構築、AdCP上でのバイヤーエージェントとセラーエージェントの継続的な開発、そしてCompliantのシグナルのプラットフォーム全体への統合に充てられます。

■ 米国の媒体社のコメント

Paradium.AIのHead of Revenue and Data(元The Arena Group)であるステファニー・マッツァマロ(Stephanie Mazzamaro)氏は、次のように述べています。

「媒体社にとって、エージェンティック・バイイングとは"見つけてもらえること"です。バイヤーエージェントは、当社のファーストパーティデータに裏付けられた、私たちが実際に持つオーディエンスと環境を見ることができます。これにより、これまで届かなかった広告予算の前に、私たちが勝てる環境で立つことができます。当社の営業チームがすでに得意としていることを、さらに増幅してくれるものです。」

USA TODAY Co.のChief Revenue Officerであるジェイソン・テイラー(Jason Taylor)氏は、次のように述べています。

「広告がエージェンティック・バイイングへと移行していくなかで、"見つけてもらえること"が極めて重要になります。信頼できるコンテンツ、エンゲージメントの高いオーディエンス、ブランドセーフな環境に投資する媒体社は、AIを活用したバイイングプラットフォームから、より見えやすくなるべきです。品質が認められ、報われる、より透明性の高いマーケットプレイスをつくることが、ここでの機会です。」

■ Advertising Week New Yorkでのエージェント間取引

10月7日(米国時間)には、Advertising Week New Yorkの期間中に開催された招待制のエグゼクティブランチにて、Reckitt社のブランド「Mucinex」のキャンペーンを、ブリーフから掲載開始までエージェント間で実施するライブのメディアバイイングを行いました。Reckittのトレーディングチームが重要な段階でプランを承認し、Paradium.AIやUSA TODAY Co.などの媒体社がその場でキャンペーンを確認・受諾しました。

なお、本件は米国の広告テクノロジー専門メディアAdExchangerでも報じられています。

「PubX Raises $5 Million And Buys Digital Governance Startup Compliant」(pubX、500万ドルを調達しデジタルガバナンスのCompliantを買収/AdExchanger、2026年10月6日)

https://www.adexchanger.com/ai/pubx-raises-5-million-and-buys-digital-governance-startup-compliant/

英語版プレスリリース(PR Newswire):

https://www.prnewswire.com/news-releases/pubx-raises-5m-series-a-led-by-chicago-ventures-and-acquires-compliant-to-build-agent-to-agent-advertising-infrastructure-from-the-ground-up-302899056.html

■ APAC・日本での取り組み

pubXは日本とオーストラリアにAPACチームを置き、各市場の媒体社・広告会社とともにエージェント間取引の活用を進めています。

pubXのAPACマネージング・ディレクターであるコワルスキー 貴幹(Takami Kowalski)は、次のように述べています。

「AIエージェントの技術は、日本の広告エコシステムを、これまでになく直接的に世界とつなぐ機会をもたらします。オープン規格のAdCPとCompliantの品質シグナルによって、日本の媒体社が持つ質の高いメディアとオーディエンスが、日本と世界の買い手のエージェントに正しく評価されるようになります。pubXはすでに国内約150のウェブサイトに広告収益化の技術を提供しており、より多くの媒体社・広告会社の皆さまにご参加いただけることを楽しみにしています。」

※1 1米ドル=157.90円(2026年10月6日の終値)で換算。

会社概要

pubXについて

pubXは、広告のためのエージェント・ツー・エージェント(エージェント間)インフラストラクチャーを開発しています。pubXが学習させ、クライアントが指示し、すべての取引の両側でガバナンスが効いたバイヤーエージェントとセラーエージェントにより、ブランド、広告会社、媒体社は、メディアのプランニング、購入、販売、最適化を直接行うことができます。キャンペーンを一つずつ重ねるごとに、信頼を積み上げていきます。

会社名

pubX(pubX AI Ltd.)

所在地

英国ロンドン

設立

2020年

代表者

CEO兼共同創業者 アンドリュー・モール(Andrew Mole)

事業内容

広告取引のためのAIエージェント(バイヤーエージェント、セラーエージェント)およびエージェント間取引インフラストラクチャーの開発・提供

URL

https://www.pubx.ai

Compliantについて

Compliant(pubXグループ)は、Data Integrity IndexおよびCTV Quality Indexを提供するメディア品質とガバナンスの企業です。これらの指標は、サプライチェーン全体のデータの健全性とメディア品質を測定するため、グローバルの大手広告主や業界団体に活用されています。

会社名

Compliant(pubXグループ)

代表者

CEO ジェイミー・バーナード(Jamie Barnard)

事業内容

メディア品質・ガバナンス(Data Integrity Index、CTV Quality Indexの提供)

URL

https://www.compliant.global

Chicago Venturesについて

Chicago Venturesは、シリコンバレーなどの伝統的な拠点以外のテック企業に向けたアーリーステージ投資を行う、米国のシードステージ・ベンチャーキャピタルです。URL:https://www.chicagoventures.com

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会社概要

PubX AI Ltd.

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URL
https://pubx.ai/
業種
情報通信
本社所在地
167–169 Great Portland Street, London W1W 5PF, United Kingdom
電話番号
-
代表者名
Andrew Mole
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年05月