「香港から見た『一帯一路』最新動向と『大湾区』構想の展望」セミナー開催

香港貿易発展局 リサーチ・ディレクター ニコラス・クワンが登壇“ユニークな香港は「一帯一路」構想の中心になる”

香港貿易発展局

香港貿易発展局(以下、HKTDC)は、8月7日(火)に経団連ホール(北)にて、「香港から見た『一帯一路』最新動向と『大湾区』構想の展望」を開催いたしました。本セミナーでは、中国本土政府が提唱した「一帯一路」構想ならびに香港・マカオ・広東省9都市の一体化を進める「大湾区(ベイエリア)」構想について、国際ビジネスの中心地香港の視点から解説いたしました。
 現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」については、昨年7月に安倍首相が条件付きながらも「協力」を表明したことで、日本の財界も一定の興味を示しはじめています。
 当日は、 HKTDC 日本首席代表 朱耀昌(サイラス・チュー) の開会挨拶の後、 HKTDC リサーチ・ディレクター 関家明(ニコラス・クワン)が登壇し、ゲストスピーカーとして株式会社みずほ銀行 国際戦略情報部 調査役 月岡 直樹氏、大田精工株式会社 取締役 営業部 部長 青山 成昭氏による講演を行いました。

 

 

 

■開会挨拶 HKTDC  日本首席代表 朱 耀昌 (サイラス・チュー)

 


今日は非常に大きく興味深い「一帯一路」というトピックを選びました。一帯一路は、政治的で遠いビジョンであると考えている方もいらっしゃると思いますが、実際に起こっていることで概念だけではないのです。また、単に投資やインフラの問題ではなく、グローバルな成長を促す経済、社会のコネクティビティの問題なのです。そして、貿易やビジネスを加速させるもので、交易ルートにすらも影響を与えます。
今年5月の第7回日中韓サミットでは、日中両国政府が「中日の第三国市場協力に関する覚書」に調印をしました。こうした協力関係が今後、一帯一路でのさらなる協力の布石になると期待しています。今日のセミナーでは、ベイエリア、またその中心である香港について紹介いたします。HKTDCは大きなチャンスを皆様が掴むサポートをいたします。

 


■「一帯一路(シルクロード経済圏)の全貌と香港の役割」
 HKTDC  リサーチ・ディレクター 関 家明 (ニコラス・クワン)


今、世界はディグローバライゼーションが進み、それを受け中国では、「一帯一路構想」が生まれました。一帯一路に対する私の解釈は、脱グローバライゼーションを背景に、それに反対していく動きの一つだということです。国内市場が成熟すると、製品、能力などの資本の輸出に目を向けます。貿易により、双方が恩恵を受け、より多く行われることで効率性が高まり、経験になると考えています。一帯一路の提案は、適切に推進されれば双方に恩恵があります。その実現に向けては、世界とつながること、海外からの参画を促進すること、市場の力を活かすこと、この3つが重要です。広東、香港、マカオ(GHM)のベイエリアには中国で最もオープンで、国際的で、進んだ市場経済があります。同エリアのGDPは今後5年間で他のベイエリアを上回る見込みです。


発展段階が独自的のみならず、東京やニューヨークにないGHMベイエリアの特徴の一つは香港の「一国二制度」です。香港が中国に返還された21年前から、香港は中国の一部でありながらも資本主義と司法制度を持っています。私が強調したい点は、香港がユニークであるということです。最も開放的で、国際的で市場牽引型の経済体制のある香港は、一帯一路の中心となります。60を超える多くの海外商工会議所を持ち、GHMベイエリア内外の生産要件の自由流通を推進し、さらなるグローバル化を牽引する機能を担います。外国人のビジネスパーソンは年間700万人も訪れています。海外向け直接投資の金額は日本や中国本土よりも多く、世界2位を誇ります。税率が低く、資本の移動に制限がないため、投資の拠点として活用されることも多く、オフショアの人民元市場は世界最大規模です。民間の力で効率的な運営がなされるインフラ、物流や専門サービスに強みを持つ香港は、中国の国際化において世界に貢献ができると思います。
 続いて、株式会社みずほ銀行 国際戦略情報部 調査役 月岡 直樹氏からは、「一帯一路に関わる日本企業のビジネスチャンス及び香港との協業可能性」というテーマで、一帯一路における日本企業のビジネスチャンスや香港の独自の役割についてお話いただきました。各国の懸念と市場合理性の追求により、大きな転換期に差し掛かっている一帯一路構想について、日本でも前向きな姿勢に転換しており、プロジェクト当事国、中国企業、日本企業のいずれにとっても、国際的な協業によるインフラプロジェクト推進のメリットがあるとの指摘もいただきました。
 また、大田精工株式会社 取締役 営業部 部長 青山 成昭氏からは「大田区発日本企業の進出事例」として、自社の海外進出の経緯や効果についてお話をいただきました。バブル崩壊を機に海外拠点を検討し、更にその後中国にも拠点を置くことで、売上は海外進出前の2.5倍まで伸長しました。「好き好んで海外に出たわけではなく、半分嫌々ながら出ていったことが売上の右肩上がりにつながったと思う」とユーモアを交えながら海外進出についての経験談を語ってくれました。

■「一帯一路に関わる日本企業のビジネスチャンス及び香港との協業可能性」
株式会社みずほ銀行 国際戦略情報部 調査役 月岡 直樹氏


■「大田区発日本企業の進出事例」 大田精工株式会社 取締役 営業部 部長 青山 成昭氏

 
 セミナーの最後には、主催者であるHKTDC 東京事務所長 伊東正裕から、11月1日(木)にホテルニューオータニ東京にて開催する大規模なビジネスシンポジウム『Think Global Think Hong Kong 2018 国際化へのパートナー:香港』についてのご案内、日本香港協会の活動のご紹介を行ないました。
今後のアップデートにご期待ください。

【『Think Global Think Hong Kong 2018 国際化へのパートナー:香港』シンポジウムについて】


香港と日本の経済・ビジネス分野での提携を再定義する、香港貿易発展局 (HKTDC) が主催する大規模なビジネスシンポジウムです。
当日は、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が初来日し、100名規模の視察団も来日予定です。香港、日本のビジネスリーダーが一堂に会し、マーケットの最前線を討議、共有します。また、来日香港企業との個別商談会も実施いたします。

公式サイト: http://www.thinkglobalthinkhk.com/jp/index.htm



【主催者略歴】

■サイラス・チュー
香港貿易発展局の日本首席代表。香港出身、香港科技大学で経営学の優等学士(B.A.)および経営修士(M.A.)を取得。1997年に香港貿易発展局に入局し、その後さまざまな役職を歴任。
2003年~2005年には中国・北京事務所、上海事務所、広州事務所で香港貿易発展局のプロモーション活動を監督。香港へのビジネス視察団の組成、海外および中国本土の各種貿易見本市での香港パビリオンの運営など、さまざまなプロモーション活動の経験を有している。2005年~2007年には総裁秘書室主任として、総裁と各部門間の業務の調整活動に従事し、2012年~2017年には台湾代表を務め、在任中の2014年に「台北市香港商業協会」を立ち上げ、常務理事に就任。2017年5月に日本首席代表に就任し、現在は香港貿易発展局の日本におけるプロモーション活動を統括している。

 

 

■ニコラス・クワン
香港貿易発展局の研究部門ディレクター。約30名から成るエコノミストと調査の専門家のチームをまとめ、マクロ経済やビジネスに関するリサーチサポートを提供している。さらには太平洋経済協力香港委員会の委員としての任務も担っており、香港政府中央政策ユニットのメンバーとして政策提言を行っている。前職はスタンダードチャータード銀行のアジアチーフエコノミスト兼リサーチ部門長のほか、香港金融管理局ではマクロ経済および政策リサーチを担当、メリルリンチ証券のアジア太平洋地域のチーフエコノミストも務めた。香港中文大学経済学部卒業。英国ウォーリック・ビジネス・スクールにてMBA取得、米国証券アナリストの資格も有する。

 


【HKTDC について】
香港貿易発展局(HKTDC)は香港にとっての新たなマーケットとビジネスチャンスの開拓を目的として1966年に設立された政府系機関です。香港本部のほか、世界約50都市に海外事務所を設置し、香港と世界各地との商品・サービス貿易の拡大や、ビジネス・プラットフォームとしての香港の利用促進を図る活動を行っています。日本では1971年に東京、1981年に大阪に事務所を開設し、日本の中小・中堅企業や地方自治体などを主な対象に、サービスを提供しています。

英・中文サイト http://www.hktdc.com 
日本語サイト http://www.hktdc.com/Japan

http://www.hktdc.com/japa
http://www.facebook.com/HKTDC.Japan
 

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会社概要

香港貿易発展局

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URL
http://www.hktdc.com/japan
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル6階
電話番号
03-5210-5850
代表者名
朱耀昌
上場
未上場
資本金
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設立
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