KURITA×KIMURA SHAKESPEARE Vol.0 舞台「リア王~スマホ VS リア王~」木村龍之介 × 栗田芳宏 特別対談を公開!
日時:2022年11月23日(水)~11月27日(日) 会場:シアター風姿花伝
一般社団法人銀座舞台芸術祭(代表理事 石本千明)では、KURITA×KIMURA SHAKESPEARE Vol.0 舞台「リア王~スマホ VS リア王~」の11月23日(水)からの上演に向けて、演出:木村龍之介 × 主演:栗田芳宏の特別対談を公開することと致しましたので、お知らせいたします。
KURITA×KIMURA SHAKESPEARE Vol.0
「リア王~スマホVSリア王~」
【KURITA×KIMURA特別対談】
―――今回はじめて一緒に作品をつくるお二人ですが、お互いの印象はいかがですか?
木村:自分がまだ演出家に憧れていた頃に、能楽堂で栗田さんのシェイクスピア作品を何本か拝見していました。その時に肌感覚として「人間ってこれほどまでに凝縮されている世界を作れるのか!?」と物凄い衝撃を受けました。その後、自分が演出家として活動をはじめて、栗田さんのお弟子さんとご一緒した際に「この方も凄まじいのに、師匠と仰ぐ栗田さんは一体どれだけの方なのだろう!?」とさらに興味が深まり、僕の中では栗田さんという人が、いつでも目に見える所で輝いているけれど到底手が届かない北極星のような存在へと変わっていったんですよね。
今年4月に『フォーティンブラス』を栗田さんが東京で上演された際に観劇に伺い直接お話することがやっと叶いまして、それまで極北であるすごく遠くにある輝かしいものだと思っていた方に、身近に燃える火のような相反するふたつの感覚を覚えました。そこからより一層栗田さんへの興味と関心が深まり、今回のオファーへと至っています。
栗田 :『フォーティンブラス』を観に来てくださった日に初めて木村さんとお会いしたのですが、「よくシェイクスピアを研究されているな」という第一印象でしたね。
私はどちらかというと普段あまり役者を信じない演出家で、一方的に自分の考えや動き・言葉を細かく指示を出して作っていくタイプなのですが、木村さんの演出は非常に役者を信じていて、いろんな役者の可能性をテストさせている稽古場でとても刺激的です。それをセレクトしてまとめあげる木村さんの手腕もお見事なものですし。
私の場合は、私の頭の中にしか選択肢がないので「どんな風に役者たちの世界が作られているのか? そしてそれを木村さんが最終的にどうまとめるのか?」という選択肢が毎日膨らんでいて、これからさらにまた色々と木村ワールドが見えて来るかと思うと、とても楽しみです。
――― シェイクスピア作品『リア王』を通して今の世の中に訴えたいことや伝えたいことはありますか?
木村 :「人間そのものは猛毒にも良薬にもなる」、そんな多面的な部分を描いているのがシェイクスピア作品だと僕は思っています。同じ出来事や言葉でも、受取る相手によってプラスになるかマイナスになるかは大きく異なるじゃないですか、悲劇の本質はそういうところにあるのではないのかなと考えていて。演劇作品も同じで、ただ面白いだけではなく、観劇した後に電撃のようなショックを受けてそのままひどく傷付いてしまう方もいれば、物凄く感銘を受けて今後の人生が豊かになっていく方もいる。
そんな風に人間やシェイクスピア作品が持ち合わせる核の部分を届けるということは誰にでも簡単に出来ることではないですよね。今回は、栗田さんをはじめ素敵なキャストさん達の力も借りて、その核の部分を届けられるチャンスなので、とても楽しみです。
栗田 :『リア王』は四代悲劇の中で当初あまり人気が無い作品だったんですよ。けれど第二次世界大戦後、ヨーロッパの人々の実生活とのリンクがあったこともあり、人気が出てきて、作品としても完成度が高いと評判になっていったんですよね。作品を観劇するお客様……、特に若い方達はこれから人生の中で抱える問題がいっぱい出てくると思いますが、自分の問題ともリンクさせたりしながら楽しんでもらえたらいいのではないでしょうか。
今回は役者としての参加なので、作品全体としてのメッセージの伝え方は木村さんにお任せして、私は「リアとしてどう生きるか」ということに真摯に向き合っています。役者としていっぱいいっぱいになりながらリアという男と向き合っている真っ最中ですので、その結果の生き様を伝えられたらなと。
――― まもなく令和4年も終了に差し掛かっていますが、古くから愛されているシェイクスピアの古典を令和にアップデートすることについてどうお考えですか?
木村 :リア王という巨大な王様が80歳で亡くなっていく様を周囲の人間がウロウロしながら過ごしているのと同じように、僕たちは生きていく中でスマートフォンをいじりながら地球が滅びるのを待っている……そんな風に現代を捉えてみたり、リア王とリンクさせてみたりするとどうだろうか?と構想しています。
「これこそが人間だ!」と思わせるようなリア王に対して、スマホを用いながら「現代に生きる自分達は一体何を失っているのだろう?」ということを検証するエンターテイメントになるのではないでしょうか。
滅びと喪失を待ちながらスマホをいじる僕らに衝撃を与えながら、役者にはシェイクスピアのディープなものを真っ向勝負で役者に演じていただく、そんな令和4年版『リア王』を届けていきたいです。
栗田 :人間にとって大事なものは“情報”ではなく“会話”のはずなのに、令和はそもそも会話そのものが失われていますし、我々は日常的にあまり意味のない会話をしながら過ごしていますよね。
木村さんの仰っている毒と薬の話のように、言葉は色んな人を傷付ける力もあれば、癒す力もあり、そして正解を変える力もあるかもしれない。
そんな風に多面的な “言葉”を、客席はスマホを介して簡単に情報を送信出来る一方で、舞台上では役者たちが感情を込めて会話を生み出している。その対決に今からとてもわくわくしています。
シェイクスピア作品を通して“言葉とはどれだけの力を持っているのか?”ということを観ている方に考えていただけるような機会にしたいです。
――― 話題にも上がりましたが、今回は上演中にスマートフォンを操作しながら観劇出来る新たな試みがありますよね。それについてはどうでしょうか?
木村 :「やってみたいこと。」ですね。栗田さんやシェイクスピア作品の持つ人間の凄みに対して、今度はスマホという科学技術が進歩した凄みがある。それらが劇場の中で共存したり、反発したり、影響を受け合う状況を作っていきたいので、ぜひ観客の皆様はスマホを開いてください!だけど役者の皆さんは演技の熱量でスマホを閉じにかかってください!!!
タイトルに「スマホVSリア王」とあるように、まさに決闘のような劇空間になるように頑張って行きます。
栗田:以前、客席が全部カメラに囲まれた状態で『ハムレット』を上演した際に、シャッター音がうるさくて非常に乱暴に演じてしまいました。だから今回はそうならないようにしていきたいです。当時は意図的ではありませんでしたが、今回は「来るぞ!」と構えた上で堂々とスマホと戦えるので、とても楽しみですね。
木村 :リア王の場合はそのイライラが逆に効果的かもしれないですしね(笑)。お客さんも栗田さんをイライラさせたら勝ちというか、「リア王への挑戦者求ム!」という雰囲気でやっていきたいですよね。
お客様次第でその日のリアの機嫌が変わるかもしれないし、何があっても絶対にブレないかもしれない。演劇作品としてだけではなく、そういう部分も楽しみにいらしていただきたいですね。
栗田 :稽古の段階ではお客様の反応がどうなるか全くわからないので、そこも含めてわくわくしています!
――― 最後に、会場や配信でご観劇されるお客様に向けてメッセージをお願いします。
木村 :シェイクしてスピアする………お客様の心を揺さぶって刺すような作品を作りたい、現代でやる意味だ!問いかけだ!と考えています。今回はそれらを思う存分にやれるキャストが集まってくださったので、フルスイング木村の作品をぜひぜひ劇空間と配信でご注目ください!よろしくお願いします!
栗田 :前半4つの激しい感情、後半4つの静かな感情、合わせて8つの大きな感情の音をどう表現していくか?ということが、リアを演じる役者が苦しむことではないでしょうか。自分の中にリアを入れていきながら、今を感じながら、8つの音作りをお客様に届けて「シェイクスピアは物凄いことを役者に挑戦させようとしているのだな」ということが少しでも伝われば嬉しいです。
自分が役者を引退する最後の一作は『リア王』だと日頃から公言し、一世一代最後の公演として取っておいたのですが、木村さんとの出会いでリアを演じることになり「引退が早まった!?」と思ってヒヤヒヤしています。けれど、まだまだ栗田は引退しない!以上です。(笑)
【公演概要】
「リア王~スマホVSリア王~」
【KURITA×KIMURA特別対談】
―――今回はじめて一緒に作品をつくるお二人ですが、お互いの印象はいかがですか?
木村:自分がまだ演出家に憧れていた頃に、能楽堂で栗田さんのシェイクスピア作品を何本か拝見していました。その時に肌感覚として「人間ってこれほどまでに凝縮されている世界を作れるのか!?」と物凄い衝撃を受けました。その後、自分が演出家として活動をはじめて、栗田さんのお弟子さんとご一緒した際に「この方も凄まじいのに、師匠と仰ぐ栗田さんは一体どれだけの方なのだろう!?」とさらに興味が深まり、僕の中では栗田さんという人が、いつでも目に見える所で輝いているけれど到底手が届かない北極星のような存在へと変わっていったんですよね。
今年4月に『フォーティンブラス』を栗田さんが東京で上演された際に観劇に伺い直接お話することがやっと叶いまして、それまで極北であるすごく遠くにある輝かしいものだと思っていた方に、身近に燃える火のような相反するふたつの感覚を覚えました。そこからより一層栗田さんへの興味と関心が深まり、今回のオファーへと至っています。
栗田 :『フォーティンブラス』を観に来てくださった日に初めて木村さんとお会いしたのですが、「よくシェイクスピアを研究されているな」という第一印象でしたね。
私はどちらかというと普段あまり役者を信じない演出家で、一方的に自分の考えや動き・言葉を細かく指示を出して作っていくタイプなのですが、木村さんの演出は非常に役者を信じていて、いろんな役者の可能性をテストさせている稽古場でとても刺激的です。それをセレクトしてまとめあげる木村さんの手腕もお見事なものですし。
私の場合は、私の頭の中にしか選択肢がないので「どんな風に役者たちの世界が作られているのか? そしてそれを木村さんが最終的にどうまとめるのか?」という選択肢が毎日膨らんでいて、これからさらにまた色々と木村ワールドが見えて来るかと思うと、とても楽しみです。
――― シェイクスピア作品『リア王』を通して今の世の中に訴えたいことや伝えたいことはありますか?
木村 :「人間そのものは猛毒にも良薬にもなる」、そんな多面的な部分を描いているのがシェイクスピア作品だと僕は思っています。同じ出来事や言葉でも、受取る相手によってプラスになるかマイナスになるかは大きく異なるじゃないですか、悲劇の本質はそういうところにあるのではないのかなと考えていて。演劇作品も同じで、ただ面白いだけではなく、観劇した後に電撃のようなショックを受けてそのままひどく傷付いてしまう方もいれば、物凄く感銘を受けて今後の人生が豊かになっていく方もいる。
そんな風に人間やシェイクスピア作品が持ち合わせる核の部分を届けるということは誰にでも簡単に出来ることではないですよね。今回は、栗田さんをはじめ素敵なキャストさん達の力も借りて、その核の部分を届けられるチャンスなので、とても楽しみです。
栗田 :『リア王』は四代悲劇の中で当初あまり人気が無い作品だったんですよ。けれど第二次世界大戦後、ヨーロッパの人々の実生活とのリンクがあったこともあり、人気が出てきて、作品としても完成度が高いと評判になっていったんですよね。作品を観劇するお客様……、特に若い方達はこれから人生の中で抱える問題がいっぱい出てくると思いますが、自分の問題ともリンクさせたりしながら楽しんでもらえたらいいのではないでしょうか。
今回は役者としての参加なので、作品全体としてのメッセージの伝え方は木村さんにお任せして、私は「リアとしてどう生きるか」ということに真摯に向き合っています。役者としていっぱいいっぱいになりながらリアという男と向き合っている真っ最中ですので、その結果の生き様を伝えられたらなと。
――― まもなく令和4年も終了に差し掛かっていますが、古くから愛されているシェイクスピアの古典を令和にアップデートすることについてどうお考えですか?
木村 :リア王という巨大な王様が80歳で亡くなっていく様を周囲の人間がウロウロしながら過ごしているのと同じように、僕たちは生きていく中でスマートフォンをいじりながら地球が滅びるのを待っている……そんな風に現代を捉えてみたり、リア王とリンクさせてみたりするとどうだろうか?と構想しています。
「これこそが人間だ!」と思わせるようなリア王に対して、スマホを用いながら「現代に生きる自分達は一体何を失っているのだろう?」ということを検証するエンターテイメントになるのではないでしょうか。
滅びと喪失を待ちながらスマホをいじる僕らに衝撃を与えながら、役者にはシェイクスピアのディープなものを真っ向勝負で役者に演じていただく、そんな令和4年版『リア王』を届けていきたいです。
栗田 :人間にとって大事なものは“情報”ではなく“会話”のはずなのに、令和はそもそも会話そのものが失われていますし、我々は日常的にあまり意味のない会話をしながら過ごしていますよね。
木村さんの仰っている毒と薬の話のように、言葉は色んな人を傷付ける力もあれば、癒す力もあり、そして正解を変える力もあるかもしれない。
そんな風に多面的な “言葉”を、客席はスマホを介して簡単に情報を送信出来る一方で、舞台上では役者たちが感情を込めて会話を生み出している。その対決に今からとてもわくわくしています。
シェイクスピア作品を通して“言葉とはどれだけの力を持っているのか?”ということを観ている方に考えていただけるような機会にしたいです。
――― 話題にも上がりましたが、今回は上演中にスマートフォンを操作しながら観劇出来る新たな試みがありますよね。それについてはどうでしょうか?
木村 :「やってみたいこと。」ですね。栗田さんやシェイクスピア作品の持つ人間の凄みに対して、今度はスマホという科学技術が進歩した凄みがある。それらが劇場の中で共存したり、反発したり、影響を受け合う状況を作っていきたいので、ぜひ観客の皆様はスマホを開いてください!だけど役者の皆さんは演技の熱量でスマホを閉じにかかってください!!!
タイトルに「スマホVSリア王」とあるように、まさに決闘のような劇空間になるように頑張って行きます。
栗田:以前、客席が全部カメラに囲まれた状態で『ハムレット』を上演した際に、シャッター音がうるさくて非常に乱暴に演じてしまいました。だから今回はそうならないようにしていきたいです。当時は意図的ではありませんでしたが、今回は「来るぞ!」と構えた上で堂々とスマホと戦えるので、とても楽しみですね。
木村 :リア王の場合はそのイライラが逆に効果的かもしれないですしね(笑)。お客さんも栗田さんをイライラさせたら勝ちというか、「リア王への挑戦者求ム!」という雰囲気でやっていきたいですよね。
お客様次第でその日のリアの機嫌が変わるかもしれないし、何があっても絶対にブレないかもしれない。演劇作品としてだけではなく、そういう部分も楽しみにいらしていただきたいですね。
栗田 :稽古の段階ではお客様の反応がどうなるか全くわからないので、そこも含めてわくわくしています!
――― 最後に、会場や配信でご観劇されるお客様に向けてメッセージをお願いします。
木村 :シェイクしてスピアする………お客様の心を揺さぶって刺すような作品を作りたい、現代でやる意味だ!問いかけだ!と考えています。今回はそれらを思う存分にやれるキャストが集まってくださったので、フルスイング木村の作品をぜひぜひ劇空間と配信でご注目ください!よろしくお願いします!
栗田 :前半4つの激しい感情、後半4つの静かな感情、合わせて8つの大きな感情の音をどう表現していくか?ということが、リアを演じる役者が苦しむことではないでしょうか。自分の中にリアを入れていきながら、今を感じながら、8つの音作りをお客様に届けて「シェイクスピアは物凄いことを役者に挑戦させようとしているのだな」ということが少しでも伝われば嬉しいです。
自分が役者を引退する最後の一作は『リア王』だと日頃から公言し、一世一代最後の公演として取っておいたのですが、木村さんとの出会いでリアを演じることになり「引退が早まった!?」と思ってヒヤヒヤしています。けれど、まだまだ栗田は引退しない!以上です。(笑)
【公演概要】
原作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 ■演出 木村龍之介 ■出演 栗田芳宏、天野翔太、猪狩 綾、池田直広、今井由希、岩崎MARK雄大、岡 直樹、越川みつお、牛膓侑志、水戸將弘、柳本璃音、横山 敬、矢嶋俊作 ■会場 シアター風姿花伝 ■日時 2022年11月 23日(水・祝) 16:00 24日(木) 13:00/18:30★ 25日(金) 18:30 26日(土) 13:00/18:30 27日(日) 13:00 ★=生配信 ロビー開場45分前/客席開場30分前 ■チケット料金 劇場:5,000円(全席指定・税込)※当日券は500円増し 配信:3,500円(生配信+アーカイブ視聴(12月25日まで)) ■チケット販売 劇場:https://stage.corich.jp/stage_main/176031 配信:http://ptix.at/v6IWyw [ご案内] 本公演は、お客様がスマートフォンからご参加いただける演出を予定しております。 客席において他のお客様がスマートフォンをご使用になられることを予めご了承くださいませ。 スマートフォンからの参加は任意のため、スマートフォンをお持ちでないお客様も公演をお楽しみいただけます。 ■スタッフ 美術:松岡 泉 作曲:平本正宏 照明:榊󠄀 美香 音響:大園康司 映像・配信:株式会社MOVIE HOLIC 舞台監督:株式会社ステージワークURAK 宣伝美術:森 裕之 制作アシスタント:根本啓司 制作:斎藤 努 加藤恵梨花 小野明日香 プロデューサー:石本千明 主催:一般社団法人銀座舞台芸術祭 ■補助金 ARTS for the future! 2 |
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