JCB調べ 1年間に増やせた貯蓄額は平均59.9万円 キャッシュレス派の年間貯蓄増加額は現金派の2.7倍
キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018
株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:浜川 一郎、以下 JCB)は、2018年2月9日(金)から13日(火)の5日間、全国の20歳から69歳の男女を対象に「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2018」をインターネットで実施しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
1.新年度の目標
≫ 新年度の目標 1位は4年連続で「貯蓄」、2位は「生活費の見直し・節約」
≫ 今年の貯蓄目標額は? 平均168.7万円 目標額が最も高い年代は? 男性は30代 女性は50代がピーク
≫ 昨年1年間に増やせた貯蓄額は平均59.9万円 キャッシュレス派の年間貯蓄増加額は現金派の2.7倍
≫ キャッシュレス派と現金派の貯蓄格差が顕著 キャッシュレス派男性の年間貯蓄増加額は現金派の2.9倍に
全国の20歳から69歳の男女1,000名(全回答者)に、新年度(4月から)の目標を聞いたところ、最も多かったのは「貯蓄」(38.9%)で、2015年の調査開始以来、4年連続でトップになりました。また、2位は「生活費の見直し・節約」(24.6%)、3位は「仕事や家事の効率UP」(21.0%)、4位は「ダイエット」(18.3%)、5位は「趣味力UP」(17.4%)でした。
次に、全回答者(1,000名)に、新年度の貯蓄目標額を聞いたところ、「0円」が16.0%でしたが、「100万円台」(19.3%)や「500万円以上」(8.8%)といった回答も一定数みられ、「100万円以上」という人が37.3%になりました。また、0円との回答も含めた平均貯蓄目標額は168.7万円となりました。
男女別にみると、男性の平均は212.4万円、女性の平均は124.9万円となりました。また、男女それぞれについて、年代別にみていくと、男性では30代が最も高く265.8万円、女性では50代女性が最も高く155.9万円でした。
また、全回答者(1,000名)に、昨年1年間で増やせた貯蓄額についても聞いたところ、「0円」が36.9%、「1万円~50万円未満」は30.3%、「50万円~100万円未満」は11.3%、「100万円以上」は17.4%となり、0円との回答も含めた平均貯蓄増加額は59.9万円でした。全く増やせなかったという人が3人に1人の割合でみられましたが、1年間で100万円以上増やせたという人も2割近くと少なくないようです。
ここで、昨年1年間で増やせた貯蓄額を支払い方法によって分けたタイプ別にみると、キャッシュレス派の平均貯蓄増加額は87.6万円で、現金派の平均貯蓄増加額(32.5万円)の2.7倍となりました。キャッシュレス派のほうが現金派よりも貯蓄を増やせたようです。
男女別にみると、キャッシュレス派の男性では、平均貯蓄増加額は105.3万円と100万円を超え、現金派の男性(36.1万円)の2.9倍の額となりました。また、キャッシュレス派の女性では、平均貯蓄増加額は68.0万円となっており、現金派の女性(29.5万円)の2.3倍の額となりました。
2.キャッシュレスに関する消費者意識
≫ キャッシュレス化を自認する「キャッシュレス派」は3割半、一方「現金派」は4割
≫ リアル店舗のキャッシュレス化 消費者の反応は?
「完全キャッシュレスのレストラン」男性は肯定派、女性は否定派が多数、20代女性では6割が否定派という結果に
「無人コンビニ」は今後増えていく? 増加を予想する人は3割 女性は増加に懐疑的な人が多数派
≫ 「キャッシュレス社会になるとマネー教育のあり方が大きく変わると思う」母親の5割半が同意
≫ 「将来はお小遣いやお年玉もキャッシュレス化すると思う」2割強
≫ デートの支払いはキャッシュレスが無難!? デートの支払いでNGなのは「ワリカン」より「レジでのもたつき」
「デートの支払いがワリカンだとガッカリ」女性の3割半、「レジでもたつく相手にガッカリ」女性の4割強
≫ 海外旅行で「現金の持ち歩きは怖い」7割弱、海外旅行経験者の半数近くが「外貨両替の手数料がかさんだことあり」
全回答者(1,000名)に、「最近、自分はキャッシュレス化している(現金離れだ・キャッシュレス派だ)」と思うか聞いたところ、同意率(「非常にあてはまる」と「ややあてはまる」の合計、以下同様)は34.1%、不同意率(「全くあてはまらない」と「あまりあてはまらない」の合計、以下同様)は40.1%になりました。
性年代別にみると、30代と50代の男性では、同意率(30代男性39.0%、50代男性40.0%)が不同意率(30代男性30.0%、50代男性29.0%)よりも高くなりました。
最近、国内では、支払いをカードか電子マネーに限定した“現金お断り”のレストランが開店し、海外では、レジが無く、登録したクレジットカードで自動的に支払いを済ますことができる“無人コンビニ”が開店しています。
そこで、全回答者(1,000名)に、「完全キャッシュレス化したレストランはアリだと思う」かどうかを聞いたところ、同意率は36.4%、不同意率は33.0%となり、肯定派が否定派を上回る結果となりました。
男女別にみると、男性(同意率39.6%、不同意率28.8%)は肯定派の割合のほうが高くなった一方、女性(同意率33.2%、不同意率37.2%)は否定派の割合のほうが高くなりました。
性年代別にみてみると、男性では、いずれの年代においても肯定派が否定派を上回っていますが、女性では、20代において、肯定派(同意率19.0%)が否定派(不同意率60.0%)を大幅に下回る結果となりました。
また、全回答者(1,000名)に、「キャッシュレス決済の普及で、無人営業のコンビニが増えると思う」かどうか聞いたところ、同意率は29.2%、不同意率は33.5%で、“無人コンビニ”が増えることに懐疑的な人のほうが多い結果となりました。
男女別にみると、男性(同意率31.2%、不同意率28.4%)では増えると予想する人が多数派となりましたが、女性(同意率27.2%、不同意率38.6%)では増えることに懐疑的な人が多数派となっています。男女それぞれについて、年代別にみると、男性は、60代(同意率23.0%、不同意率33.0%)を除く全ての年代で増えると予想する人が多数派でしたが、女性では、40代(同意率32.0%、不同意率31.0%)を除く全ての年代で増えることに懐疑的な人が多数派となりました。
続いて、キャッシュレス化が進むことによる子どもへの影響について、質問しました。
まず、全回答者(1,000名)に、「キャッシュレス社会になると、マネー教育のあり方が大きく変わると思う」かどうか聞いたところ、同意率は50.8%でした。キャッシュレス化が進むと、お金の価値観や使い方について学ぶマネー教育が大きく変わると予想する人が半数以上であることがわかりました。
子どもの有無別にみると、子どもがいる層では同意率は53.5%となり、特に女性(母親)では56.7%でした。PASMOなどの交通系ICカードは、通学で電車やバスを使う子どもにとっては必須アイテムとなっており、子どものキャッシュレス化を実感している親が多く、キャッシュレス社会に合わせたマネー教育の必要性を感じているのではないでしょうか。
次に、全回答者(1,000名)に、「将来は子どもへのお小遣いやお年玉もキャッシュレス化すると思う」かどうか聞いたところ、同意率は22.2%、不同意率は37.9%となりました。
また、デートシーンにおけるキャッシュレスや、海外旅行におけるキャッシュレスに関する内容でも質問を行いました。
全回答者(1,000名)に、2つの内容を提示し、ガッカリするかどうかを聞いたところ、「デート相手が支払い時にレジでもたついている」ではガッカリする人が33.2%、「デートの支払いがワリカン」ではガッカリする人が26.4%となり、“ワリカン”より“レジでのもたつき”にガッカリする人のほうが多いことがわかりました。デートシーンでの支払いは、クレジットカードや電子マネーを使い、スマートに済ませるといいようです。
男女別にみると、男性では「デート相手が支払い時にレジでもたついている」とガッカリする人は24.6%、「デートの支払いがワリカン」だとガッカリする人は17.0%でした。一方、女性では「デート相手が支払い時にレジでもたついている」とガッカリする人は41.8%、「デートの支払いがワリカン」だとガッカリする人は35.8%でした。
次に、全回答者(1,000名)に、海外旅行で『現金の持ち歩き』は怖いと思うかどうかを聞いたところ、同意率は67.4%となりました。また、海外旅行に行ったことがある人(614名)に、海外旅行で外貨両替の手数料がかさんだことがあるかを聞いたところ、「はい」と回答した人は47.9%でした。海外旅行でスリの被害に遭ってしまう危険性や外貨への両替手数料を支払うことを考えると、海外旅行においてはキャッシュレスのメリットは大きいのではないでしょうか。
3.「キャッシュレス派」と「現金派」 話題のサービスの利用意向や生活意識などを比較
≫ 「お金の管理は得意だ」キャッシュレス派の55%、マネー管理力に自信があるのは現金派よりキャッシュレス派
≫ 話題の商品・サービスの利用に前向きなのは現金派よりキャッシュレス派
キャッシュレス派が注目しているのは「AIスピーカー」「ペット型ロボット」といった“AI搭載商品”
“シェアリングサービス”や“フィンテックサービス”にもキャッシュレス派が熱視線
≫ 「管理職になりたい」キャッシュレス派ビジネスパーソンは4割、現金派よりも管理職志向が高い傾向に
まず、お金の管理について質問を行い、キャッシュレス派と現金派の結果を比較しました。
全回答者(1,000名)に、お金の管理は得意だと思うか聞いたところ、「はい」は47.3%、「いいえ」は52.7%となり、マネー管理力に自信がないという人が多数派となりました。
キャッシュレス派と現金派についてみると、キャッシュレス派では、お金の管理を得意だと思っている人は54.8%と、半数以上がマネー管理力に自信を持っていましたが、現金派では39.7%と4割にとどまりました。
続けて、話題の商品やサービスを提示し、どの程度利用してみたいと思うか質問し、キャッシュレス派と現金派の結果を比較しました。
全回答者(1,000名)に、話題の商品・サービスをどの程度利用したいか聞いたところ、『利用したい(計)』(「非常に利用したい」と「やや利用したい」の合計、以下同様)が最も高くなったのは「VRテーマパーク」で35.8%、次いで、「AIスピーカー」が31.5%、「即時買取アプリ」が29.3%、「シェアサイクル」が27.5%、「小型ドローン」が27.1%となりました。
キャッシュレス派と現金派を比較すると、いずれの商品・サービスもキャッシュレス派のほうが利用意向は高く、キャッシュレス派のほうが新しい商品・サービスの利用に積極的である様子がうかがえました。キャッシュレス派と現金派の差が特に大きかったのは、「AIスピーカー」(キャッシュレス派37.3%、現金派26.4%)や「ペット型ロボット」(キャッシュレス派27.3%、現金派16.4%)といった“AI搭載商品”、「シェアサイクル」(キャッシュレス派33.5%、現金派21.7%)や「お釣り投資サービス」(キャッシュレス派25.0%、現金派12.4%)といった暮らしに役立つ“シェアリングサービス”や“フィンテックサービス”で、キャッシュレス派のほうが10ポイント以上高くなりました。
さらに、ビジネスパーソン(506名)には、管理職志向や有給休暇の取得状況、ワークライフバランスに対する意識を聞き、キャッシュレス派と現金派で比較を行いました。
まず、ビジネスパーソン(506名)に、管理職になりたいと思うか聞いたところ、「はい」は29.2%、「いいえ」は70.8%となり、管理職になりたいと思っている人の割合を比較すると、キャッシュレス派では39.1%、現金派では21.6%となり、キャッシュレス派は現金派の2倍近い高さとなりました。
次に、有給休暇は積極的に取得しているかどうか聞いたところ、積極的に取得している人は、キャッシュレス派では47.7%、現金派では35.3%となり、給料の高さよりもワークライフバランスを重視したいかどうかを聞いたところ、ワークライフバランスを重視したい人は、キャッシュレス派では80.2%、現金派では62.3%と、いずれもキャッシュレス派のほうが高くなりました。
4.デビットカードの浸透状況・キャッシュレス化の実態
≫ 現金派でも4人に3人がデビットカードを認知
≫ デビットカードの利用意向が最も高いのは30代
≫ デビットカード利用率が年々上昇!昨年から3.0ポイントUPで今年は12.1%に
≫ デビットカード利用のメリットとは? 「ポイントが貯まる」「使い過ぎる心配がない」「財布がかさばらない」
デビットカードを利用するキャッシュレス派が認めるメリット 1位は「ポイントが貯まる」で48%が実感
≫ 最近1年間のキャッシュレス決済利用率 「クレジットカード」約8割 「電子マネー」6割 「プリペイドカード」4割半
≫ 5,000円以上の支払いでは「キャッシュレス決済」の利用頻度が「現金決済」を上回る
キャッシュレス派は少額(500円)でも56%が「キャッシュレス決済」、現金派は5万円でも50%が「現金決済」
キャッシュレス決済手段のひとつとして、預金口座から即時決済できるという特徴をもつデビットカードがあります。デビットカードはどの程度理解され、実際に利用されているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、「デビットカードについて知っているか」と質問したところ、「詳細まで知っていた」が31.7%、「名前を聞いたことがある程度」が51.3%で、合計した認知率は83.0%となり、「知らなかった」は17.0%となりました。
キャッシュレス派と現金派を分けてみると、キャッシュレス派では、「詳細まで知っていた」が42.2%、「名前を聞いたことがある程度」が48.7%で認知率は90.9%と9割を超えました。一方、現金派では、「詳細まで知っていた」は22.9%、「名前を聞いたことがある程度」は53.4%で認知率は76.3%でした。現金派の人でも4人に3人はデビットカードを知っているようです。
次に、デビットカードについて説明をした後に、デビットカードを今後(または今後も)使いたいか聞いたところ、「非常に使いたい」が6.8%、「どちらかといえば使いたい」が26.3%となり、それらを合計した利用意向率は33.1%となりました。
年代別に利用意向率をみると、20代では40.5%、30代では45.5%と4割を超え、40代以上(40代35.0%、50代24.5%、60代20.0%)より高くなりました。
また、デビットカードの利用率についてみると、2016年8.4%→2017年9.1%→2018年12.1%となり、昨年より3.0ポイント上昇していました。
では、デビットカードを使っている人は、どのようなメリットを実感しているのでしょうか。
デビットカードを使っている121名に、デビットカードを使っていて実感していることを聞いたところ、「ポイントが貯まる」が最も多く39.7%、次いで、「使い過ぎる心配がない」が34.7%、「財布がかさばらない(現金を持ち歩かなくて済む)」が33.1%、「チャージが必要ない」が32.2%、「ATM手数料の節約になる」が31.4%となりました。ポイントが貯まる、ATM手数料の節約になるといった“おトク感”、お金を使い過ぎる心配がないといった“安心感”、現金を持ち歩かなくて済む、チャージの必要がないといった“便利さ”を実感している人が多いようです。
男女別にみると、「使い過ぎる心配がない」は男性38.9%、女性28.6%と男性のほうが高くなりました。他方、「財布がかさばらない(現金を持ち歩かなくて済む)」(男性26.4%、女性42.9%)や「チャージが必要ない」(男性26.4%、女性40.8%)、「ATM手数料の節約になる」(男性25.0%、女性40.8%)、「お金の管理がしやすい(メールで使用額や残高の確認ができる)」(男性20.8%、女性30.6%)では女性のほうが高くなりました。使い過ぎの防止になっていると感じているのは男性、おトク感や便利さを感じているのは女性のようです。
また、デビットカードを使っているキャッシュレス派の人(60名)の回答をみると、「ポイントが貯まる」が48.3%で全体(39.7%)より8.6ポイント高く、「会計時間を短縮できる」が31.7%で全体(26.4%)より5.3ポイント高くなりました。キャッシュレス派の人は、ポイントでおトクに買い物できることや、レジでスマートに会計を済ますことができる点にメリットを感じているようです。
キャッシュレス決済手段には、デビットカードのほか、クレジットカードや電子マネー、キャリア決済、モバイルウォレットなどがありますが、それらの利用状況はどのようになっているのでしょうか。
まず、全回答者(1,000名)に、最近1年間に、現金以外の支払い手段をどのくらいの頻度で使ったかを聞き、各支払い手段の利用率を算出したところ、「クレジットカード」が最も高く78.7%、次いで、「電子マネー」が59.3%、「プリペイドカード」が44.8%、「キャリア決済」が20.8%、「モバイルウォレット」が11.3%となりました。
男女別にみると、「クレジットカード」(男性74.8%、女性82.6%)や「キャリア決済」(男性18.2%、女性23.4%)は、女性のほうが利用率は高くなりました。
また、キャッシュレス派と現金派に分けてみると、「クレジットカード」(キャッシュレス派96.1%、現金派61.8%)と「電子マネー」(キャッシュレス派77.6%、現金派42.8%)において、キャッシュレス派と現金派の間に大きな開きがみられました。
次に、全回答者(1,000名)に、現金も含めて、金額別にどの支払い手段を最もよく使っているか聞きました。
「現金」と「キャッシュレス決済」のどちらが使われているのかをみると、金額が上がるにつれ、キャッシュレス決済の利用率が高くなり、1,000円までの支払いでは「現金」のほうが高くなっていましたが、5,000円以上の支払いでは「キャッシュレス決済」のほうが高くなりました。
キャッシュレス派と現金派を分けてみると、キャッシュレス派では、500円の支払いで「現金」が44.3%、「キャッシュレス決済」が55.7%とキャッシュレス決済のほうが高くなりました。キャッシュレス派は、少額の支払いでもキャッシュレス決済を利用する人が多いようです。一方、現金派では、金額が上がるにつれ、キャッシュレス決済の割合が高くなるものの、50,000円の支払いでも「現金」が50.1%、「キャッシュレス決済」が49.9%と、キャッシュレス決済が半数を上回ることはありませんでした。
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