〈企業の地方進出に関する調査〉従業員の“約2人に1人”が地方勤務をポジティブに感じているが、経営者の認識は“5人に1人”!従業員の認識との間にギャップあり。
経営層は従業員の地方勤務への意向を把握できていない!? ~経営層は地方進出で、「営業販路拡大」と「コスト削減(550万円/年)」を期待!~
高知県(本庁:高知県高知市、知事:濵田省司)は、大都市※1の20~60代の経営層(会社経営者・役員)男女200名・従業員男女200名の合計400名を対象に、「企業の地方進出に関する調査」をインターネット調査にて実施しました。
※1大都市:東京都・大阪府・愛知県
※本調査結果や分析をご掲載の際は『高知県調べ』と明記ください。
新型コロナウイルスの影響で、テレワークやワーケーション、地方移転や地方拠点(サテライトオフィス)の設立など、働く場所について見直されています。高知県では「課題先進県」として人口減少下における産業振興策の一環としてIT・コンテンツ関連企業の誘致に取り組んでいます。本調査は、大都市の経営層や従業員がコロナ禍を経て、地方への企業進出や就業についての考えがどのように変化しているか調べることを目的としています。
※1大都市:東京都・大阪府・愛知県
※本調査結果や分析をご掲載の際は『高知県調べ』と明記ください。
新型コロナウイルスの影響で、テレワークやワーケーション、地方移転や地方拠点(サテライトオフィス)の設立など、働く場所について見直されています。高知県では「課題先進県」として人口減少下における産業振興策の一環としてIT・コンテンツ関連企業の誘致に取り組んでいます。本調査は、大都市の経営層や従業員がコロナ禍を経て、地方への企業進出や就業についての考えがどのように変化しているか調べることを目的としています。
<調査結果内容> 【地方勤務・地方移住意向】ポジティブな気持ちを持っているが、具体的に計画できていない!? ① コロナ前において「テレワークはできない」と思っていた人は7割。 しかし、現在、約半数(44.3%)の人がリモートワークをしていることが明らかに。 ② リモートワーク実施者の3人に1人以上が地方勤務を希望! ③ コロナ禍を経て、4割以上が地方移住・地方勤務に対してポジティブな気持ちに。 特に20~30代の若い世代は半数以上がポジティブな気持ちになったと回答。 ④ 地方移住をポジティブに考えていても、具体的に計画をしている人はたったの5.0%。 【企業の地方進出に対する経営層と従業員の意向】経営層と従業員で認識に大幅なギャップあり! ⑤ 従業員の“約2人に1人”が地方勤務をポジティブに感じているが、 経営層の認識は“5人に1人”!従業員と経営層で認識のギャップがあることが明らかに。 ⑥ 地方勤務にポジティブに感じている人が、地方で働く際に希望する企業の進出形態 第1位は「常駐型(単独オフィス) 39.1%」第2位「循環型(シェアオフィス) 31.1%」。 【経営層が地方進出後に期待すること】「営業販路拡大」と「コスト削減(550万円/年)」を期待! ⑦ 経営層が地方進出でネックになっていることは、費用対効果や経費削減などの「コスト面」と、 オフィス開設のための「立地面」。 ⑧ 地方進出後に取り組みたいことは「営業販路の拡大(21.5%)」「優秀な人材の採用(20.0%)」「拠点としての体制確立(18.5%)」が上位にランクインする結果に。 |
<調査概要> ・調査方法:インターネット調査 ・調査時期:2021年9月 ・調査対象:東京都在住の会社経営者・役員の20~60代男女100名 東京都在住の従業員の20~60代男女100名 大阪府在住の会社経営者・役員の20~60代男女50名 大阪府在住の従業員の20~60代男女50名 愛知県在住の会社経営者・役員の30~60代男女50名 愛知県在住の従業員の20~60代男女50名 ※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。 |
- 【地方勤務・地方移住意向】ポジティブな気持ちを持っているが、具体的に計画できていない!?
しかし、現在、約半数(44.3%)の人がリモートワークをしている結果に。
『コロナ前※は仕事柄上、リモートワークはできないと思っていましたか』と尋ねたところ、「できないと思っていた」が70.0%、「できると思っていた」が30.0%と回答。
なお、現在のリモートワーク状況について尋ねたところ、「コロナ前もしていて、現在もしている(10.3%)」、「コロナ前はしていないが、現在はしている(34.0%)」という結果になり、現在、約半数(44.3%)の人がリモートワークを実施していたことがわかりました。
※コロナ前:2020年2月以前
② リモートワーク実施者の3人に1人以上が地方勤務を希望!
前問で「コロナ前はしていないが、現在はしている(n=136)」と回答した人のうち、『働く環境を変えて”地方”で働きたいと思いますか』と尋ねたところ、「そう思う」と回答した人は38.2%となり、3人に1人以上が地方で働きたいと思っていることが分かりました。
また、「そう思う(n=52)」と回答した人を対象に、『地方で働きたいと思う年齢を教えてください』と尋ねたところ、51.1歳(平均値で算出)となりました。
③ コロナ禍を経て、4割以上が地方移住・地方勤務に対してポジティブな気持ちに。
特に20~30代の若い世代は半数以上がポジティブな気持ちになったと回答。
『コロナ禍※を経て、地方に住むことや働くことに対してポジティブな気持ちになりましたか』と尋ねたところ、40.3%が「そう思う」と回答。中でも、20代は54.2%、30代は51.5%と若い世代の半数以上がポジティブな気持ちを抱いていることが分かりました。
※コロナ禍:2020年3月以降
また、ポジティブな気持ちになった従業員は45.0%、経営層は35.5%という結果となり、従業員と経営層で差があることが判明しました。
あわせて、「ポジティブな気持ちになった(n=161)」と回答した人に『コロナ禍を経て、地方に住むことや働くことに対してポジティブな気持ちになった理由』を聞いたところ、従業員・経営層ともに第1位は「自然に囲まれた土地で働き(住み)たいから(従業員:52.2%、経営層:38.0%)」となりましたが、従業員の第2位は「物価が安い場所でお金に余裕をもって働き(住み)たいから(50.0%)」、第3位は「食べ物がおいしい場所で働き(住み)たいから(45.6%)」となり、経営層は第2位が「地方に移住しても、今の会社でテレワークで勤務できるから(36.6%)」、第3位が「物価が安い場所でお金に余裕をもって働き(住み)たいから(35.2%)」という結果となり、ポジティブ気持ちになった理由でも違いが見られました。
④ 地方移住をポジティブに考えていても、具体的に計画をしている人はたったの5%。
コロナ禍を経て地方で働くことへポジティブな気持ちになったと回答した人(n=161)に対し、『現在、どの程度地方で働く計画を立てていますか』と尋ねたところ、「具体的に計画を立てている」と回答した人は、5.0%に留まる結果となりました。
- 企業の地方進出に対する経営層と従業員の意向】経営層と従業員で認識に大幅なギャップあり!
経営層は“5人に1人”と想定!従業員と経営層で認識のギャップがあることが明らかに。
大都市の会社経営者・役員に『現場のスタッフが地方で働きたい気持ちがあると思いますか』と尋ねたところ、5人に1人(20.5%)が「そう思う」と回答しました。一方、前問(③)にて地方で働くことに対してポジティブな気持ちを抱いている従業員は45.0%となっており、認識の差が浮き彫りになりました。
⑥ 地方勤務にポジティブに感じている人が、地方で働く際に希望する企業の進出形態 第1位は「常駐型(単独オフィス) 39.1%」第2位「循環型(シェアオフィス) 31.1%」
地方で働くことにポジティブな人に『あなたが望む、地方への進出形態』を尋ねたところ、第1位「常駐型(単独オフィス)(39.1%)」、第2位「循環型(シェアオフィス)(31.1%)」、第3位「ワーケーション(会員制コワーキング)(23.6%)」となりました。
- 【経営層が地方進出後に期待すること】「営業販路拡大」と「コスト削減(550万円/年)」を期待!
オフィス開設のための「立地面」。
経営層に『地方進出を検討する際にネックになっているもの』を尋ねたところ、第1位「費用対効果が読めない(48.5%)」、第2位「地方に進出しても、思ったほど経費を削減できない(22.5%)」、第3位「すぐに開設できる立地がない(18.0%)」となりました。続いて、「人材が集まらなさそう(17.0%)」、「時間がかかりそう(15.0%)」「地方進出を検討するうえで十分な情報がない(13.0%)」という結果になりました。
⑧ 地方進出後に取り組みたいことは「営業販路の拡大(21.5%)」「優秀な人材の採用(20.0%)」「拠点としての体制確立(18.5%)」が上位にランクインする結果に。
経営層に『新たに地方に進出した場合、取り組みたいことは何ですか』と尋ねたところ、第1位「営業販路の拡大(21.5%)」、第2位「地方にいる優秀な人材の採用(20.0%)」、第3位「拠点としての体制確立(18.5%)」となりました。続いて、「進出先の地元企業との連携・協業(16.0%)」、「本社業務のサポート(12.0%)」、「新規事業の創設・推進(12.0%)」という結果になりました。
⑨ 地方進出における重要なポイントは「営業機会」と「コストメリット」!
経営層に『地方拠点(サテライトオフィス※)を作ることで、何を最も望みますか』と尋ねたところ、前問と同様に第1位は「営業販路の拡大(16.5%)」となりました。第2位は「経営コストの削減(13.5%)」となりました。なお、経営コストの削減を望むと回答した経営層に、『年間でどれくらいのコスト削減を望みますか』と尋ねたところ、年間で550万円(中央値で算出)の削減を期待していることがわかりました。
また、『地方の移転先・進出先に求める選定条件』を尋ねたところ、第1位「コストメリット(32.0%)」、第2位「営業機会(23.0%)」、第3位「インフラが充実している(19.5%)」となり、地方進出のポイントとして「コスト面」だけでなく「営業機会」も重視していることが明らかになりました。
なお、選定条件としては、「雇用メリットがある(18.5%)」、「社員の労働環境向上・生活環境改善(18.0%)」、「自然災害発生・被災リスクの低さ(16.0%)」といった回答もありました。
※サテライトオフィス:支店、営業所を含む
- 高知県はIT・コンテンツ企業の進出を支援しています
関東経済産業局の「地方移転に関する動向調査(令和3年4月)」によると、企業の候補地選定条件において、第1位に「コストメリット(40.6%)」、第2位に「営業面でのメリット(37.2%)」となっています。しかし、自治体が考える「企業が移転決定時に重視する条件」では営業面のメリットは10位と上位に入っておらず、認識のずれが生じています。
高知県では、IT・コンテンツ分野において、県内で新たな事業を創出する企業や団体、専門家等を対象とした「biz cafe KOCHI」を定期的に開催し、進出前後での地元企業や既進出企業との交流の機会を設けることで、進出企業の県内での認知拡大や、企業同士の繋がり創りをサポートしています。また、デジタル技術を活用して県内のあらゆる分野の課題を解決するために、新たな製品やサービスの開発をオープンイノベーションの手法で促進する「高知県オープンイノベーションプラットフォーム*」の取り組みを行っており、進出企業も含め県内外企業の事業創出もサポートしております。条件に合うIT・コンテンツ関連企業が高知県内に拠点を設けるにあたり、立地支援制度により補助金や様々な支援を行っています。 *:https://kochi-oip.jp/
■人材の獲得支援
デジタル技術を積極的に活用できる人材の育成と、DXの実現を目指す県内企業や経営者を応援するために、「高知デジタルカレッジ」として、デジタル技術に関わる知識や技術を持った人材の育成に取り組んでいます。転職を目的とした講座では、企業と受講生の就職マッチングのための発表会や、企業からの説明会の機会を設け、より良いマッチングに繋がることを目指しています。また、県外人材を獲得するために、求人サイトや、UIターンイベントへの出展など、無料で活用することができます。
■移転立地支援
IT・コンテンツ関連企業が高知県内に拠点設立する際に、操業開始から1年以内に3名の正社員を雇用することを要件に、補助期間3年間(36か月)、補助額最大2.5億円の立地支援制度を用意しています。
この制度を活用することにより、年間平均約840万円(過去実績から試算)のコスト削減が見込めます。
また、本格立地前の支援策として、高知県での短期滞在する際の宿泊交通費や、県内シェアオフィスでスモールスタートし、2年以内にオフィスビルに移転し雇用を拡大(2段階立地)しようとする際の運営費等を支援する制度を用意しています。
- IT・コンテンツ関連企業進出をサポートするHP
HP名 : 高知県- IT・コンテンツ関連企業進出サポート
URL :https://kochi-itc-ritti.jp/
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