自動翻訳シンポジウム~自動翻訳と翻訳バンク~を開催しました!

日本のAI技術、AIによる言語処理、翻訳バンクの現在と今後について

総務省と国立研究開発法人情報通信研究機(NICT)は、自動翻訳のさらなる高度化に向けた研究開発や、その高精度化のために多分野の翻訳データを集積する「翻訳バンク」の運用を促進するため、3月16日に、AI、自動翻訳、言語処理などの最新動向を紹介するシンポジウムを開催しましたので、その概要をお伝えします。 
<第4回 自動翻訳シンポジウム>
日 時:2021年3月16日(火)15:00~17:00
開催方法:オンラインによるライブ配信
主 催:総務省、NICT
オンライン展示:翻訳バンクHP上に展示ブース開設<企業出展14社>

当日の内容
●開会挨拶(要旨)

総務副大臣 新谷 正義
冒頭に、主催者である総務省を代表して挨拶を行い、シンポジウムを開始しました。

・総務省では、世界の「言葉の壁」の解消を目指し、AIを活用した自動翻訳技術の研究開発や、成果の社会実装を推進しています。
・この1年間に、様々な分野でリモート化が急速に進みグローバルなオンライン会議などで、円滑なコミュニケーションを可能とする翻訳技術へのニーズはますます高まりました。
・2025年には大阪・関西万博を控え、AIによる高度な自動翻訳技術に高い期待が寄せられており、総務省では、AIによる「同時通訳」を2025年に実現することを目指し、昨年3月に「グローバルコミュニケーション計画2025」を策定しました。
・本年度予算で5カ年の研究開発をスタートさせ、これをさらに加速するため、第3次補正予算を活用し、我が国のAI研究開発の中核を担うNICTのけいはんな拠点に最先端の計算機環境を整備します。

●基調講演「若手・ベンチャーが引っ張る日本のAI」(要旨)
松尾 豊(東京大学 教授)
「深層学習」によって急速に発展したAIの現状・今後と、それを支えるスタートアップ企業の重要性について講演いただきました。

◎深層学習の先にあるもの
・AIは深層学習をベースとする技術的発展により、急速に進み、ここ数年、大きな成果を出し、現在は「言葉の意味理解」へと向かっている。
・AIの開発にとって、「disentanglement」(もつれをひもとくこと)が大事で、絡み合った要因を切り分けることによって「予測精度」を高めることが出来る。
・OpenAIが開発した言語生成モデル「GPT-3」は、「次の単語の予測」「文書生成」力において目を見張るものがあるが、「意味」の理解が苦手という点も見えてきた。
・本当の「意味理解」のためには、脳の中にある「未来を予測するシミュレーター(世界モデル)」をシステムの中に持つことが必要になってくる。
・今後、脳の機能がさらに説明できるようになり、そのことによって医療や、教育、社会制度に影響を与えることになる。大変エキサイティングなことが10-20年かけて徐々に起こっていくと思われる。
◎スタートアップの重要性
・AI領域において、大学・大学院を卒業したばかりの挑戦者のスタートアップによる成功事例が増え、これをロールモデルとして考える若者も増えている。
・引き続き、若い人材の育成が重要。特に、日本固有の教育機関である高専は、ハードウエアもソフトウェアも分かる人材の宝庫であり、活用していくべき。
・AIや言語処理のシステムの発展のためにも、日本全体で大きなエコシステムを作っていく必要がある。

●講演「AIによる言語処理の革命」(要旨)
岡崎 直観(東京工業大学 情報理工学院 教授)
「深層学習による機械翻訳の進展」について、これまでの流れと、今後、機械翻訳技術の高度化に向けて必要なことについて、講演いただきました。

◎機械翻訳の進展のこれまで
・ここ7年くらいでニューラル機械翻訳モデルは飛躍的に発展した。
・系列変換モデルである「トランスフォーマー」の登場で翻訳精度BLEUが2倍近く向上した。
・学習データの増加、および計算パワーの向上も、翻訳精度の向上に貢献している。
◎機械翻訳技術の高度化に向けてさらに必要なこと
・高品質な学習データの整備の継続。
・生成を制御しながら、学習データ「頼み」から脱却し実応用に合わせる手法を開発していくこと。
・言語以外の情報も統合したマルチモーダル翻訳や文脈依存型翻訳が活躍する応用の開拓。

●講演「2021年3月の翻訳バンク」(要旨)
隅田 英一郎(国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)フェロー)
「翻訳バンク」の担当者として、現在と今後について動画を交えて講演しました。

◎「翻訳バンク」とは
・総務省とNICTは、「同時通訳システム」の実現を目指した国家プロジェクトを進めている。その基盤にTOEIC900点の能力になっている音声翻訳がある。この翻訳精度アップのため「翻訳データ」の公的集積所としての「翻訳バンク」を運営している。最近の事例にオープンソースソフトウエアのドキュメント専用の翻訳システムの構築(LINUXファンデーション等)があります。
◎「翻訳バンク」の今後について
・「自動翻訳」はコモディティー化しつつあり、皆様に「翻訳データ」で協力いただき「自動翻訳」の高精度化を加速させていきます。
(ご連絡はh-bank@ml.nict.go.jpまで)
 
●閉会挨拶
NICT 理事長 徳田 英幸
最後に、主催者であるNICTから閉会の辞を述べ、本シンポジウムを閉会しました。


当日の発表内容は、後日、【翻訳バンク公式ホームページ(https://h-bank.nict.go.jp/)】でダイジェスト版の動画を掲載をいたします。
※オンライン展示は令和3年4月30日まで公開中です。

<本件に関するお問い合わせ先>
【自動翻訳シンポジウム事務局】

〒104-0045東京都中央区築地3-7-10 JS築地ビル5F 株式会社アルファネット内
TEL:03-6228-4191 E-MAIL:h-bank@alfanet.jp
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