精神科入院者の48.9%が強制入院、80%が「悲しい」「つらい」「悔しい」思いを経験。大阪精神医療人権センター、「安心してかかれる精神医療」を目指しオンライン講演会を11月28日(日)に開催。

精神科病院をとりまく強制入院・隔離や拘束・社会的入院などの問題を考え、自分たちにできることを探します

安心してかかれる精神医療の実現をめざして活動をおこなっている大阪精神医療人権センター(所在地:大阪市、代表:位田浩・大槻和夫)は、11月28日(日)、精神科医で劇作家のくるみざわしん、入院経験者、病院勤務経験看護師の方をゲストに、精神科病院を取り巻く問題について考え、自分たちにできることを探すためのオンライン講演会を開催します。

 

 

 

  • 精神科病院を取り巻く問題

 

①強制入院が半数を占める


日本国内で精神科病院に入院しているのは269,476 人で、その約半数の131,726人は強制入院です。(精神保健福祉資料2020年度)

2020年精神保健福祉資料より2020年精神保健福祉資料より

 

②長期入院も半数以上


精神科に入院する269,476人のうち、在院機関が1年未満の方は102,352人であり、5年以上となる方は83,381人で、中には20年以上という方もおられます。(精神保健福祉資料2020年度)
長期間の入院により、住むところ、家族との関係、そしてその方のもっておられた生活の力や役割、退院への希望などが奪われてしまうということが起こっています。


③退院・処遇改善を求める権利が知られていない


精神科に入院中の方の権利擁護のためのしくみとして法律に基づいて設置されている「精神医療審査会」があります。しかしながら、定期病状報告では年間275,952件の審査のうち、強制入院をやめて他の入院形態にすべきとされた件数は17件(0.006%)、入院継続は不要で退院してもらうべきとされた件数は6件(0.002%)となっており、公的な「権利擁護機関」として、その責任を果たすことができているとは言えません。また、入院中のご本人等からの退院請求や処遇改善請求は年間4,400件ありますが、平均在院入院者数を分母とすると、わずか1.5%の入院者しか利用していません。退院したい、処遇を改善してほしいといった請求ができるという「権利」が入院中の方に知られていない、その権利を使いこなすための支援が行き届いていないことがうかがえます。(2016年度の衛生行政報告例)


その他キーワード 医療経済/回転ドア/治療文化/家族との関係/社会資源/退院支援/社会的入院

 

これらの根底には精神科医療の治療文化と法やシステムも含んだ構造的問題があります。最先端の医療だけで解決するものではありません。
 

  • 大阪精神医療人権センターに届く相談

大阪精神医療人権センターには精神科病院に入院中の方やその家族、病院に勤務している方、勤務していた方などの医療スタッフからの相談もあります。


 

「退院したいけれどできない、誰に相談したらいいのかわからない」 「⾝体拘束をされているがいつまで続くかの説明もなく不安である」「退院したいけれどできない、誰に相談したらいいのかわからない」 「⾝体拘束をされているがいつまで続くかの説明もなく不安である」

「働いている病院で職員が⼊院中の⼈に暴⼒をふるったり暴⾔がある」 「勤務病院の処遇や環境を変えようとしたが、抵抗にあっている」「働いている病院で職員が⼊院中の⼈に暴⼒をふるったり暴⾔がある」 「勤務病院の処遇や環境を変えようとしたが、抵抗にあっている」

「家族が⼊院している、退院するように病院に⾔われるが家族だけでは⾯倒をみきれない」「家族が⼊院している、退院するように病院に⾔われるが家族だけでは⾯倒をみきれない」


 

これらの声の背景にあるのは、何かひとつだけの原因というわけではありません。

本人と家族、本人と医療スタッフの間に対立関係を生んでしまう「治療文化」。法や経済システム、病棟限定の共通理解といった「構造的な問題」があるのです。

当センターでは、入院中の方が苦しんでいるのに加え、この構造に巻き込まれている家族や精神医療従事者の中にも、苦しんでいる人が多いと考えています。
いくつもの問題が重なり合っているその中で、あきらめている人もいるのかもしれませんし、あきらめずに当センターに連絡をくださる方もあります。
 

看護倫理や組織の壁を前に燃え尽きる専門職、家族依存を前提の医療福祉体制。入院中の方を支えることによる傷つきを新たな捉え方で認識することで、対立ではない答えを考えて行きたいと思います。入院中の方を支えることによる傷つきを新たな捉え方で認識することで、対立ではない答えを考えていきたいと思います。

 

 

  • オンライン講演会概要


【チラシのダウンロード】
https://prtimes.jp/a/?f=d88138-20211115-421892708c3e85e8e5834b23082bb99d.pdf


◆日時

2021年11月28日(日)

講演会 14:00~15:30

アフタートーク 15:30すぎ~16:00
◆環境
ZOOM(ウェビナー/ミーテング)

◆参加申し込みはこちらから

クレジットカード・コンビニ払い
https://omh-1128.peatix.com/
銀行振込

https://omh-japan.net/UrhE

◆定員
70名程度

◆参加対象者

・精神医療の当事者・家族
・精神医療保健福祉、教育、行政、報道関係者など、本セミナーの趣旨に興味がある方はどなたでも

◆登壇者プロフィール
 


くるみざわしんさん/精神科医 劇作家
1966年長野県生まれ。

北区つかこうへい劇団戯曲作法塾、伊丹想流私塾で劇作を学ぶ。本戯曲集収録の「ひなの砦」が2016年のOMS戯曲賞佳作に、「精神病院つばき荘」が2017年の日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補に選ばれる。2019年から東大阪市の就労支援作業所「リカバリースペースみーる」との共同製作に取り組み、「私 精神科医編」を執筆。その後、「私 ケースワーカー編」「あなた 精神科医編」を連作。
 



進行 竹端寛さん/権利擁護システム研究会 兵庫県立大学
1975年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治学科教授を経て、現在、兵庫県立大学環境人間学部准教授。学生時代から大阪精神医療人権センターの権利擁護活動に加わる。著書に『枠組み外しの旅』(青灯社)、『福祉先進国における脱施設化と地域生活支援』(共著、現代書館)他。

発言 大橋聖子さん/入院経験のある精神医療ユーザー

発言 貝田博之さん/元精神科病院職員(25年勤務)・精神科認定看護師

 

  • 団体概要

大阪精神医療人権センターは当事者・家族・医療福祉従事者・弁護士・市民で設立し、この11月で設立36年になります。

精神科病院に入院中の方やその家族のために電話や病院でお会いしてお話しをきく相談活動、精神科病院への訪問活動(視察や聞き取りをして病院の方と意見交換をします)、そしてこれらの活動をもとにした政策提言や発信を行うことを通して、安心してかかれる精神医療の実現を目指しています。
 

設立   :1985年11月9日 (1999年 NPO法人格を取得、2010年 認定NPO法人認証)

代表   :代表理事 位田浩 大槻和夫

所在地  :大阪市北区西天満

事業内容 :
①声をきく~精神病院に入院中の方のための個別相談(電話・手紙・面会)
②扉をひらく~精神科病院を開かれたものにするため、訪問活動・情報公開
③社会をかえる~安心してかかれる精神医療を実現するため、精神医療や精神保健福祉についての政策提言

URL   :https://www.psy-jinken-osaka.org/
 

  • お問い合わせ先

 電話 :06-6313-2003
E-mail :advocacy@pearl.ocn.ne.jp

*入院中の方やご家族の方から電話相談は、「06-6313-0056」(電話相談専用)に、ご連絡ください。
 

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会社概要

URL
https://www.psy-jinken-osaka.org/
業種
医療・福祉
本社所在地
大阪府大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル9階
電話番号
06-6313-2003
代表者名
位田浩
上場
未上場
資本金
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設立
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