高齢化率50%超え900人が住む限界集落「根羽村」に2020年度1年間で19世帯46名が移住、平成以来「初」の「社会増(見込み)」を記録。
〜山村留学やオンライン婚活、SDGsサイトオープンなどの施策を実施〜
現在、根羽村を含む日本全国の源流域は林業などの基幹産業の衰退に伴い、急激な過疎化、少子高齢化に見舞われています。この状況が進めば、やがて日本中の源流域が消滅する危機に瀕しています。もし源流域が消滅すれば、下流地域の大都市の生活にも大きな影響が出てしまうため、源流域を含む多くの山村地域では、過疎化、少子高齢化に対して早急な対策を行うことが求められております。
根羽村はこれらの課題に直面する中根羽村として目指す未来を徐々に定めながら計画を進めてきました。そしてここ数年で、地域おこし協力隊・地域おこし企業人等の国の制度を適切に用いて、経験とスキルを持つ村外の人材と共に手を組むことによって、様々な施策を行ってきた結果、このような実績が生まれました。
■根羽村1年間の実績レポートはこちら:https://prtimes.jp/a/?f=d75676-20210330-8869.pdf
面積の92%が森林で占められている根羽村では、村民全員が森林組合に加入し、村長が森林組合長を兼任するという、全国でも珍しいシステムを導入しています。林業には、人工林の状態を健全に保つという森林管理の一面があります。もし根羽村が消滅し、森林管理の担い手がいなくなった場合、山は荒れ、水源涵養機能を果たさなくなります。結果として、土砂崩れなどの自然災害が下流域の都市を襲う可能性が高まります。そのような危機から、国土と住民を守るのが根羽村の使命であり、持続可能な村づくりは引き続き急務となっております。
<2020年度 取り組みと実績>
①移住者数(トライアル移住者含む):19世帯46名
2020年度より移住や起業にトライしたい方向けにはじめたお試し住宅「トライアルシェアハウス」の実施により移住者が増加いたしました。村としては平成以降初の社会増を見込んでおります。
②山村留学の申し込み世帯数:6世帯
根羽村の小中学校は、令和2年度より小・中学校一貫校の義務教育学校、根羽学園として生まれ変わりました。9年間を見通した一貫教育と少人数のスモールメリットを最大限に活かした親子留学を実施し、2020年度はSNSの積極活用により、2019年度より5倍の申込数となりました。
③村づくりに関わる事業者数:県外17団体/県内4団体
企業との関係人口作りを推進しました。流域沿いの企業・自治体との連携もあり、観光・介護・ものづくりなど幅いジャンルでの連携を行いました。
・下流域の愛知県安城市での森林保全啓蒙イベントの開催
・高橋地区にある神社の復興・鳥居のリニューアル
・東海の観光会社と連携した、地域の観光事業の活性化
・少人数自治体の特性を活かす組織になるための役場職員研修
④地域おこし協力隊活動人数:5名
20年度4月より農業、林業でそれぞれ1名ずつ、映像を活用したPR担当が6月より活動を開始しました。教育、観光に1名ずつ21年度より新規活動を開始いたします。
⑤地域おこし企業人導入数:4社(2021年度予定)
教育魅力化・ICT推進で1名。村全体のSDGs施策推進で1名。観光事業の新規立ち上げで1名。木の布プロジェクト推進で1名が活動開始いたします。
⑥オンライン婚活の実施:4組がマッチング
コロナ禍を踏まえ、リアルではなくZoomを活用したオンライン婚活を開催しました。村内の独身男性7名と移住に興味がある村外女性6名のマッチングイベントを開催し、4組がマッチングしました。そのうちの2名の女性が村に実際に訪れています。
⑦高齢者向けタブレット講座の開催
生涯学習の一環として、高齢者の村民から「孫とテレビ電話ができるようになりたい」という要望を踏まえ、タブレット教室を開催しました。定員10名の大盛況な企画となりました。
⑧野菜のおすそ分け定期便「根羽村の親戚」:25世帯が親戚に
根羽村に来村したことある人を対象に、毎月1回、村民のお野菜を詰めた野菜のおすそ分け便を郵送する企画を実施しました。地域の小学生が書いたお便りと共に、日本全国25世帯の方々に源流で育ったお野菜を送り継続を希望する声が届いています。
⑨SDGsサイトオープン(https://nebamura-sdgs.jp/)
木の付加価値を高め、持続性のある森林経営ができるスキームと、環境配慮したアクション、流域の人々や企業と連携しながら進めていくSDGs施策を公開しました。「源流の水を守る、根羽村の森を活かしたサステナブルな取り組み」を取りまとめ今後も随時更新していきます。
⑩根羽村の活動の取材掲載数:40記事
数多くの企画を実施するにあたり、新聞に35記事、WEBメディアに5記事掲載されました。内容の多くは、教育にまつわる取材で、村のオンラインの活用も注目されました。
<2021年に実施予定の施策>
①杉でつくる繊維「木の布」を多方面に展開
大阪府に工場を構える株式会社和紙の布との事業連携を結び、間伐材の杉から木の布繊維に加工できる技術を活用、新たな木材資源の活用方法を創出しています。すでに同技術で商品を展開している株式会社いろどり(徳島県上勝町)と提携を結び、木材から作るタオルの製造/販売を進行中。原料の一種である「木糸」は和紙の製法を元に開発された希少な技術を用いてつくられた糸です。環境配慮されたサステナブル繊維として今後様々な商品で人々の日常に木の布を届け、環境保全活動を進めていきたいと考えています。
②森を活かした「教育サービス」の展開
これまで森林組合が中心となって行ってきた出張型の木育活動に加え、根羽村のフィールドを活かし、自然の中で感性を育む子供向けの教育サービスの展開を進めます。森林が92%を占めるこの村の恵みと文化を活かしたプログラムを通じて、新たな事業創出も目指します。
③子どもの個性が輝かせる村独自の教育システムの導入
柔軟に子供の個性を育める教育環境を学校のみならず村全体として作っていきます。ICTの推進・教育コーディネーターの採用・コミュニティスクール、地域活動と連携した総合学習の実施など、枠に捉われない教育体制を推進していきます。
④根羽村の学生がつくる「森のテーマパーク」
2019年度、内閣府主催のSDGsまちづくりコンテストにて根羽中学が「森のテーマパーク構想」を掲げ、全国の中学で唯一優秀賞を受賞しました。この構想をベースに、2020年度より実際に中学生にテーマパーク実現に向けた森づくりを共同で行っていき、構想実現に向けて活動していきます。
⑤村民×デジタル施策の推進
根羽村の学校では文科省のGIGAスクール構想に基づき1人1台タブレット配布を21年度より行いますが、高齢者世代に向けてもタブレットを利活用したデジタル施策の推進を計画しています。高齢者がデジタルを利活用できるようになることこそ、充実した福祉支援の実現が可能となります。
<根羽村村長 大久保憲一 コメント>
朝目覚めると、清らかなせせらぎの音色、さえずる小鳥の声、緑の中でさんさんと降り注ぐ陽の光、矢作川の源流地にある根羽村の光景です。矢作川は古くから上流の私達と流域の皆さんとの間に、深い絆を結んできました。
根羽村では、地域に人が住み続けられるために、働く場所や機会をつくる「雇用の循環」、地域内での「経済の循環」、教育や福祉・医療など生きるための「サービスの循環」の仕組みづくりと、これらを地域内で動かす住民意識の醸成と、流域連携による村づくりを進めています。92%が森林を占める当村は、古くから林業を中心に村づくりを進めてきました。健全な森林づくりを進めるため、「根羽スギ」、「根羽ヒノキ」での林業の六次産業化を図る「トータル林業」の取り組み、製材工場のJAS認定、森林認証の取得など、積極的に林業に取り組んでいます。また、冷涼な気候を活かしたとうもろこし栽培や、食の安全・安心を目指すため、年間を通じて林地内で放牧を行う「山地酪農」の取り組みも始まりました。また、次世代を担う地域の子供達には、学力向上はもちろんのこと、相手を思いやりながらしっかりと自分を主張できること、伸び伸びと何事にも挑戦できることなど、スモールメリットを最大限生かした教育環境の整備も進めています。地域内での様々な循環と、それを応援してくれる流域連携による地域づくりが、生き残りをかけた根羽村の挑戦であります。そして何より大切なことは自分達の住む地域に「誇り」と「自信」を持って自ら実践し、次世代に引き継いで行くことです。矢作川の源流・南信州根羽村の挑戦に皆さんの応援をお待ちしています。
■根羽村HP:http://nebamura.jp/
■根羽村1年間の実績レポートはこちら:https://prtimes.jp/a/?f=d75676-20210330-8869.pdf
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- その他
- ビジネスカテゴリ
- 政治・官公庁・地方自治体
- ダウンロード