これからの時代の家づくりを問う。大工技術の継承と価値の再定義を目指すコミュニティ「手刻み同好会」発足
〜11/6,7奈良県吉野町で手刻み大工の集うイベント開催〜
大工の手加工技術「手刻み」の保存と継承を目指して、全国の有志工務店、有識者、建築家がつどい情報交換をする学び合いのコミュニティとして発足した手刻み同好会は、この度、吉野製材工業協同組合の協力のもと、手刻み大工の集い「Hut to tekizami2021 in 吉野」を開催する運びとなった。11/6(土)、11/7(日)の2日間にかけて、奈良県吉野町において、手刻み技術の披露、有名建築家を招いたトークイベント、工務店や建築関係者の交流の場づくりを行う。
- なぜ今、手で刻む技術の継承が必要なのか?
かつて「山をみて家を建てる」と言われたように、大工の役割は、古くから継承されてきた職人の知恵と現代を生きる感覚に基づいて、自然をよみ、木を目利きし、加工することで、四季を通した理想の暮らしを実現することにありました。地域の大工が、人々や環境に合わせて家を建て、暮らしを診ていく。サステナビリティやトレーサビリティが求められる昨今ですが、実は遥か昔から、日本人は、ごく自然に、このような文化、ものづくりの精神を継承してきました。
近年、日本の住宅市場において、ストック住宅(既存物件・中古住宅)はすでに総世帯数を超え、空き家問題が課題となっています。また、環境への配慮やサステナビリティを志向する若い生活者も増えてゆく中で、リフォームの需要は益々高まっていくことが考えられます。パッシブデザイン、耐震など様々な観点から、手刻み技術の時代に合わせた継承と発展は、住宅業界にとって重要事項だと考えられます。
- 「これからの時代に合わせた、価値の再定義に向けて。」同好会立ち上げの背景と想い
戦後の住宅建築で主流となったプレカットの工法と比較してみると、手刻みは、工務店や大工にとって手間と技術を要します。それゆえに、これからの時代の日本建築の担い手である若手大工の技術習得や実践の機会も益々少なくなりつつあるのです。また、建築業界においても、デザイン性、健康面、エネルギー効率、耐震、環境負荷など、様々な視点から、その良さを言語化し、発信することは十分にできているとは言えない状況です。
私たち、手刻み同好会は、人と家、地域と大工文化、暮らしと自然の関係性を今一度見直し、これからの時代にこそ必要とされるこの技術をPRしていきたいという思いから、全国の有志の工務店、学者、建築関係者で結成されました。各参加者が自らの地域、生業にもちかえることができるような技術と知恵を交換し、若手にもひらかれた学びと実践の場づくりを行うことで、日本全体の大工技術、住宅建築の水準をあげることに貢献したいと考えています。
<主な活動>
- 建築家、有識者、手刻みを実践する方をゲストにした技術共有のための勉強会や現場見学会を定期的に行う
- 温熱・性能の研究者と協働し、手刻みの機能性追求、パッシブデザインのアップデートを行う
- 若手を中心に手刻みの技術を用いた「小屋コンペ」を計画し、学び合いと後継者育成に力を注ぐ
- 一般生活者に向けた認知拡大のためのお披露目の場としてイベントを開催する
- 自然豊かな材木の町、奈良県吉野町で「HUT to Tekizami 2021 in吉野」を開催!
この度、吉野製材工業協同組合の主催、手刻み同好会の企画・運営にて、日本有数の材木産地であり、豊かな自然に囲まれた奈良県吉野町で、手刻み技術と吉野材をPRするための2日間のイベントを開催します。Hutとは、「必要最小限の小さな小屋」のこと。小さな小屋にパッシブデザインの設計思想・大工の優れた手加工の技術、自然の素材などの粋を詰め込んで、日本の伝統建築の良さや人の手で刻むことの意味をさまざまなコンテンツで発信していきます。
本イベントでは、メインとなる建て方実演の他、主催の吉野製材工業協同組合による吉野材ツアー、墨付けやカンナ削りなどの大工の技術を間近で見て、体験していただけるコーナー、有識者をお呼びしてこれからの手刻み建築について考えるトークイライブを開催する予定です。日本有数の木材産地であり、大昔から人と自然の距離が近い暮らしが営まれてきた美しい町から、これからの時代の暮らしのデザインについて問いかけ、仲間づくりをしていきたいと考えています。
※建て方…加工した木材を棟上げする工程。
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【概要】
●日時:2021年11月6日(土)、11月7日(日)
●メイン会場・総合受付:吉野製材工業協同組合敷地内(〒639-3114 奈良県吉野郡吉野町丹治11番地)
※イベントにお越しになられる際は、まず総合受付にお越しください。
※コンテンツごとに、開催時間、場所などが異なりますので、チラシ裏面のタイムテーブルか下記【各コンテンツ詳細】をご参照ください。
●クレジット
「手刻み加工実演と吉野材展示•商談会」
主催:吉野製材工業協同組合
共催:手刻み同好会
後援:吉野町、奈良の木ブランド課
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- 【各コンテンツの詳細】
建築家の堀部安嗣氏、山辺豊彦氏をお招きし、当会代表の野池政宏がファシリテーターを務めて、手刻み建築の可能性について語るトークライブを開催します。事前予約制、コロナ状況によっては開催方法等を変更する場合もございますが、視聴方法として会場参加とオンライン配信をお選びいただけます。
- 日時:11/7(日)14:00-16:00
- 場所:吉野町中央公民館(〒639-3111 奈良県吉野郡吉野町上市133)または、オンライン
- 申し込み:トークライブにはお申込みが必要です。https://huttotekizamiinyoshino.peatix.com/
吉野材で刻んだ材を用いて、手刻み同好会会員である羽根建築工房、仲谷建設、大彦が、棟上げの実演を行います。当日の様子はSNS等のライブ配信も実施予定です。各回、1時間程度の所要時間で入退場自由です。
- 11/6(土)
- 10:00-11:00 羽根建築工房「ビッグベンチ」@くにすの杜(〒639-3432 奈良県吉野郡吉野町窪垣内49)
- 13:30-14:30 仲谷建設「ジイジバアバの秘密基地」@国栖の河岸(〒639-3432 奈良県吉野郡吉野町窪垣内198)
- 14:30-15:30大彦「外の仕事場」@国栖の河岸
- 11/7(日)
- 10:00-12:00 羽根建築工房「コロナハウス」吉野製材工業協同組合(〒639-3114 奈良県吉野郡吉野町丹治11)
吉野製材工業協同組合敷地内にて、手刻み大工によるカンナ削り、墨付けの実演・体験コーナーを実施します。会期中、随時入退場自由で行っておりますので、実演を生でご覧になりたい方、体験してみたい方はお気軽にお立ち寄りください。また、常時、手刻みを行っている大工が常駐しています。手刻みについて語りたい、何か質問したい、工務店同士で交流を深めたいといった方にお越しいただき交流していただけます。
- 11/6(土)10:00-16:00(随時開催)
- 11/7(日)10:00-13:00(随時開催)
- 場所:吉野製材工業協同組合(〒639-3114 奈良県吉野郡吉野町丹治11)
吉野材の流通拠点である吉野製材工業協同組合にて、吉野材の素晴らしさを体験いただくツアーを開催します。所要時間1時間程度、予約不要ですのでお気軽にお立ち寄りください。
- 11/6(土)11:30-12:30、16:00-17:00
- 11/7(日)12:30-13:30、17:00-18:00
- 場所:吉野製材工業協同組合(〒639-3114 奈良県吉野郡吉野町丹治11)
- 新型コロナウイルスについて
- 手刻み同好会代表
1960年生まれ
岡山大学理学部物理学科卒、住まいと環境社 代表、一般社団法人Forward to 1985 energy life 代表理事。温熱・省エネ・パッシブデザインに関する講演・講義、工務店・メーカーへのコンサルティング、執筆活動や各種媒体への情報提供を行う。
▼野池政宏note「手刻み同好会について」
https://note.com/noisy_osaka/n/n3d224d60b283?magazine_key=mf070e120a6bd
- 参加工務店
・橋本工務店 (静岡県浜松市北区初生町507-1番地)http://www.hashikou.jp/
・想造の家 仲谷建設(滋賀県米原市藤川1307) http://nakatani-k.jp/
・有限会社羽根建築工房(大阪市旭区森小路1-2-15)http://www.hanebou.com/
・株式会社清水工務店 (和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川377-48)http://www.sh-koum.com/
・大彦 株式会社 (和歌山県和歌山市網屋町43)https://daihiko.jp/
・合資会社のりぞう工務店(高知県高知市朝倉南町6-4)http://www.norizou.jp/
- 事務局メンバー
アトリエクーシェ 神野由美 https://www.instagram.com/ateliercouche/
- SNS/note
https://note.com/tekizami_2021
https://fb.me/tekizamidoukoukai
https://www.instagram.com/te_kizami/
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