「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」日本発・国連とSDGメディア・コンパクト加盟社有志100社以上による世界初の共同キャンペーン、気候変動に立ち向かうために発進
本日、国連広報センターは「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志108社とともに、メディアの力を通じて気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」を立ち上げたことを発表します。国連とメディアとのグローバルな連携の枠組み「SDGメディア・コンパクト」に加盟しているメディアが、国レベルで共同キャンペーンを展開するのは世界で初めてのことです。
本キャンペーンは、メディアの情報発信を通じて、なぜ世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えることが必要なのかについて理解を促進し、地球温暖化をはじめとする気候変動に歯止めを掛けるための具体的なアクションを提示し、個人や組織に行動変容を促すことを目的としています。
2018年9月に国連が世界中の報道機関とエンターテインメント企業の資源と創造力を持続可能な開発目標(SDGs)の推進に動員するために発足した「SDGメディア・コンパクト」は、6月10日時点で世界で279社が加盟、そのうち170社が日本のメディアで、日本は非常に大きな割合を占めています。これら日本のメディアの力を結集する「1.5℃の約束」キャンペーンには、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、オンラインメディアといった様々な業態と規模のメディアが垣根を越えて参加し、日本中の人々に「1.5℃の約束」を守るためのアクションを取ることを訴えます。
キャンペーンタイトルの「1.5℃の約束」には、日本を含む国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国が、昨年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で示した、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることを事実上の目標とする決意をあらゆる個人と組織がともに支え、実行する決意が含まれています。スローガン「いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」には、その目標に向かって具体的なアクションを取る必要性を訴えるメッセージが込められています 。
本キャンペーンは本日始動し、各国首脳や世界のリーダーたちが米国 ニューヨークに集結する第77回国連総会ハイレベルウィーク初日の2022年9月19日(月)から、エジプト シャルム・エル・シェイク で開催される気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)の最終日(予定)である11月18日(金)までの2カ月間をキャンペーン強化期間とし、情報発信を強化します。
本キャンペーンの参加社は番組や編集コンテンツ、自社のウェブサイトやSNS、イベント等の発信の場を通じて、気候変動の現状を伝えるとともに、対策を拡大、加速するためのアクションなどを提案し、個人や組織に「1.5℃の約束」を自分事化してもらうことを目指します。参加社は、さらに、企業としての自社の気候アクションの取り組みも強化することが期待されます。
国連グローバル・コミュニケーション局を統括するメリッサ・フレミング 国連事務次長は、「気候変動対策のためのアクションが最優先事項とされている現状で、国連広報センターとSDGメディア・コンパクト加盟社がこの取り組みを立ち上げたことを歓迎します。科学は、人々の命と生活が危機にさらされていると教えてくれます。気候危機は、SDGsのすべての目標の達成を脅かします。私たちのライフスタイルはこの地球に多大な影響をもたらし、そして私たち全員が解決策の一部となれます。日本は温室効果ガスの主要な排出国の一つであると同時に持続可能性やグリーン・テクノロジー、エネルギー効率化の革新者でもあり、率先して道を示すことができます。このキャンペーンにより、日本全体でアクションが沸き起こり、他国にもインスピレーションを与えることを期待します」と述べています。
なお、本キャンペーンは、個人レベルでの気候アクションを呼びかける国連本部の「ActNow」グローバル・キャンペーンの一環として展開します。
本日の発表に合わせて、「1.5℃の約束」キャンペーンに参加を表明したSDGメディア・コンパクト加盟社は以下の108社です。参加社は今後も増える見通しです。
「1.5℃の約束」キャンペーン参加メディア一覧 (本発表時点、各社英語名のアルファベット順)
テレビ愛知(AICHI TELEVISION BROADCASTING)、秋田朝日放送(Akita Asahi Broadcasting)、秋田放送(Akita Broadcasting System Inc.)、秋田テレビ(AKITA TELEVISION)、青森放送(Aomori Broadcasting Corporation)、青森テレビ(Aomori Television Broadcasting)、朝日放送グループホールディングス(Asahi Broadcasting Group Holdings Corporation)、abn長野朝日放送(Asahi Broadcasting Nagano)、BS朝日(Asahi Satellite Broadcasting Limited)、bayfm(bayfm)、新潟放送(Broadcasting System of Niigata Inc.)、BSフジ(BS Fuji)、BSS山陰放送(BSS)、バズフィードジャパン(BuzzFeed Japan)、中部日本放送グループ(CBC)、知多メディアスネットワーク(CHITA MEDIAS NETWORK)、テレビ愛媛(Ehime Broadcasting)、FM FUJI(FM FUJI)、FM くらしき(FM Kurashiki)、フジテレビ(Fuji Television)、福井テレビ(Fukui Television Broadcasting)、福岡放送(FUKUOKA BROADCASTING SYSTEM CORP.)、福島中央テレビ(Fukushima Central TV)、福島テレビ(Fukushima Television Broadcasting)、HBC北海道放送(HBC)、ハースト婦人画報社(Hearst Fujingaho Co., Ltd.)、HTB北海道テレビ放送(Hokkaido TV Broadcasting)、MRO北陸放送(Hokuriku Broadcasting)、ハフポスト日本版(HuffPost Japan)、あいテレビ(itv)、岩手朝日テレビ(Iwate Asahi Television Co., Ltd.)、IBC岩手放送(Iwate Broadcasting Co., Ltd.)、岩手めんこいテレビ(Iwate Menkoi Television)、J-WAVE(J-WAVE)、J:COM(J:COM)、NHK(Japan Broadcasting Corporation)、KTS鹿児島テレビ(KAGOSHIMA TELEVISION BROADCASTING)、鹿児島読売テレビ(KYT)(Kagoshima Yomiuri Television)、河北新報社(KAHOKU SHIMPO PUBLISHING Co.)、関西テレビ放送(Kansai Television)、講談社(Kodansha)、熊本県民テレビ(Kumamoto Kenmin Television)、TKUテレビ熊本(Kumamoto Telecasting Corporation)、倉敷ケーブルテレビ(KURASHIKI CABLE TELEVISION Inc.)、テレビ高知(KUTV)、MBS(MBS)、三重テレビ放送(Mie Television Broadcasting)、テレビ宮崎(Miyazaki Telecasting Co., ltd.)、宮崎放送(MRT)、NCC長崎文化放送(Nagasaki Culture Telecasting Corporation)、長崎国際テレビ(Nagasaki International Television)、長崎新聞(NAGASAKI SHIMBUN)、メ~テレ(名古屋テレビ放送)(Nagoya Broadcasting Network)、ニューメディア(New Media)、NHK エデュケーショナル(NHK Educational Corporation)、NHKエンタープライズ(NHK Enterprises)、NHKグローバルメディアサービス(NHK Global Media Services, Inc.)、日本海テレビ(Nihonkai Television)、ニッポン放送(Nippon Broadcasting System, Inc.)、日本テレビ(Nippon TV)、NST新潟総合テレビ(NST Niigata Sogo Television, Co., Ltd.)、ラジオ大阪(OBC)、岡山放送(Okayama Broadcasting)、中国放送(RCC)、RKB毎日放送(RKB)、熊本放送(RKK)、RSKホールディングス(RSK)、琉球朝日放送(Ryukyu Asahi Broadcasting)、サガテレビ(Saga Television)、さくらんぼテレビジョン(Sakuranbo Television Broadcasting)、聖教新聞(Seikyo Shimbun)、KSB瀬戸内海放送(Setonaikai Broadcasting)、静岡放送(Shizuoka Broadcasting System)、tbc東北放送(tbc)、TBSホールディングス(TBS HOLDINGS INC.)、テレビ長崎(Television Nagasaki)、テレビ大阪(Television Osaka)、テレビ埼玉(Television Saitama)、テレビ津山(TELEVISION TSUYAMA Inc.)、テレビ山梨(Television Yamanashi)、朝日新聞(The Asahi Shimbun)、中日新聞社(THE CHUNICHI SHIMBUN)、料理通信社(The Cuisine Press)、建通新聞(The Kentsu Shimbun)、毎日新聞(The Mainichi Newspapers)、日本経済新聞(The Nikkei)、産経新聞(The Sankei Shimbun)、静岡新聞社(The Shizuoka Shimbun)、山形新聞社(The Yamagata Shimbun)、読売新聞(The Yomiuri Shimbun)、東海テレビ放送(Tokai Television Broadcasting)、テレビ大分(TOS)、富山テレビ放送(TOYAMA TELEVISION BROADCASTING)、TSKさんいん中央テレビ(TSK)、テレビ新広島(TSS)、チューリップテレビ(TULIP-TV)、テレビ朝日(TV Asahi)、TSCテレビせとうち(TV SETOUCHI BROADCASTING)、テレビ東京ホールディングス(TV TOKYO Holdings)、TUFテレビユー福島(TV-U FUKUSHIMA)、テレビユー山形(TV-U Yamagata)、テレビ山口(tys)、UHB 北海道文化放送(UHB HOKKAIDO Cultural Broadcasting)、Yahoo! JAPAN(Yahoo! JAPAN)、山形放送(Yamagata Broadcasting)、山形テレビ(Yamagata Television System)、山口朝日放送(Yamaguchi Asahi Broadcasting)、山口放送(Yamaguchi Broadcasting)
本キャンペーンに当たる、国連広報センターと参加社の決意表明は次の通りです。
*******
2021年11月13日、世界各国は新たな決意を表明しました。
それは「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑える」というもの。
気温上昇は、猛暑・豪雨・干ばつなどの異常気象、
生物多様性の喪失、食料不足、健康被害、貧困、強制移住など、
私たちの暮らしに様々な影響をもたらします。
すでに1.1℃上昇しているので、プラス0.4℃で抑えなければなりません。
そして、そのためには世界のCO2排出量を2030年までにほぼ半分に、2050年ごろに実質ゼロに、
さらにメタンなどその他の温室効果ガスも大幅に削減する必要があります。
これまでと同程度の取り組みを、できる範囲でやっていればどうにかなる。
そんなことは、もう言っていられないのです。
だから、私たちははじめます。
世の中の価値観を、行動を、社会の仕組みを変える新しい取り組みを、連携しながら。
メディアが持つ言葉・声・音・画像・映像・ネットワーク、使えるものを全部使って。
メディアだからできることが、メディアがまだやっていないことが、
きっとまだまだあるはずだから。
*******
なぜ今「1.5℃」なのか?
世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることは、2015年12月に採択されたパリ協定で努力目標として掲げられ、昨年11月に英国・グラスゴーで開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国の事実上の目標とする決意が示されました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年に発表した特別報告書『1.5℃の地球温暖化』(Global Warming of 1.5℃)で示された通り、地球温暖化を2℃以上ではなく、1.5℃に抑えることによって、多くの気候変動の影響が回避できるためです。
この1.5℃目標を維持するために、世界は2030年までに2010年比で二酸化炭素排出量を45%、2050年ごろに実質ゼロにまで削減し、メタンなどその他の温室効果ガスの排出も大幅に減らす必要があるとIPCCは示しています。しかし、昨年11月にUNFCCC事務局が発表した「自国が決定する貢献(NDC)」に関する統合報告書(Nationally Determined Contribution synthesis report)(アップデート版)によると、現時点での各国の温室効果ガス削減目標では排出量が2030年には2010年比で14%近く増加することになります。
この緊急事態には、IPCCによる第6次評価報告書をはじめ、科学の声が強い警鐘を鳴らしています。昨年8月に発表されたIPCC第1作業部会の報告書『気候変動2021:自然科学的根拠』(Climate Change 2021: The Physical Science Basis)では、世界の平均気温はすでに1.1℃上昇しており、この上昇は人間活動による温室効果ガスの排出に起因するという分析結果が報告されました。さらに、 国連の世界気象機関(WMO)は今年5月に発表した報告書『WMO Global Annual to Decadal Climate Update for 2022–2026』のなかで、2022年から2026年までの5年の間に気温上昇が1.5℃を超えてしまう可能性は50%近くと発表し、世界に衝撃を与えました。
深刻化する気候変動は、毎年のように襲う熱波や大型台風などの異常気象や気候関連災害として日本にも甚大な影響を与えていますが、今年2月に発表されたIPCC第2作業部会報告書『気候変動2022:影響・適応・脆弱性』(Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability)によると、今後気候災害が激甚化し、より頻発すると予測されています。
国連環境計画(UNEP)が2020年に発表した『排出ギャップ報告書2020』(Emissions Gap Report 2020)によると、日本は国別の温室効果ガス排出量では世界第5位です。あらゆる担い手が気候変動対策のためのアクションを取って社会システムを大きく変革することが急務となっている今こそ、メディアの力を通じて日本で気候アクションを動員していくことは世界全体にインパクトを持つと期待されます。
博報堂のクリエイターたちがキャンペーンをサポート
本キャンペーンは、国連グローバル・コンパクト署名企業である株式会社博報堂DYホールディングスのクリエイティブボランティア支援を受けて展開します。キャンペーンタイトルやスローガン、決意表明文やロゴは SDGメディア・コンパクトの日本の加盟社からの意見も踏まえ、同社のクリエイティブボランティア支援に参加しているコピーライターやデザイナーなどのアイデアを基に制作されました。
博報堂クリエイティブディレクター/コピーライターの井口雄大氏は次のように述べています。
「『できる範囲で、できることをしよう』という心持ちでは
もはや解決できないところまでこの問題が来てしまったことに、
一人の生活者として大きな衝撃を受けています。
くらし、ビジネス、様々な局面で、
私たちはその行動や価値観を根底から見つめ直し、
大きく変えていく必要があるようです。
でも、それはきっと新しい未来のはじまりです。
我慢や努力をずっと続けることはできません。
これまでとは全く違う未来のイメージが、そのための前向きなアイデアが、
このキャンペーンをきっかけに、次々とうまれるといいな、と思います。」
博報堂クリエイティブボランティア支援を通じて本キャンペーンにご協力いただいたスタッフの方々は以下のとおりです。(敬称略)
プロデューサー:川廷昌弘(博報堂DYホールディングス)
クリエイティブディレクター/コピーライター:井口雄大(博報堂)
アートディレクター:細川剛(博報堂)
デザイナー:中山沙織(博報堂)
PR:牧志穂(博報堂)
リサーチ:中平充(博報堂)
リサーチ:亀田知代子(博報堂)
リサーチ:神長澄江(博報堂)
リサーチ:白崎里奈(博報堂)
リサーチ:大野敬典(博報堂)
リサーチ:瀧川千智(博報堂DYメディアパートナーズ)
SDGメディア・コンパクトとは
2018年9月、アントニオ・グテーレス国連事務総長が31社の創設メンバーとともに立ち上げた「SDGメディア・コンパクト」は、世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すことを目的としています。現時点でアフリカ、アジア、米州、オーストラリア、欧州、中東から300社近くがSDGメディア・コンパクトに加わっています。事実やヒューマンストーリー、ソリューション(解決策)を発信することにより、同コンパクトはSDGsに関するアドボカシーと行動、説明責任の強力な原動力となっています。
詳細は国連広報センターのこちらのウェブページから:
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdg_media_compact/
ActNowとは
ActNowは、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーンです。このキャンペーンは、気候変動に対する認識と野心を高め、対策を強化するとともに、パリ協定の履行を加速するための国連による協調的取り組みに欠かせない要素です。ActNowは、個人を啓発し、主として消費パターンやライフスタイルの見直しなどによる行動変容を促すことを目標としています。人々が日常生活で下す決定は、地球全体に影響します。人々の習慣や決まり事を変え、環境に対する悪影響が比較的小さい選択を行うことにより、人々は気候変動という課題に立ち向かう力を得られるのです。
国連広報センターとは
国連広報センター(UNIC)は、国連事務局のグローバル・コミュニケーション局(DGC)に所属。日本において、国連とその活動について人々の関心を高め、理解を深めるための活動を展開しています。その活動は幅広く、日本語資料の作成、記者会見やメディア・インタビュー設定、ウェブサイトやソーシャルメディアによる情報発信、イベントの企画・開催など、多岐にわたります。
2018年9月に国連が世界中の報道機関とエンターテインメント企業の資源と創造力を持続可能な開発目標(SDGs)の推進に動員するために発足した「SDGメディア・コンパクト」は、6月10日時点で世界で279社が加盟、そのうち170社が日本のメディアで、日本は非常に大きな割合を占めています。これら日本のメディアの力を結集する「1.5℃の約束」キャンペーンには、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、オンラインメディアといった様々な業態と規模のメディアが垣根を越えて参加し、日本中の人々に「1.5℃の約束」を守るためのアクションを取ることを訴えます。
キャンペーンタイトルの「1.5℃の約束」には、日本を含む国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国が、昨年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で示した、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることを事実上の目標とする決意をあらゆる個人と組織がともに支え、実行する決意が含まれています。スローガン「いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」には、その目標に向かって具体的なアクションを取る必要性を訴えるメッセージが込められています 。
本キャンペーンは本日始動し、各国首脳や世界のリーダーたちが米国 ニューヨークに集結する第77回国連総会ハイレベルウィーク初日の2022年9月19日(月)から、エジプト シャルム・エル・シェイク で開催される気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)の最終日(予定)である11月18日(金)までの2カ月間をキャンペーン強化期間とし、情報発信を強化します。
本キャンペーンの参加社は番組や編集コンテンツ、自社のウェブサイトやSNS、イベント等の発信の場を通じて、気候変動の現状を伝えるとともに、対策を拡大、加速するためのアクションなどを提案し、個人や組織に「1.5℃の約束」を自分事化してもらうことを目指します。参加社は、さらに、企業としての自社の気候アクションの取り組みも強化することが期待されます。
国連グローバル・コミュニケーション局を統括するメリッサ・フレミング 国連事務次長は、「気候変動対策のためのアクションが最優先事項とされている現状で、国連広報センターとSDGメディア・コンパクト加盟社がこの取り組みを立ち上げたことを歓迎します。科学は、人々の命と生活が危機にさらされていると教えてくれます。気候危機は、SDGsのすべての目標の達成を脅かします。私たちのライフスタイルはこの地球に多大な影響をもたらし、そして私たち全員が解決策の一部となれます。日本は温室効果ガスの主要な排出国の一つであると同時に持続可能性やグリーン・テクノロジー、エネルギー効率化の革新者でもあり、率先して道を示すことができます。このキャンペーンにより、日本全体でアクションが沸き起こり、他国にもインスピレーションを与えることを期待します」と述べています。
なお、本キャンペーンは、個人レベルでの気候アクションを呼びかける国連本部の「ActNow」グローバル・キャンペーンの一環として展開します。
本日の発表に合わせて、「1.5℃の約束」キャンペーンに参加を表明したSDGメディア・コンパクト加盟社は以下の108社です。参加社は今後も増える見通しです。
「1.5℃の約束」キャンペーン参加メディア一覧 (本発表時点、各社英語名のアルファベット順)
テレビ愛知(AICHI TELEVISION BROADCASTING)、秋田朝日放送(Akita Asahi Broadcasting)、秋田放送(Akita Broadcasting System Inc.)、秋田テレビ(AKITA TELEVISION)、青森放送(Aomori Broadcasting Corporation)、青森テレビ(Aomori Television Broadcasting)、朝日放送グループホールディングス(Asahi Broadcasting Group Holdings Corporation)、abn長野朝日放送(Asahi Broadcasting Nagano)、BS朝日(Asahi Satellite Broadcasting Limited)、bayfm(bayfm)、新潟放送(Broadcasting System of Niigata Inc.)、BSフジ(BS Fuji)、BSS山陰放送(BSS)、バズフィードジャパン(BuzzFeed Japan)、中部日本放送グループ(CBC)、知多メディアスネットワーク(CHITA MEDIAS NETWORK)、テレビ愛媛(Ehime Broadcasting)、FM FUJI(FM FUJI)、FM くらしき(FM Kurashiki)、フジテレビ(Fuji Television)、福井テレビ(Fukui Television Broadcasting)、福岡放送(FUKUOKA BROADCASTING SYSTEM CORP.)、福島中央テレビ(Fukushima Central TV)、福島テレビ(Fukushima Television Broadcasting)、HBC北海道放送(HBC)、ハースト婦人画報社(Hearst Fujingaho Co., Ltd.)、HTB北海道テレビ放送(Hokkaido TV Broadcasting)、MRO北陸放送(Hokuriku Broadcasting)、ハフポスト日本版(HuffPost Japan)、あいテレビ(itv)、岩手朝日テレビ(Iwate Asahi Television Co., Ltd.)、IBC岩手放送(Iwate Broadcasting Co., Ltd.)、岩手めんこいテレビ(Iwate Menkoi Television)、J-WAVE(J-WAVE)、J:COM(J:COM)、NHK(Japan Broadcasting Corporation)、KTS鹿児島テレビ(KAGOSHIMA TELEVISION BROADCASTING)、鹿児島読売テレビ(KYT)(Kagoshima Yomiuri Television)、河北新報社(KAHOKU SHIMPO PUBLISHING Co.)、関西テレビ放送(Kansai Television)、講談社(Kodansha)、熊本県民テレビ(Kumamoto Kenmin Television)、TKUテレビ熊本(Kumamoto Telecasting Corporation)、倉敷ケーブルテレビ(KURASHIKI CABLE TELEVISION Inc.)、テレビ高知(KUTV)、MBS(MBS)、三重テレビ放送(Mie Television Broadcasting)、テレビ宮崎(Miyazaki Telecasting Co., ltd.)、宮崎放送(MRT)、NCC長崎文化放送(Nagasaki Culture Telecasting Corporation)、長崎国際テレビ(Nagasaki International Television)、長崎新聞(NAGASAKI SHIMBUN)、メ~テレ(名古屋テレビ放送)(Nagoya Broadcasting Network)、ニューメディア(New Media)、NHK エデュケーショナル(NHK Educational Corporation)、NHKエンタープライズ(NHK Enterprises)、NHKグローバルメディアサービス(NHK Global Media Services, Inc.)、日本海テレビ(Nihonkai Television)、ニッポン放送(Nippon Broadcasting System, Inc.)、日本テレビ(Nippon TV)、NST新潟総合テレビ(NST Niigata Sogo Television, Co., Ltd.)、ラジオ大阪(OBC)、岡山放送(Okayama Broadcasting)、中国放送(RCC)、RKB毎日放送(RKB)、熊本放送(RKK)、RSKホールディングス(RSK)、琉球朝日放送(Ryukyu Asahi Broadcasting)、サガテレビ(Saga Television)、さくらんぼテレビジョン(Sakuranbo Television Broadcasting)、聖教新聞(Seikyo Shimbun)、KSB瀬戸内海放送(Setonaikai Broadcasting)、静岡放送(Shizuoka Broadcasting System)、tbc東北放送(tbc)、TBSホールディングス(TBS HOLDINGS INC.)、テレビ長崎(Television Nagasaki)、テレビ大阪(Television Osaka)、テレビ埼玉(Television Saitama)、テレビ津山(TELEVISION TSUYAMA Inc.)、テレビ山梨(Television Yamanashi)、朝日新聞(The Asahi Shimbun)、中日新聞社(THE CHUNICHI SHIMBUN)、料理通信社(The Cuisine Press)、建通新聞(The Kentsu Shimbun)、毎日新聞(The Mainichi Newspapers)、日本経済新聞(The Nikkei)、産経新聞(The Sankei Shimbun)、静岡新聞社(The Shizuoka Shimbun)、山形新聞社(The Yamagata Shimbun)、読売新聞(The Yomiuri Shimbun)、東海テレビ放送(Tokai Television Broadcasting)、テレビ大分(TOS)、富山テレビ放送(TOYAMA TELEVISION BROADCASTING)、TSKさんいん中央テレビ(TSK)、テレビ新広島(TSS)、チューリップテレビ(TULIP-TV)、テレビ朝日(TV Asahi)、TSCテレビせとうち(TV SETOUCHI BROADCASTING)、テレビ東京ホールディングス(TV TOKYO Holdings)、TUFテレビユー福島(TV-U FUKUSHIMA)、テレビユー山形(TV-U Yamagata)、テレビ山口(tys)、UHB 北海道文化放送(UHB HOKKAIDO Cultural Broadcasting)、Yahoo! JAPAN(Yahoo! JAPAN)、山形放送(Yamagata Broadcasting)、山形テレビ(Yamagata Television System)、山口朝日放送(Yamaguchi Asahi Broadcasting)、山口放送(Yamaguchi Broadcasting)
本キャンペーンに当たる、国連広報センターと参加社の決意表明は次の通りです。
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2021年11月13日、世界各国は新たな決意を表明しました。
それは「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑える」というもの。
気温上昇は、猛暑・豪雨・干ばつなどの異常気象、
生物多様性の喪失、食料不足、健康被害、貧困、強制移住など、
私たちの暮らしに様々な影響をもたらします。
すでに1.1℃上昇しているので、プラス0.4℃で抑えなければなりません。
そして、そのためには世界のCO2排出量を2030年までにほぼ半分に、2050年ごろに実質ゼロに、
さらにメタンなどその他の温室効果ガスも大幅に削減する必要があります。
これまでと同程度の取り組みを、できる範囲でやっていればどうにかなる。
そんなことは、もう言っていられないのです。
だから、私たちははじめます。
世の中の価値観を、行動を、社会の仕組みを変える新しい取り組みを、連携しながら。
メディアが持つ言葉・声・音・画像・映像・ネットワーク、使えるものを全部使って。
メディアだからできることが、メディアがまだやっていないことが、
きっとまだまだあるはずだから。
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なぜ今「1.5℃」なのか?
世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることは、2015年12月に採択されたパリ協定で努力目標として掲げられ、昨年11月に英国・グラスゴーで開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国の事実上の目標とする決意が示されました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年に発表した特別報告書『1.5℃の地球温暖化』(Global Warming of 1.5℃)で示された通り、地球温暖化を2℃以上ではなく、1.5℃に抑えることによって、多くの気候変動の影響が回避できるためです。
この1.5℃目標を維持するために、世界は2030年までに2010年比で二酸化炭素排出量を45%、2050年ごろに実質ゼロにまで削減し、メタンなどその他の温室効果ガスの排出も大幅に減らす必要があるとIPCCは示しています。しかし、昨年11月にUNFCCC事務局が発表した「自国が決定する貢献(NDC)」に関する統合報告書(Nationally Determined Contribution synthesis report)(アップデート版)によると、現時点での各国の温室効果ガス削減目標では排出量が2030年には2010年比で14%近く増加することになります。
この緊急事態には、IPCCによる第6次評価報告書をはじめ、科学の声が強い警鐘を鳴らしています。昨年8月に発表されたIPCC第1作業部会の報告書『気候変動2021:自然科学的根拠』(Climate Change 2021: The Physical Science Basis)では、世界の平均気温はすでに1.1℃上昇しており、この上昇は人間活動による温室効果ガスの排出に起因するという分析結果が報告されました。さらに、 国連の世界気象機関(WMO)は今年5月に発表した報告書『WMO Global Annual to Decadal Climate Update for 2022–2026』のなかで、2022年から2026年までの5年の間に気温上昇が1.5℃を超えてしまう可能性は50%近くと発表し、世界に衝撃を与えました。
深刻化する気候変動は、毎年のように襲う熱波や大型台風などの異常気象や気候関連災害として日本にも甚大な影響を与えていますが、今年2月に発表されたIPCC第2作業部会報告書『気候変動2022:影響・適応・脆弱性』(Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability)によると、今後気候災害が激甚化し、より頻発すると予測されています。
国連環境計画(UNEP)が2020年に発表した『排出ギャップ報告書2020』(Emissions Gap Report 2020)によると、日本は国別の温室効果ガス排出量では世界第5位です。あらゆる担い手が気候変動対策のためのアクションを取って社会システムを大きく変革することが急務となっている今こそ、メディアの力を通じて日本で気候アクションを動員していくことは世界全体にインパクトを持つと期待されます。
博報堂のクリエイターたちがキャンペーンをサポート
本キャンペーンは、国連グローバル・コンパクト署名企業である株式会社博報堂DYホールディングスのクリエイティブボランティア支援を受けて展開します。キャンペーンタイトルやスローガン、決意表明文やロゴは SDGメディア・コンパクトの日本の加盟社からの意見も踏まえ、同社のクリエイティブボランティア支援に参加しているコピーライターやデザイナーなどのアイデアを基に制作されました。
博報堂クリエイティブディレクター/コピーライターの井口雄大氏は次のように述べています。
「『できる範囲で、できることをしよう』という心持ちでは
もはや解決できないところまでこの問題が来てしまったことに、
一人の生活者として大きな衝撃を受けています。
くらし、ビジネス、様々な局面で、
私たちはその行動や価値観を根底から見つめ直し、
大きく変えていく必要があるようです。
でも、それはきっと新しい未来のはじまりです。
我慢や努力をずっと続けることはできません。
これまでとは全く違う未来のイメージが、そのための前向きなアイデアが、
このキャンペーンをきっかけに、次々とうまれるといいな、と思います。」
博報堂クリエイティブボランティア支援を通じて本キャンペーンにご協力いただいたスタッフの方々は以下のとおりです。(敬称略)
プロデューサー:川廷昌弘(博報堂DYホールディングス)
クリエイティブディレクター/コピーライター:井口雄大(博報堂)
アートディレクター:細川剛(博報堂)
デザイナー:中山沙織(博報堂)
PR:牧志穂(博報堂)
リサーチ:中平充(博報堂)
リサーチ:亀田知代子(博報堂)
リサーチ:神長澄江(博報堂)
リサーチ:白崎里奈(博報堂)
リサーチ:大野敬典(博報堂)
リサーチ:瀧川千智(博報堂DYメディアパートナーズ)
SDGメディア・コンパクトとは
2018年9月、アントニオ・グテーレス国連事務総長が31社の創設メンバーとともに立ち上げた「SDGメディア・コンパクト」は、世界中の報道機関とエンターテインメント企業に対し、その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すことを目的としています。現時点でアフリカ、アジア、米州、オーストラリア、欧州、中東から300社近くがSDGメディア・コンパクトに加わっています。事実やヒューマンストーリー、ソリューション(解決策)を発信することにより、同コンパクトはSDGsに関するアドボカシーと行動、説明責任の強力な原動力となっています。
詳細は国連広報センターのこちらのウェブページから:
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdg_media_compact/
ActNowとは
ActNowは、個人レベルでの気候アクションをグローバルに呼びかける国連のキャンペーンです。このキャンペーンは、気候変動に対する認識と野心を高め、対策を強化するとともに、パリ協定の履行を加速するための国連による協調的取り組みに欠かせない要素です。ActNowは、個人を啓発し、主として消費パターンやライフスタイルの見直しなどによる行動変容を促すことを目標としています。人々が日常生活で下す決定は、地球全体に影響します。人々の習慣や決まり事を変え、環境に対する悪影響が比較的小さい選択を行うことにより、人々は気候変動という課題に立ち向かう力を得られるのです。
国連広報センターとは
国連広報センター(UNIC)は、国連事務局のグローバル・コミュニケーション局(DGC)に所属。日本において、国連とその活動について人々の関心を高め、理解を深めるための活動を展開しています。その活動は幅広く、日本語資料の作成、記者会見やメディア・インタビュー設定、ウェブサイトやソーシャルメディアによる情報発信、イベントの企画・開催など、多岐にわたります。
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