10年後、パワードウェアは技能やスキルを「ダウンロードして着るもの」に変える──。

Sci-Fiプロトタイピングで描いた未来図『ATOUN Vision 2030』発表

株式会社ATOUN

着用型ロボット「パワードウェア」(※1)を開発・販売するロボティクスファーム、株式会社ATOUN(アトウン、本社:奈良県奈良市、社長:藤本弘道、以下ATOUN)は、このほど、世界的なクリエイティブ集団「PARTY」(※2)の協力のもと、Sci-Fi(サイファイ)プロトタイピングという手法を生かして、実現すべき「パワードウェアのある10年後のライフスタイル」を描き、そこに到る道筋を示した『ATOUN Vision 2030』を策定いたしました。
AIが注目され、さまざまなテクノロジーが私たちの生活のなかに本格的に取り入れられはじめた昨今、社会では「ロボットと人間」「テクノロジーと人間」のあり方が問われています。ATOUNもまた創業以来、その手がかりが「あうんの呼吸」にあるとしてパワードウェアの開発に取り組み、ロボットと人間の理想的な関係を追い求めてきました。『ATOUN Vision 2030』では、この先の「ロボットと人間の関係」をさらに具体的に描きだし、ビジョンとして提起しています。
 

【『ATOUN Vision 2030』発表映像】(URL:https://youtu.be/LFMFCIMWzQE 

 

 

 

生来の身体的能力を自由に拡張して動きまわれる「フリーアビリティ社会」

ATOUNが描く2030年以降の未来──それは「フリーアビリティ社会」。技能(=アビリティ)が共有される社会です。これまでATOUNは、パワードウェアの提供を通じて、性別・年齢にともなう「力差」から生まれる不平等や制約の解消に取り組んできました。それがハードの面でのアシストだとすれば、つぎに取り組むのはソフト面のアシスト。パワードウェアを通じて、動作を読み取って技能をデータ化し、他人でも再現できるようにすることで、シンプルなものであれば日常での“技能の引用”が可能となり、高度なものでも直接体験をともなうことから技能の習得が容易になります。一流の職人の技やトップアスリートの走法などをデータとしてダウンロードし、パワードウェアによって動きを再現するだけでなく、体験を通じて身につけていく……。時空をも超えてすぐれた技能を社会の財産とし、人びとがさらに自由に動きまわれる世界をめざします。
 

 

 



ロボットと人間の理想的な関係──「中動態」の実現

そのために必要なのが「中動態」の実現です。中動態とは、自力で動く「能動」であり、かつ他力で動かされる「受動」でもあるという、「能受」が融合した状態のこと。これこそがロボットと人間の究極の関係性だとATOUNは考えます。ロボットによって無意識のレベルでサポートを受けながら、人間が主体的に仕事やスポーツ、趣味などを楽しむことができる。未来のパワードウェアは、文字どおり人と一体になって、さらなる「あうんの呼吸」で日常を支えます。

 




パワードウェアをIoT化し、アクティビティデータを共有

加えて、フリーアビリティ社会づくりに欠かせないのが「パワードウェアのIoT化」です。人の技能を記録した「アクティビティデータ」を共有して、さまざまなシーンに応じて必要なデータをダウンロードし、誰もが自在にパワードウェアを活用するには、クラウドとの連携が不可欠。ひとつひとつのパワードウェアは、着用者と一体になりつつもネットワーク化された存在となります。
 

 


「Sci-Fiプロトタイピング」をメソッド化

そして、こうしたATOUNのイノベーションを裏で支えるのが、「Sci-Fiプロトタイピング」という手法です。未来に対する仮説を、サイエンスフィクション(Sci-Fi)として表現し、そこからバックキャスティングによって、プロダクトのいまあるべき姿を描きだす。未来を予測するのではなく、未来から逆算していまをつくることで、非連続性の高い発想が可能となり、イノベーションが起こしやすくなるのです。ATOUNでは創業当初から、スタッフ同士もしくはSF作家などを交えつつ進めてきた手法ですが、このたびPARTYの協力でそれを体系化。今後はメソッドとして意識的に活用し、事業を加速させていきます。
 

 



フリーアビリティ社会は、いわば性差・年齢差・個体差が人の活躍の障壁とならない真にフラットな社会の未来像です。しかし、そこに向けた取り組みは、すでにはじまっています。アクティビティデータの収集・活用に不可欠な「身体のさまざまな部位へのサポート」を視野に、腰用パワードウェア「ATOUN MODEL Y」(※3)に加えて、オプ ションとして追加できる腕用の「kote」(※4)や歩行支援用の「HIMICO」(※5)を開発。「クラウドによる連携」を見据えて、遠隔でデータを精査し、コントロールできるシステム(※6)を構築……。現在のさまざまな取り組みはすべて、フリーアビリティ社会につながっています。

ロボットを着て、人間がもっと自由に動きまわれる世界をつくる──。ATOUNはこのミッションのもとで、これまでパワードウェアの提供に取り組んできました。今後も旗印を変えることなく、「もっと自由」を追求し、人間の未知なる可能性をひらくために努力してまいります。

※1「パワードウェア」
あうんの呼吸で人間のパワーを引き出す、ウェアのように軽い「着るロボット」。

※2「PARTY」
社内外、国内外から、アイデア・デザイン・テック・ビジネスを越境し、交流し、実装するクリエイティブ集団。 美しい! 楽しい!新しい!にあふれた世界をめざし、未来の体験を社会にインストールする。 2018年より『WIRED』のクリエイティブディレクションも担当。
https://prty.jp/

※3「ATOUN MODEL Y」
ATOUNが開発・販売する腰用のパワードウェア。
http://atoun.co.jp/products/atoun-model-y

※4「kote」
ATOUNが開発を進めているパワードウェアの腕支援用パーツ(プロトタイプ)。MODEL Yに追加で取りつけることができる。
http://atoun.co.jp/prototypes/atoun-model-y-kote

※5「HIMICO」
ATOUNが開発を進めている歩行支援用パワードウェア(プロトタイプ)。坂道で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地では最大30.7%の歩行支援効果がある(当社調べ)。
http://atoun.co.jp/prototypes/himico

 ※6「遠隔でデータを精査し、コントロールできるシステム」
プレスリリース「在宅でもできる、パワードウェ ア(着るロボット)を使ったリモートフィットネスシステムを開発 ~アクティビティデータを活用して正確に動作を把握し、トレーニングを効果的にサポート~」(2020年5月21日)
http://atoun.co.jp/releases/fitness

〈会社概要〉
企業名   株式会社ATOUN
所在地   〒631-080 奈良県奈良市左京6丁目5-2
代表者   代表取締役社長 藤本弘道
設立    2003年6月6日
事業内容  パワードウェアをはじめ、働く人たちの体の負担を軽減する “着るロボット”の開発・普及に取り組むロボティクスファーム。生来の身体的能力差にかかわらず、自由自在に動きまわれる「フローアビリティ社会」の実現を目指している。パナソニック株式会社、三井物産株式会社など5社が出資。
URL     http://atoun.co.jp/

〈関連記事〉
▼空港の手荷物・貨物搭降載業務にパワードウェア導入。協業して次世代モデルの開発も検討(2019年2月12日)
http://atoun.co.jp/releases/jal

▼作業効果が最大で37.7%アップ。ATOUN、新たに「腕の補助機能」を搭載したパワードウェアの実証実験を開始。(2019年5月17日)
http://atoun.co.jp/releases/190517

▼「着るロボット」で歩行をサポートする体験ツアー 紅葉の京都で実施(2019年10月23日)
http://atoun.co.jp/releases/knt_ct_atoun2

 ▼「着るロボット」で歩行をサポートするツアーを正式にラインアップ化 〜第1弾は、3月3日、世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング〜(2020年2月5日)
http://atoun.co.jp/releases/kntct-uji

▼「ロボティクスが人と社会をつなぐコミュニケーションをつくる」 ATOUNが第58回関西財界セミナーで提言(2020年2月18日)
http://atoun.co.jp/releases/kankeiren

■本件のお問い合わせ
株式会社ATOUN 広報
お問い合わせページ:http://atoun.co.jp/contact
ホームページ:http://atoun.co.jp/

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会社概要

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URL
http://atoun.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
奈良県奈良市左京6丁目5-2
電話番号
-
代表者名
藤本 弘道
上場
未上場
資本金
-
設立
2003年06月