45%の確率で血液型を当てる性格分析AIを開発
英語論文では世界初*
■研究の背景
日本で血液型と気質の関係に関する研究が始まったのは1920年頃で、現お茶の水女子大学の教育心理学者であった、古川竹二教授がそのパイオニアでした。その後、作家、能見正比古は、1971年に出版した「血液型でわかる相性」を発端に独自の調査分析によって研究を成熟させ、国内外の関心を集めました。現在まで、日本はこの分野において世界で最も多くの研究が行われています。当センターは、能見正比古の研究実績を受け継ぐとともに、血液型と人間の関係における研究を更に探究するため、国内外のさまざまな方面からメンバーを募り研究促進を図っています。
■研究の成果
本研究では、性格分析AIに血液型を予測させるため、過去2回、計6,000人の独自調査で得られた「血液型と性格」のデータを、AmazonのAI(Amazon Machine Learning)に学習させました。
今回開発したプロトタイプ(試作版)の正解率は、最大で45%でした。2019年に実施した第1回調査2,000人(血液型不明者141人は除く)では、血液型と性格の知識のあるグループ542人を対象に、AIで血液型を予測したところ、その正解率は45.0%で、全体の1,859人では40.1%でした。性別、年齢、婚姻状態を考慮しなかった場合は、それぞれ42.3%、39.6%に減少しました。
2020年の第2回調査4,000人(血液型不明者250人は除く)では、血液型と性格の知識のあるグループ1,067人の正解率は43.6%で、全体の3,750人では40.4%でした。性別、年齢、婚姻状態を考慮しなかった場合は、それぞれ42.0%、39.3%に減少しました。
ほとんどの場合、血液型の特性とされる質問の回答で、どの血液型でも、自分の血液型に「当てはまる」という数値が、他の血液型より大きくなりました。また、これらの特性は能見の研究とほぼ一致しました。なお、従来は差があるかどうか不明確であった「血液型と性格の知識が全くない」「血液型と性格は全く関係ない」という回答者においても、数値は小さいものの、すべての血液型で同じ傾向の差が見られました。
以上の結果は、日本人の大規模調査において、血液型と性格とに明確に関連性があること、そして血液型の影響は絶対的なものではなく、性別や年齢などの要因も考慮しなければ、一貫した結果が導けないことを示しています。
■論文情報
A Pilot Study Using AI for Psychology: ABO Blood Type and Personality Traits
American Journal of Intelligent Systems
日本時間 2021年4月2日オンライン公開
URL: http://article.sapub.org/10.5923.j.ajis.20211101.01.html (Full Text)
URL: https://www.researchgate.net/publication/350588165 (Dataset)
※ この学術誌には査読があり、名古屋大学、防衛大学校、東海大学、東京電機大学などのコンピューターシステムに関する論文が掲載されています。
■関連書籍と論文
本研究の概要は、金澤がこの秋に出版予定の『デジタル時代の「血液型と性格」(仮称)』に収録されます。また、既刊の『「血液型と性格」の新事実』(2019年)では、先行研究とAIを活用した性格分析を解説しています。
■注記
* ヒューマンサイエンスABOセンター調べ 2021年3月現在
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