量子コンピュータの活用を目指した共同研究契約をJSRと締結
量子コンピュータのアルゴリズムとアプリケーション開発を行っている株式会社QunaSys(本社:東京都文京区、代表取締役:楊天任、以下QunaSys)は、この度株式会社JSR(本社:東京都港区、代表取締役:小柴満信、以下JSR)と共同研究に関する契約を締結し、量子コンピュータを活用する量子化学計算アルゴリズムの開発を開始したことを発表します。
■ 本共同研究について
本共同研究では、実用的なサイズと精度の量子コンピュータが数年以内に実現することを見越して、量子コンピュータを量子化学計算・材料開発にどのように活用するかのノウハウ構築を行うことを目的とします。QunaSysが持つ量子コンピュータと量子アルゴリズムに関する最先端の知識及び高度な実装力と、JSRの長年培ってきた量子化学・材料開発のノウハウを融合し、真に役に立つ量子コンピュータの活用を目指してアルゴリズムを開発してまいります。開発にあたっては、QunaSysが管理する高速な量子コンピュータのシミュレータであるオープンソースソフトウェアQulacsの他、既にクラウドで公開されている小規模な量子コンピュータの実機を用います。
■ 量子コンピュータについて
量子コンピュータは、現在のコンピュータとは全く異なる原理で動き、スーパーコンピュータを使っても現実的な時間で解けない複雑ないくつかの問題を高速に解くことが可能であると証明されています。1980年代に提案されて以降、量子コンピュータは長らく”夢の技術”とされてきましたが、近年その実現が急速に現実味を帯びてきており、世界各国で熾烈な開発競争が繰り広げられています。(詳しくは、弊社が運営するQmediaの記事”量子コンピュータの現在とこれから https://www.qmedia.jp/nisq-era-john-preskill/ "をご覧ください。)
この数年で実現されると考えられている量子コンピュータはNISQデバイスと呼ばれ、誤り訂正機能がないこと・サイズが中程度(数百量子ビット程度)であることが特徴です。NISQデバイスは、現在の古典コンピュータよりも高速であること(量子加速)が厳密には証明されていないものの、量子化学計算や機械学習などいくつかの分野での応用が期待されています。
特に、量子化学分野においては、NISQデバイスを高速な量子力学のシミュレーターとして用いることで大規模で高精度な量子化学計算を行う研究開発が盛んになっており、効率的なアルゴリズムやアプリケーションが日々提案されています。また、そのような大規模な量子化学計算を新規材料開発に活用しようとする取り組みも始まっています。
■ 株式会社QunaSysについて
株式会社QunaSysは量子コンピュータのアルゴリズムとアプリケーション開発を行っています。
量子コンピュータの新しい使い方・アルゴリズムを提案発表している他、量子コンピュータを活用するツールの開発を行っております。詳細情報については、https://qunasys.com/をご覧ください。
また、量子技術に関するメディアQmedia https://www.qmedia.jp/ を運営しております。
■ JSR株式会社について
JSR株式会社は1957年に合成ゴムの国産化を目指して設立されました(旧社名:日本合成ゴム株式会社)。その後、エマルジョンや合成樹脂へと事業を展開し、1970年代後半からはそれらで培った独自の高分子技術を活用して半導体材料・ディスプレイ材料・光学材料等へと業容を拡大してきました。足元では、ライフサイエンス事業を新しい柱として、バイオ医薬など最先端の医療ニーズをとらえたバイオプロセス材料や診断薬材料、創薬支援サービスなどを提供し、収益の拡大を進めています。研究開発では、量子化学計算を含め計算化学、マテリアルズ・インフォマティクスを活用した材料開発にも取り組んでいます。
詳細情報については、http://www.jsr.co.jp/をご覧ください。
■ お問合せ先
株式会社QunaSys
代表 楊 天任
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-18 ハイテク本郷ビル1F
Email: pr@qunasys.com
すべての画像