Monozukuri Ventures、工場の安全性と生産性をDXで向上させるIterate Labsに追加投資
AIとウェアラブル・デバイスを通じて、あらゆる生産現場の労働災害と従業員の生産性を向上。アジア市場への進出を支援
ハードウェア・スタートアップ特化型投資ファンドを運営する株式会社Monozukuri Ventures(本社:京都市及び米国ニューヨーク市、CEO:牧野成将、以下「MZV」)は、工場の安全性と生産性を向上させるIoTソリューションを開発するIterate Labs(イテレートラボ、本社:米国マサチューセッツ州)に、リード投資家として投資実行しました。当社はIterate Labsに対して、これまで2度の投資を実行しており、今回の投資が3回目となります。今回の投資実行では当社に加え、Tyson Ventures(本社:米国アーカンソー州)、Entrepreneurs Roundtable Accelerator(本社:米国ニューヨーク州)などが投資しております。
米国労働統計局のデータによれば、米国内の製造業における労働災害の件数は2019年時点で25万件以上に達し、死亡事故にいたっては5333件と2007年以降で過去最悪の件数を記録し、約99分に1人が亡くなる状況です。生産現場における労働災害の防止は企業にとって、現場ワーカーの安全性確保だけでなく、離職率の低減や採用コストの抑制、そして生産性向上など経営課題と密接に関わっています。
一方で米国内の製造ラインでは非英語圏からの移民も含めた多様なワーカーが採用されます。加えて数千人のワーカーが就労するため、個々の作業効率をモニタリングする仕組の確立や多言語によるマネジメントが難しく、離職率も高い水準で推移しています。
更にコロナ禍においては、工場内での集団感染による操業停止が流通にも大きく影響するなど、業界を問わず工場の安全性確保と生産性向上の両立は、米国でも日を追うごとに重要視されてます。
Iterate Labsは2016年に共同創業者のApoorva KiranとJason Gussが米国コーネル大学在学中に設立したスタートアップです。現場ワーカーが装着したリストバンド型のデバイスを通じて、個々の作業状況をモニタリングし、異常やリスクの高い行動、作業効率が低いと見なされる行動などをAIがリアルタイムに検知・分析。その結果を現場監督者に通知するソリューションを開発しています。
工場内のモニタリングにはカメラによる映像解析とAIを活用する方法もありますが、デバイスをワーカーが装着することにより、個々の状況をより正確にリアルタイムで収集・通知できる利点があります。
収集したデータはIterate Labsが独自開発したAIによって解析され、事故の未然防止や目視では把握しにくい作業の生産性モニタリングにつながるフィードバックを提供します。
Iterate Labsのソリューションは米国のJBSやTyson Foodsなど大手食肉・食品メーカーをはじめ複数の製造業企業の工場で既に導入されており、北米市場を中心に製造ラインのDX化を検討する企業への導入を進めております。
当社ではIterate Labsに対して、経営面やハードウェアの製造面の支援に加えて、日本を中心とするアジア地域の製造業企業との橋渡しに取り組みます。
Monozukuri Venturesについて
株式会社Monozukuri Venturesは、京都とニューヨークを拠点に、ハードウェア・スタートアップへのベンチャー投資ファンドの運営と、ハードウェアの試作・製造に関する技術コンサルティングを提供する企業です。
2020年1月に、Makers Boot Campを運営する株式会社Darma Tech Labs(京都市)と、FabFoundry, Inc.(ニューヨーク市)が、2社のハードウェア・スタートアップ支援の経営資源を結集して発足しました。MZVが運営するMBC試作ファンドは2017年夏に発足し、日米のハードウェア・スタートアップ35社(日本16社、米国19社)に投資しています。またスタートアップ企業を中心に、110以上の試作プロジェクトを支援しています。
(数値はいずれも2021年3月末時点)
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