INSEACとファンケルが共同研究成果を発表
― 2020年12月開催 「第7回日本サルコペニア・フレイル学会大会」にて ―
株式会社INSEAC(本社・横浜市栄区、代表取締役:竹内洋司、以下インシーク)と株式会社ファンケル(本社・横浜市中区、代表取締役 社長執行役員 CEO:島田和幸、以下ファンケル)は、2018年9月から新しい介護予防に関する共同研究を開始しています(1)。この研究成果について、2020年12月に開催された「第7回日本サルコペニア・フレイル学会大会」で、フレイル(2)対策につながる研究として発表しましたのでお知らせします。
<研究結果>
【方法】
本研究はインシークが運営するリハビリ型デイサービス(3)「ARFIT」(以下アルフィット)に通所する要支援・要介護の認定者を対象とした前向き観察研究(4)です。アルフィットで、運動療法と栄養療法を行っている人を観察の対象者としました。運動療法は、週に1~2回の脳トレ運動、体幹および下肢筋群を中心とした自重筋力トレーニング、歩行訓練や下肢動作訓練の個別機能訓練、口腔体操の実施です。また、栄養療法は食事調査で確認した対象者の栄養状態の改善を目指した食事のアドバイス、たんぱく質の摂取量が不足している人へのアミノ酸やたんぱく質を配合したサプリメントの提供です。研究方法として、この対象集団の12ヶ月間の体組成、運動機能、認知機能、うつ、QOL、転倒・骨折イベント発生数を観察しました。
【結果】
本研究は進行中であるため、中間解析として2020年6月時点において6ヶ月間の観察が終了した21人の骨格筋量を評価しました。その結果、骨格筋量が観察開始時から経時的に増加しました(図1)。また、観察開始時から6ヶ月後の骨格筋変化量について、運動療法を週1回実施した10人の群では骨格筋量が維持され、週2回実施した11人の群では骨格筋量が増加しました(図2)。更に、骨格筋量とたんぱく質の栄養状態との関係を調べたところ、6ヶ月後の骨格筋変化量と観察開始時のたんぱく質摂取量に正の相関関係が示唆されました(図3)。これらの結果から運動療法と栄養療法、特にたんぱく質摂取状況が骨格筋量の増加に関わっていることが示唆され、フレイル対策にもつながる可能性があると考えられます。
<研究背景と今後について>
後期高齢者が要介護状態になる一番の原因はフレイルです。フレイルの要因は複合的であり、筋量および筋力低下などの「身体的要素」、認知症やうつといった「精神的要素」、孤独や閉じこもりなどの「社会的要素」があります。中でも「身体的要素」については、サルコペニア(5)との関連性が強いと考えられています。フレイルやサルコペニアに対する治療法は運動及び栄養療法とされています。
今後は、研究を継続させてデータを拡充し、より科学的根拠の信頼性を高めていきます。また、要支援・要介護者における骨格筋変化の要因を複合的に検討していき、より良い製品やサービスの開発に取り組んでまいります。
【用語説明】
- 2018年8月30日配信「INSEACと新しい介護予防に関する研究を開始」 https://www.fancl.jp/news/pdf/20180830_inseackaigoyoboukenkyu.pdf
- 健康な心身の状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間のこと。加齢とともに心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などで生活機能が障害されて心身がぜい弱になるのに対して、それらに適切な介入や支援をすることで、生活機能の維持向上が可能な状態のこという。
- 機能訓練に特化した通所介護(デイサービス)。
- ある集団を将来に渡って一定期間追跡調査する研究。
- 加齢や疾患により筋肉量が減少し、握力などの筋力や歩行速度などの身体機能が低下した状態のこと。
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