MaaSカオスマップ(2018最新版)を公開!世界のMaaS企業を8業種115社掲載
※MaaS(マース):Mobility as a Serviceの略語。移動するという利点を生かした体験設計によって新たな価値を生み出すサービス全般を指す言葉
各カテゴリの代表的なプレイヤーをピックアップしてご紹介します。
MaaS配車サービスカテゴリ
Go-Jek(ゴジェック)
インドネシアに存在する個人営業のバイクタクシー(オジェック)をアプリ上で安く、便利で安心に使える配車サービスです。自分が指定した場所へバイクや車を呼べる便利さや、運賃やドライバーのプロフィールを知った上で乗れる安心さは従来主流だったオジェックでは味わえなかったGo-Jekの最大の売りです。元々20人のドライバーと100人のユーザーから始まったGo-Jekも、今では配車を含む18種類ものサービス(マッサージ、宅配、買物代行、等)で50万人ものサービスプロバイダーと3400万人を超るユーザー数を誇るインドネシア最大級のモバイルサービス会社となりました。
資金調達:約2314億円
バリュエーション:約5500億円
MaaSバイクシェアカテゴリ
Ofo (オフォ)
中国(北京)発のシェアバイクサービスで、環境に優しい近距離交通手段として世界20ヶ国以上で愛用されています。指定された「乗り場」や「降り場」がなく、モバイルアプリを通じて自転車の位置情報を把握し、QRコードや自転車番号を入力することで簡単に借りることができます。利用時間によって決まる使用料金の支払いも全てアプリ上で済ませます。お膝元である中国大陸では「ステーションフリー」なOfoバイクですが、路上乗り捨てが禁止されている日本に進出するにあたって、自転車を借りたり返却するためのポートが用意されました。嬉しいことに、たった一つのアカウントでいまでは世界250都市以上でサービスを利用することができるので、どこにいても同じ便利さを楽しめます。
資金調達:約2424億円
バリュエーション:約3305億円
MaaSカーシェアカテゴリ
Turo (トゥロ)
アメリカ・カナダで急成長している個人間で車を貸し借りできるカーシェアリングサービスです。アプリを通じて好きな車を「どれでも、どこでも、いつでも」借りることができ、一般のレンタカーよりも最大40%安く、「いい車が安く乗れる」と評判です。借り手・貸し手共に評価がアプリ上で公開されているため、自分に一番合った方達に愛車を貸したり、借りたりすることができます。Turoでは一般的な車をはじめ、「デラックス」や「スーパーデラックス」クラスの高級車までも借りることができるので、単に移動手段を借りるというよりは、様々な場面に応じた思い出作りに最適な車を借りることができます。
資金調達:約204億円
バリュエーション:約344億円
MaaSカープール(相乗り)カテゴリ
BlaBlaCar(ブラブラカー)
フランス(パリ)発の世界最大規模の有料版長距離相乗り(カープール)プラットフォームです。「いつ、どこまで」移動するかを登録したドライバーと、長距離を安く車で移動したいユーザーをマッチングし、お互いがメリットを享受できます。また、安全性を保証するために、ユーザーとドライバーのプロフィールは事前に管理会社が審査します。このサービスのユニークな点は、ユーザーもドライバーも事前に自分がどれだけおしゃべりなのかを「Bla」から「BlaBlaBla」までの三段階で設定でき、自分により合っているユーザーまたはドライバーを探すことができます。現在22ヶ国で営業されているBlaBlaCarは、日々移動を安く、便利に提供するだけではなく、人々がカープールを通じてお互いをより信頼できる世の中を実現しようとしています。
資金調達:約369億円
バリュエーション:約1763億円
MaaSシェアパーキングカテゴリ
akippa(アキッパ)
日本の空き駐車場のシェアリングサービスで、モバイルアプリを通じて全国の空いている月極や個人の駐車場を15分単位で貸す・借りることができます。初期投資なしで、貸し手は空きスペースを簡単に有効利用でき、借り手は安く駐車場を予約し使用できるので、両者に対してwin-winのメリットを生み出すプラットフォームです。15分単位で貸し出せるため、基本は自分が使っていない時間にだけ貸し出すことができ、アプリを通じてネット上に利用可能日や時間帯、位置情報を載せることができます。1カ月前から予約ができるため、事前に出先での駐車場を確保することができ、安心してお出かけできます。
資金調達:約24億円
バリュエーション:非公開
MaaS自動運転カテゴリ
Waymo(ウェイモ)
スタンフォード人工知能研究所の元ディレクターや、Googleストリートビューの発明者などが結成したオールスターチームが手掛けている自動運転車の開発会社です。GPS(全地球測位システム)や、レーザーカメラ・レーザースキャナーを使い、様々な道路情報(周辺の車両、歩行者、信号、障害物)を把握した上でコンピュータが総合分析し、運転操作を自動で行います。アメリカ発のWaymoの自動運転車は既に100万Km以上アメリカの公道でテストされ、日々独自の機械学習技術で「世界一経験豊富な自動ドライバー」の実現を目指しています。
資金調達:非公開
バリュエーション: 約2767億円〜1兆4946億円
MaaS宅配・輸送・物流カテゴリ
Postmates(ポストメイツ)
アメリカ(シリコンバレー)で生まれた買物・宅配代行サービスです。「なんでも、いつでも、どこでも」を提供できる世の中の実現を描くPostmatesは、従来の大手宅配会社の手が届かなかったスーパーマーケットでの買い出しや宅配代行を行っています。最近日本でも定着してきた、UBER EATSのようなレストランの料理宅配代行サービスも行っています。Postmatesのサービスはフルタイムの宅配従業員が行うのではなく、一般の人がパートタイムで配達員をすることによって、よりスピーディにデリバリーサービスを提供することができます。
資金調達:約306億円
バリュエーション:約825億円
MaaS飲食カテゴリ
TLUNCH(トランチ)
ビルの空きスペースとフードトラックをマッチングするプラットフォームです。曜日ごとに別々のフードトラックを配車することで、限られた選択肢のなかでランチタイムを送るオフィスワーカーに、飽きずにランチを楽しめる仕組みを提供しています。いつ・どこで・どんなお店が・どれだけ売れているのかデータを解析し、最適な配車をすることでお客様の幸せと売上を最大化しています。リリースから2年で関東を中心に営業場所70ヶ所、フードトラック370台と提携するプラットフォームに成長しました。スタートアップの登竜門であるICCスタートアップカタパルト2018にて優勝しました。※株式会社mellowはTLUNCHの運営会社です。
資金調達:非公開
バリュエーション:非公開
■調査担当:Joey Ho Niheiのコメント
世界中でシェアを争っている様々なMaaS企業を見て、日本がMaaSの分野でどんどんおいてけぼりにされているということを実感しました。東南アジアではUber(ウーバー)対GRAB(グラブ)対Go-Jek(ゴジェック)の配車サービス戦争が繰り広げられ、Ofo(オフォ)とMobike(モバイク)がバイクシェアの覇権を世界規模での競い合っています。こうしたグローバルの戦いに日本企業の名前はほとんど出てきません。資金調達スケールで見ると、日本でも最大規模のシェアパーキング企業のakippaが累計24億円の調達を終えた一方で、今月トヨタ自動車はシンガポールの配車サービス大手のGRAB(グラブ)に10億ドル(約1100億円)を出資することを発表しました。世界では何百億・何千億単位の投資を受けているMaaS企業が増え続けている中、日本のMaaS市場はまだまだ初期フェーズであると実感させられた調査でした。
■(株)mellow 代表取締役 柏谷のコメント
そもそもMaaSなんて言葉に意味は無いし、MaaSなんて市場も存在しない。それぞれのプレイヤーがそれぞれの課題解決を目指して必死でサービスを展開している。それが真実だと思います。一方で価値が移動する前提で最適化されたサービスが世界中で急成長していることも事実。移動による経済性をうまく活用したサービスが価値創造に大きく貢献することは疑いようがありません。今回公開するカオスマップをきっかけにして、移動をテコにした課題解決という観点が広がり、日本中の事業家によって新たなサービスが生み出されることを願っております。そして、あわよくばこの分野における当社の認知度も上がってくれたら嬉しいです。
※変更履歴:シェアパーキングカテゴリで調達額が大きい「Park mobile」「Parkme」を追加しました。
カーシェアカテゴリに「Anyca」、シェアパーキングカテゴリに「軒先パーキング」を追加しました。
「via」をカーシェアカテゴリからカープール(相乗り)カテゴリに修正しました。
【会社概要】
会社名:株式会社mellow(Mellow Inc.)
代表者:柏谷泰行
資本金:1億5500万円
所在地:東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー12F
会社ページ: https://www.mellow.jp/
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