新規三次元培養基材「MatriMix (511)」の販売開始
マトリミックス
株式会社ニッピは、コラーゲンとラミニン511E8断片 (iMatrix-511)、およびヒアルロン酸を成分とする新たな三次元培養基材「MatriMix (511)」を2021年10月から販売開始しました。近年、再生医療や創薬の分野において、細胞をより生体内に近い状態に誘導する三次元培養が着目されており、種々の細胞に適した細胞外環境の需要が高まっています。MatriMixシリーズは、コラーゲンやラミニンE8断片の種類・組み合わせを変えることで様々な細胞の組織形成を促すことを目指して開発されました。MatriMixシリーズの第一弾であるMatriMix (511) は、発生期細胞や株化がん細胞のみならず (図1、2)、患者由来がん組織のオルガノイド培養 (図3) に活用できる汎用性の高い培養基材です。今後ラインナップを拡充できるよう、製品開発に取り組んで参ります。
【MatriMixオフィシャルサイト】
https://www.matrimix.nippi.bio/
【MatriMixシリーズに関するお問い合わせ先】
MatriMix@nippi-inc.co.jp (株式会社ニッピ バイオマトリックス研究所)
【関連製品】
・iMatrix-511
https://www.nippi-inc.co.jp/product/chemistry/tabid/197/Default.aspx
https://www.nippi-inc.co.jp/biomatrix/tabid/172/Default.aspx?itemid=237
・試薬用コラーゲン
https://www.nippi-inc.co.jp/product/chemistry/tabid/114/Default.aspx
図1 MatriMix (511)を用いた臓器オルガノイド形成
図2 MatriMix (511) を用いた株化がん細胞の培養
図2 各ヒト株化がん細胞を7日間、各基材で三次元培養した。MatriMix (511) で培養した場合は、EMT/転移能マーカーと細胞間接着マーカーで共染色された細胞集団形成が観察された (図A, B)。加えて、基底膜成分であるIV型コラーゲンが細胞集合体の内部で、間質コラーゲンであるI型コラーゲンが細胞集合体の外部で、それぞれ染色された (図C)。一方で、マウス腫瘍抽出物で培養した場合は、細胞間接着マーカーのみ染色されて (図D, E)、基底膜形成が確認されなかった (図F)。図A, B, D, E 緑:ビメンチン(EMT/転移能マーカー), 赤:E-カドヘリン (細胞間接着マーカー)、図C, F 緑:I型コラーゲン、赤:IV型コラーゲン
図3 MatriMix (511) を用いたヒト患者由来大腸がんオルガノイド形成
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