健康な人が健康なままでいるために!!高血圧を未然に防ぐための最新テクノロジー!
高血圧以外にも、肥満、脂質異常症、糖尿病予備群を発見することが可能
健康な方が健康のままでいるためには、予防が大切であることは世間一般に知られており、病気を未然に防ぎ、予防するために、健康教室が開かれたり予防に関する情報が発信されたりしています。しかし、健康教室や予防に関する情報は、「健康」に興味がある方や、「健康」意識が高い方に届きやすく、将来の病気のリスクが高い方にはあまり届いていない可能性があります。さらに、「健康」な人が、わからない将来の病気のリスクを減らすために現在の生活習慣を変えることは非常に難しいことが多いです。
そこで、私たちは、「健康」と言われている方のなかでも、将来病気になる可能性が高い方、予防をしなければ病気になってしまう方を見つけ出し、その方に向けて指導や情報発信をおこないたいと考え、包絡分析法(DEA)を応用した研究を実施しました。DEAは、企業などの生産性や効率性を評価・比較する際に広く用いられる手法です。この方法を病気になりやすい方をみつけることに応用できる可能性が肥満、高血圧、脂質異常症で報告されていました。私たちはこの計算方法を町の特定健康審査(特定健診)に組み合わせることができる形で応用し、高畠町と共同で本介入研究を実施しました。
研究は、高畠町で2019年~2020年に特定健診を受診した方が対象で、特定健診の結果を用いてDEAを応用し血圧が140/90 mmHg未満(非高血圧)の方から高血圧になりやすい方を見つけ出し、将来高血圧になる可能性があることをお知らせする手紙を送付。この手紙の送付によって次年度に高血圧を発症する方を減らせるかを確かめました。結果、手紙の送付だけでは高血圧の発症を減らすことは難しいということがわかりました。手紙だけでは生活習慣を改善してもらうことができなかったのが原因のひとつと考えられます。一方で、DEAによる将来高血圧になりやすい方を見つけ出す方法は効果的であることが確認できました。
この研究の論文が、この度、学術誌「BMJ Open」に掲載されました。「BMJ Open」は医学および健康科学分野の優れた研究を公開している学術雑誌です。当法人の社会貢献活動の一環としても、取り組みの成果が学術雑誌に掲載され広く世界に発信されることは意義があると考えています。また、この手法を使うことで、現在健康な方のなかから将来病気になりやすい方を保健指導や積極的情報発信などの対象とすることができ、健康な人が健康なままでいる病気の予防が将来実現できる可能性があると考えております。
特定非営利活動法人 地域健康プラン (tkk-plan.com)
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