/amoの「グローバル企業の価値観調査」で「イノベーション」「ステークホルダー」「環境」を重視する傾向が明らかに
- 世界19カ国・地域の大手上場企業455社を対象に、企業が掲げる価値観(バリュー)を調査
- 世界で最も頻繁に挙げられる価値観は「イノベーション」
- 顧客や従業員に言及した価値観が大幅に増加
- 科学や長期的・グローバルな思考を尊重する価値観も増加
本調査では、世界の大手上場企業では、「イノベーション」、「創造性」、「ステークホルダー」の尊重を重視する傾向が高まっていることが分かりました。
主な調査結果は以下の通りです。
「創造性」と「イノベーション」が、かつてないほどに高く評価されています。新型コロナウイルスの世界的流行、サプライチェーン問題、インフレーション、戦争、気候変動など、さまざまな新しい課題に直面している企業は、創造的な思考を備えた企業として認識されることを望んでいます。今回の調査では、「イノベーション」(その派生語を含む)が、2021年の2位から上昇し、企業の33%(2021年:29%)が重視する、最も人気の高い価値となりました。カテゴリー別では、「創造性」と関連する価値は、米国、中国、多くの欧州諸国で特に高く認識されている一方で、オーストリア、オランダ、インドネシア、マレーシアでの言及は、まれでした。
企業にとって、「ステークホルダー」との関係の重要性はますます高まっています。2021年と比較して、従業員(前年比27%増)や顧客(同32%増)など、主要なステークホルダーに対する「敬意と責任」を表明する傾向への顕著なシフトが見られました。より広範囲では、「環境」に対する関心も急増しています(同37%増)。しかし、「環境」の観点では、地理的に大きなばらつきがみられます。例えば、中国では、人々や地域社会に対する広範な「社会的責任」を挙げる企業の数は、この1年で急増しました。英国でも、そうした幅広い社会的価値を喚起する企業の数は大幅に増加しました。しかし、米国では、一般的なものから、特定のステークホルダー、特に従業員や取引先に焦点を当てたものへと、顕著な移行が確認されました。
企業の32%が様々な形で「誠実さ」を企業が重視する価値観として挙げており、前回調査と同様に、高い人気を得ています。しかし、より広い意味での「倫理」というカテゴリーに分類される価値観は若干低下し、今回の調査対象企業のうち43%が引用しただけにとどまりました(前年46%)。「倫理観・誠実さ」のカテゴリーは今回も、米国、英国、南欧、中国で最も多く挙げられました。しかし、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダの4つの欧州市場では、「倫理」を価値観として挙げる企業は比較的少ない傾向にありました。これは、それら市場では、「正直さ」と「誠実さ」は絶対的な前提条件と認識されていることが理由として考えられます。
今回の調査では、「長期的なグローバル思考」「科学・技術」に関する価値観を挙げる企業が大幅に増加しました。これらのカテゴリーは、各国のトップ企業の中では相対的に下位に挙げられていますが、いずれも言及数は大きく伸びています。「長期的なグローバル思考」を挙げた企業は10%に過ぎませんでしたが、前年比では2倍に増加しています。「科学・技術」については、わずか6.4%の企業が挙げただけですが、言及数は45%増と2番目に高い伸びを示しています。
日本企業は、「誠実さ」に加えて、「顧客」や「信頼」も重要視
日本企業の価値観を個別に分析すると、「誠実さ」が最も多く挙げられ、グローバルで第1位だった「イノベーション」は第2位でした。また、グローバルでトップ5に挙げられていた「サステナビリティ」と「尊敬」の代わりに、「顧客」と「信頼」がランクインしました。カテゴリー別の価値観では、「人々・地域社会」、「顧客・クライアント・患者」、「科学・技術」、「業績・実績」、「倫理観・誠実さ」、「ダイバーシティ&インクルージョン」への言及が増加していることが分かりました。
/amoの会長であるステファン・フークスは次のように述べています。「/amoネットワークは20年以上にわたり、お客様と共に、企業のレピュテーションを構築・維持しながら、企業が自社について持つ認識と、外部が当該企業をどのように認識しているかというギャップを理解することを、常に強く意識してきました。グローバル規模で毎年実施している本調査の結果は、今年も非常に示唆に富んだものとなりました。企業は多くの課題に直面する中で、他者や地球に対する責任をこれまで以上に強く意識するようになってきています。また、創造的思考を重視する傾向の強まりが確認されたことも、心強い変化です。世界を代表する大企業が自社の価値観を見直し、自らが設定した基準に対する責任の達成度を世界に公開している事は、称賛に値します」
本レポートを監修した、/amo のチーフ・マーケティング・オフィサーで、Havas Paris/amo のパートナーであるチャールズ・フレミングは、次のように述べています。「本調査は、国籍や業種を問わず、企業がどのように自社の現状を伝えようとしているのかを示すベンチマークとして、有用であると考えています。また、豊富なデータを分析するために使われた/amo独自の『価値観の分類法』は、企業の広報担当者が、自社のコアバリューをより明確に表現するための独自ガイドラインを策定する手助けとなるでしょう」
グローバル規模で企業価値観の検証を行うため、/amoネットワークに所属するコミュニケーション・コンサルタントは、世界19カ国・地域の市場に上場する大手企業が、過去2年間に発行したアニュアルレポートを詳細に調査しました。その結果、計2,500の企業価値観(1社あたり平均5.5の価値観)が引用されていることが判明しました。これら多数の企業価値観を、/amoの「価値観の分類法」に基づいて大まかなカテゴリーに分類し、より有効な分析を行いました。
調査結果の歴年の変動からは、企業が自社の価値感を調整していることが見て取れます。また本調査では、毎年1月1日時点の時価総額を基準に上位の企業を選定することから、調査対象企業にはある程度の入れ替わりが生じています。実際、今年の調査対象となった455社のうち、55社(12%)は今回新たにリストに加わった企業です。このように、特定の企業価値の人気の変化には、より幅広い株式市場の動向や投資家の注目度も反映されていると言えます。
本調査報告書「Values most Valued」の詳細(英語)は、こちらをご覧ください:https://www.amo-global.com/fileadmin/user_upload/0516_2204160_AMO_VALUES_WE_VALUE_2022_WEB_92__63_.pdf
/amoについて
/amoネットワークは、世界中の最重要市場の企業や機関に対して、最高クラスのファイナンシャル・コミュニケーション・カウンセルを提供する、戦略的コミュニケーションアドバイザーのグローバル組織です。トランザクション、変革、エンゲージメント、責任、危機対応、政策対応など、幅広いコミュニケーション支援サービスをお客様に提供しています。私たちがグローバルなネットワークの中でもユニークな存在であるのは、それぞれの市場でトップクラスの実績を持つ各国のエージェンシーとの密接な連携を基盤としている点にあり、20年間にわたりお客様に有意義な結果をもたらしてきました。このネットワークは2001年、ロンドン、ニューヨーク、パリを拠点とする志を同じくする企業・金融PR会社3社(いずれもHavas Group傘下)によって設立されました。/amoネットワークは、1835年にパリで設立された、現在はヴィヴェンディ・グループの一員である世界最大級のグローバル・コミュニケーション・グループ、Havasの支援を受けています。
詳細は、/amo のウェブサイト(英語)をご覧ください:https://www.amo-global.com/
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/amoネットワークには、2016年に唯一の日本の広報エージェンシーとして加入しました。ESGやパブリック・アフェアーズなど欧米がイニシアティブをとる分野において、同ネットワークと協働して情報共有や共同プロジェクトを行い、グローバル基準のコミュニケーション支援サービスをお客様に提供しております。
詳細は、アシュトン・コンサルティング のウェブサイトをご覧ください:https://www.ashton.jp/ja
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