第10回化粧品産業技術展CITE JAPAN2021 環境部門アワード受賞化粧品原料 JADE ALGA(ジェイドアルガ/ODYCEA社製)のSDGsへの取り組みと機能性について
ODYCEA社 フランス、ブルターニュ地方 角質ケア海藻エキス JADE ALGA (ジェイドアルガ)
株式会社樋口商会(本社:東京都港区 代表取締役社長:大浜 亘)は2020年4月にフランスODYCEA社(本社:Lannion, フランス CEO:Fidji Briand)が製造する化粧品原料JADE ALGATM(ジェイドアルガ)の日本での発売を開始しました。本原料は、フランス、ブルターニュ地方の海辺で大量繁殖し環境問題・社会問題を引き起こしているオオバアオサのエキスです。ODYCEA社はオオバアオサが持つ形状記憶機能に着目し、オオバアオサから得られれたエキスを皮膚に塗布した際、角質層に対して類似の形状記憶機能を付与することができる事を発見しました。この発見により製品化されたJADE ALGATMは、ソフトピーリング効果・落屑促進効果・角質促進タンパク質の産生促進効果を有した角質ケアのための化粧品原料です。本原料は2021年5月19日に開催された、第10回化粧品産業技術展 CITE JAPAN 2021 アワードの環境部門に持続可能な資源を利用した製品として、ブロンズ賞を受賞致しました。
<JADE ALGAの製品概要>
JADE ALGATMはフランス、ブルターニュ地方の海岸に生息している海藻オオバアオサ属(Ulva lactuca Variety Armoricana)(Fig.1)の抽出物であり、オオバアオサ由来のウルバン(硫酸化多糖)を豊富に含む特許取得済みの化粧品原料です。製品に含有しているウルバン多糖類はヒアルロン酸のデルマタン硫酸の基本単位であるグルクロン酸とイズロン酸というベータヒドロキシ酸で構成されています。
オオバアオサはブルターニュ地方の海の6時間ごとに発生する干潮と満潮の影響により極端な乾燥と水和にさらされ、その細胞は極端な収縮と膨張を繰り返します。この様な環境下でも細胞が損傷することなく、オオバアオサが生命を維持する事ができるのは含有するウルバン多糖類に起因する形状記憶機能(Fig.2)によるものである事をODYCEA社は発見しました。
JADE ALGAはこの優れた「形状記憶テクノロジー」を化粧品に応用し、角質ケア(ソフトピーリング・落屑促進タンパク質の産生促進・角質構造タンパク質の産生促進)、抗酸化に関する有効性を示す製品です。
<JADE ALGAの有効性>
In Vitro:ヒトケラチノサイトを使用(3% JADE ALGATMを適用)
(1) ソフトピーリング効果:“落屑促進酵素KLK7”
KLK7 遺伝子の発現刺激による落屑促進効果
・KLK7 の遺伝子刺激:2.1 倍増 (p<0.01、対プラセボ)
・KLK7 の産生促進:4 倍増(p<0.05、対プラセボ)
(2) 角質の構築:角質構成タンパク質の発現刺激
・インボルクリン遺伝子発現刺激(UV 照射後):1.5 倍増*
・インボルクリンタンパク質産生量の増加:26 倍増*(Fig.3 )
・コルニフィン遺伝子発現刺激(UV 照射後):2.1 倍増*
*(p<0.01、 対プラセボ)
In Vivo: 3% JADE ALGATM 含有クリーム
角質層の圧密化効果
被験者:21 名(平均年齢:36 歳( 20 - 60 歳 ))
対照:プラセボクリーム
テープストリッピングにより角質層を採取し、
SEM で角質の空隙を測定
・細胞接着性:8%向上、空隙率:67%改善(Fig.4)
・官能評価:滑らかさ:14%向上、明るさ:9%向上
<SDGsへの取り組み>
1)社会平等への取り組み
適合するSDGs: 5:ジェンダー平等を実現しよう(5.5)、11:住み続けられるまちづくりを(11a)
ODYCEA 社は国際労働機関の労働条件に同意しており、特に社会的平等と現地での事業提携を重視しています。同社の経営者は女性であり、研究開発業務で女性の就業のサポートや製造工程の一部で障害者の方の雇用サポートを行っています。(従業員の女性比率:60%以上(2021年6月現在))また、次の地元企業との事業提携を実施しています:ALEOR(海藻採集会社)・DCLI-C(化粧品開発会社)・la capucine petit(デザイナー)
2)環境問題への取り組み
適合するSDGs: 11:住み続けられるまちづくりを(11.7)、13:気候変動に具体的な対策を(13.1)、14:海の豊かさを守ろう(14.1, 14.2, 14a)、15:陸の豊かさを守ろう(15.1)
ブルターニュ地方では農薬の海洋流出や地球温暖化の影響によるオオバアオサの大量繁殖が環境問題になっています。オオバアオサは腐敗すると有毒ガスの硫化水素を発生します。通常は死んだオオバアオサは毎朝海岸で回収されています。近年のオオバアオサの大量繁殖は通常実施される腐敗したオオバアオサの回収作業を困難にさせ、未回収のオオバアオサから発生した硫化水素が原因と推測される水難事故や海洋生物の死亡や動物の病気が報告されています。加えて、硫化水素の悪臭による海岸封鎖は観光産業への経済的なダメージを及ぼしています。ODYCEA社はこの様な環境問題の軽減の一助として、オオバアオサを出発原料にした化粧品の有効成分を製造開発しています。
3)製造工程に関する地球温暖化への取り組み
適合するSDGs: 12:つくる責任つかう責任(12.2, 12.4, 12.5, 12b)、13:気候変動に具体的な対策を(13b)
・サステナブルな海藻採取の工程:
持続的な海藻採集を可能にするため、採集する海藻の最低年齢(サイズ)や海底の付着根からカットする位置を考慮しています。並びに採集場のローテーションというルールを厳守しています。さらに、各海藻の種類の成長サイクルに合った採集時期も厳守しています。JADE ALGAの場合、オオバアオサが大量に増殖する3 月〜10 月にかけて採集しています。採集場は全てNatura 2000の保護地域であり、全ての製品は100%トレースを可能としています。ODYCEA社の海藻エキスはヨーロッパ一般保護管理当局(European Standard Control Authority)からオーガニック承認を取得しています。
・サステナブルな製造工程:
製造工程においてもODYCEA社 は特にゼロウェイスト、グリーンケミストリー、トレイサビリティやエネルギー削減という目標を重視しており、海藻の前処理は海水と風のみを使用しています。さらに、製造後の副産物は農産業分野で活用されており、使用した溶媒は再利用されています。エネルギー消費の削減はICPE のガイドラインに適合しております。
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