レコ協のサイマル放送中止要求に対し提訴

放送と通信の新時代に向けて

私達コミュニティ放送局37社で構成する「サイマル放送を推進する会」(代表・梶範明エフエムたちかわ代表)は、3月27日(金)、放送と通信が融合された新しい情報社会における音楽文化の健全な発展を図るため、一般社団法人日本レコード協会(レコ協)に対し、同協会が管理するレコードをサイマル放送で継続使用する地位の確認を求め、東京地裁に提訴しました。
サイマル放送とは、インターネットを利用してラジオ番組を放送するシステムで、2008年に、コミュニティ・サイマル・ラジオ・アライアンス(CSRA)が国内で最初に開始したサービスです。

CSRAは著作権管理三団体との間で送信可能化権に関する許諾契約を締結し、かかるサービスを行ってきました。約8年を経過する間に放送業界のインターネット通信分野への進出が本格化し、技術面での飛躍的な進歩、更には将来に向けた技術革新が期待されるなど、いま放送と通信をめぐる環境は大きく変化してきております。

我々は、レコ協が策定・公表する使用料規程等に準拠しつつ、かかる環境の変化に対応しようと努めてきました。しかしながら、レコ協は許諾契約の条文について一方的に解釈を変更するなどして我々の環境の変化への対応を妨げようとしております。

そのため、CSRAに属する放送局の中でも思いを同じくする37局が結集し、「サイマル放送を推進する会」を立ち上げました。本会は、コミュニティ放送局とレコ協の両者が長年培ってきた音楽文化の醸成に対して以下に述べるような懸念が惹起されたことを発足の契機としており、当該懸念の解決に向けて協同することを目的としています。

具体的な我々の懸念の一つ目は、レコ協の楽曲のサイズはワンコーラス相当でしかサイマル放送してはならない、との主張です。これは作詞者、作曲家、編曲者、演奏者、歌手が全身全霊を込めて創造した作品を冒涜するものではないでしょうか。

また懸念の二つ目は、レコ協の立場は新しい聴取形態に即応することを妨げているということです。ラジオ受信機の数は、ここ10年で半分以下に減ってきており、情報伝達にはパソコン・スマートフォン利用に集約されつつあり、ラジオが担う役割や、音楽の豊かさを伝える役割も、この波の中にあります。技術革新は新しい社会を創造していきます。新しい価値が生まれて新しい文化が求められます。音楽文化も新しい土壌に適応できなければ枯れてしまいます。

このような時代の波のなかにあるラジオ局のなかで、その一翼を担うコミュニティ放送は、国民の暮らしに深く浸透し、地方自治体からも強い信頼を得ています。放送を統括する総務省も、コミュニティ放送局は特定基幹放送局と位置付けており、これに対して業務委託を含めた分業などを通じて、より多様な種目による総合編成の充実を求めてきています。この総合編成の中には、国民の求める「音楽(管理楽曲)」が含まれるものであり、我々には音楽文化を伝達する使命も課せられているのです。かかる使命の実現に対して、ひとりレコ協のみが楽曲使用の制限をしようとしているのであり、これは現代社会における音楽文化の管理者として在るべき姿と大きくかい離するものと考えます。

加えて、音楽を個人がCDプレイヤーから高音質で聴く価値とは別に、ラジオを通して聴く行為には、他の人達と歴史上の時間と空間を共有するという幸せがあります。また、ラジオ放送では、番組出演者の作品に対する解説や感想が添えられることによって、リスナーの記憶に音楽がより深く刻まれることもあります。このようにラジオを通じて音楽を聴くことには、単にCDプレイヤーから音楽を聴くだけでは得られない感動があるのです。音楽が人生の道程において伴走者たる理由がここにあります。私達「サイマル放送を推進する会」は、楽曲を集中管理するレコ協と共に、新時代においてあるべき楽曲利用のルールについて協議を続けたいと望んでいます。この道こそが、国民が豊かな音楽文化を身近に置き、いつまでもこれを人生の伴侶として歩むことができる道だと信じています。かかる信念に基づき、我々はサイマル放送を推進する為に、これらの放送においてレコードを継続使用することができる地位にあることの確認を求めて訴訟を提起するものであります。本訴訟の音楽文化、放送文化の未来にとっての重要性をご理解いただき、これに応援いただけることを信じてやみません。
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