LGBTQ当事者からコロナ禍で「病院で家族として扱われるのか」「強制的なカミングアウトにつながる」等、不安や危機感の声が集まる。同性婚法制化を目指す団体が、緊急オンライン・アンケートの速報を発表。

厚生労働省から、同性パートナーでも、「子どもを現に監護している者」であれば、小学校休業等対応助成金・支援金の受給対象との回答あり。災害時や危機的状況でのLGBTQの権利擁護に向け、最終結果も公表予定。

一般社団法人「Marriage For All Japan —結婚の自由をすべての人に」(以降、MFAJ)は、世界的な新型コロナウィルスの感染拡大・感染防止の状況下において、LGBTQやその家族、同僚や友人などの関係者の方々が実際に抱える困難や不安の声を集めるために、4月6日(月)から緊急オンライン・アンケートを実施しています。早くも約180件の声が集まり、緊急性の高い速報データを発表いたします。
新型コロナウィルスの感染拡大は、日本でも家庭、経済、医療等多岐にわたる分野で様々な影響が起こっており、中長期的に続くことも想定されますが、LGBTQの当事者やその周りの方々に起こっている様々な影響については、根強く残る差別や偏見が原因となり、その声は、現状、表に出ておらず、それゆえに社会保障などの必要な支援が届きにくい可能性があります。
そのような状況の改善を目指し、集約したアンケート結果については、災害時や危機的状況下での喫緊の課題として、LGBTQ等の困難を抱える層の権利保障とプライバシーに配慮した支援に向けて、国や自治体、各種団体、メディア等に、積極的に情報提供を行う予定です。
  • < アンケート速報 自由記入の回答傾向について >
アンケートは、インターネットで募集し、MFAJのSNS等を通じて広く告知いたしました。4月6日(月)からの開始から17日(金)までに、合計178件の回答が寄せられました。

「1.新型コロナウィルスの感染拡大により、特に、パートナーとの関係が保障されていないために、抱えている困難や不安、実際に起きた出来事など」についての質問(自由回答)に関して、内容を分析し、カテゴリー分けしたところ、「入院・緊急・万が一の時に連絡がとれるか(家族扱いしてもらえるか)の不安」が有効回答数68件を占め約4割となり、「(感染時の)家族・友人・病院・会社・学校への報告や公表に関する不安」が有効回答数24件を占め約2割となりました。


「2.一人のLGBTの当事者として、あるいはその家族、友人、同僚として、抱えている困難や不安、実際に起きた出来事など」についての質問(自由回答)に関しては、「(感染時の)家族・友人・病院・会社・学校への報告や公表に関する不安」が有効回答数20件、「入院・緊急・万が一の時に連絡がとれるか(家族扱いしてもらえるか)の不安」が、有効回答数19件と続きました。



「3.政府や公的機関に求めること」についての質問(自由回答)に関しては、「生活保障・資金援助・現金給付」が有効回答数45件、「同性婚の実現・婚姻平等法の法制化」が有効回答数44件となりました。 
 


回答結果の詳細につきましては、下記のような意見が寄せられました。

*入院時に病院から連絡をもらえない可能性がある、入院時に同性パートナーでは家族とみなされず同意書を記入できない問題
*万が一亡くなった時の葬儀の参列、遺産相続の問題
*PCR検査による予期せぬアウティング(例えば濃厚接触者として挙げられてしまうことで強制的に明かされてしまう)
*リモートワークで生じる予期せぬアウティング(オンライン打ち合わせの時に背景や声が入るなど同棲などの生活感が見えてしまう)
*定期的に通院が必要となるトランスジェンダーとしての不安
*外国人パートナーのビザの問題
*国からの補償が世帯単位なので、世帯にカウントされないという問題
 ※4月6日アンケート開始時は一律10万円給付報道がされていませんでした。
*パートナーの子供をみるために仕事を休むことができない(休校措置などが影響)
*ある自治体では同性カップルは家族として認められないので、不要不急とみなされ、会うことさえもできなくなる。
*LGBTQコミュニティでリアルなコミュニケーションができず孤独感が高まる(一方、オンライン会議システムなどをうまく使ってコミュニケーションを取り合い励まし合っている事例も)

また、アンケート回答者に個別に電話ヒアリングを行った結果、「LGBTQ当事者であるが、以前はこういったアンケートに回答することはなかった。しかし新型コロナウィルスの感染拡大で命の危険、経済やプライバシーの問題が間近に迫ってきたときに、当事者として声を上げられずにはいられなかった。今まで、将来のことと後回しにしてきた問題が、喫緊の問題として目の前にやってきた感じだ」といった声も寄せられ、当事者の方々に切迫した状況が訪れていることが伺えました。

また、子どもを育てている同性パートナーからは、小学校休校対応時の保護者の助成金が受給できるか不安に感じているという声が寄せられ、MFAJ所属の弁護士が厚労省に問い合わせ確認したところ、1)小学校休業等対応助成金(事業者向け) 2)小学校休業等対応支援金(フリーランス向け)のいずれも、同性パートナーであっても、「子どもを現に監護している者」であれば認められる旨、回答を得ました。つまり、たとえ、同性パートナーであったとしても、「子どもを現に監護している者」であれば、国の政策からは排除されません。MFAJでは、このような、LGBTQ当事者にとって重要な情報についても、SNS等で広く告知し、積極的にひろく届けて参ります。

今後も、MFAJでは、本アンケートだけでなく、様々な手段を通じて、同性カップルやLGBTQ当事者の声を拾い上げ、法的な情報提供を含めた支援を行っていく所存です。 

 
【ご参考】 
※小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設(厚労省) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html   
※新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)(厚労省) 
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10231.html
 
  • ◾️アンケート概要
・実施期間: 2020年4月6日(月)〜30日(木) ※期間は延長する可能性がございます。
・対象者: LGBTQ当事者・家族・同僚・友人など関係者
・方法: オンライン上での自由回答式アンケート
・URL: https://forms.gle/kGj2tQuEW2dMmRfT9


◾️アンケート速報 
・集計時期: 4月17日(金)18時時点
・有効回答数: 178名
 
  • ◾️Marriage For All Japan(MFAJ)について

「一般社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」は、性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現を目指して活動しています。2019年2月提起の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の弁護団に所属する弁護士の一部と、社会課題の解決に取り組む様々な専門家等のプロフェッショナルによって、同性婚(婚姻の平等)を実現させるために設立されました。「2人で一生を共に生きていきたい」と考えたとき,カップル双方が結婚したいと望めば結婚することができ、また、結婚という形をとらないことを望むならば結婚を強制されないということ。それが「結婚の自由」です。「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」という法人名は、そのような結婚の自由(結婚という選択肢)が、異性カップルであるか同性カップルであるかにかかわらず、平等に用意されるべきであるという思いを表したものです。私達は、この「結婚の自由をすべての人に」訴訟を全面的にサポートするほか,イベントやセミナー、メディア出演、調査研究、ロビイングなどを通じて、同性婚(婚姻の平等)の実現を目指します。

<法人概要>
名  称          一般社団法人 Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
設  立          2019年1月
代表理事        寺原真希子・三輪晃義
理  事        上杉崇子・加藤丈晴・中川重徳・前園進也・松中権・柳沢正和
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