6万本の花の作品がぶな林に咲くプロジェクトで無数の人々を越後の里山に集め感動を巻き起こした菊池歩の初個展、東京・日本橋で開催。
作家とともに「作品をよむ」展覧会 令和3年(2021年)12月30日共感の輪を広げて終了
多彩な手法の創作を媒介に観る者のこころに飛び込むアートを創る菊池歩の集大成が展示
菊池歩は、妻有で日本の古自然である照葉樹林に人々の思いが美的に昇華した無数(6万本)のビーズによるお花畑を現出、地の力と地の思いを結ぶ奇跡的な作品で、わが国の大規模芸術祭におけるストーリーの一片を描いたかとおもえば、鎌倉を拠点にさまざまな背景をもった子どもたちが奔放に作品を描くことでより広がりのある居場所を自らの手でつくることができるような創作を通じた無意識のエンパワーメントを実現したりする、表現の手段をえらばず、当事者ともに、当事者として制作をする「ひとを巻き込む」表現で、多くのファンを獲得しています。
無意識のエンパワーメントの成果は、画集『タレル・デ・マリア』(2018) ※アマゾン書誌リンク https://amzn.to/3eyiKDF として出版、その1歳から17歳までの100点にわたる作品群は、菊池が編むことによって、読む人がそれぞれの答えを得るミュージアムのような、本そのものがひとつの作品と存在しています。
本展では、はじめての個展として、デビュー期であるわが国の大規模芸術祭の助走であった「最上川環境芸術祭」の出展、妻有を経て、こどもたちやさまざまな人々と編むアートへの昇華への系譜が一堂に展示されました。
本展の開催にあたり、企画したキュレーターの岡田智博は、菊池歩のことをこのように評価しています:
- 現在頭角をあらわしている多くの現代芸術家と異なり、菊池歩は学生時代からアーティストになろうと思っていたわけではない。誰かに師事した理由でもない彼女の作品づくりは、まったくの我流である。それゆえに、素材すら変幻自在な自由奔放さがある。作品は「自分」そのものだと彼女は言う。そんな、極めて私的なモチーフであるにもかかわらず、作品に接すると初見であっても心に飛び込んできて、ある種の感動が喚起されるのは不思議なことだ。自分の思いをかたちにすることが、同時にそれを見る人の思いをかたちにしている。菊池氏の作品からは、そんな印象を受ける。彼女自身が今後どのように変容していくのか、興味深い。
「感読会」作家と作品を「よむ」ことによって感覚が広がる
菊池歩考案による新しい対話型展示で鑑賞
本展では作家である菊池歩が自ら会場に滞在、『タレル・デ・マリア』を用いた鑑賞ツールとともに、対話し、「編むアート」の体験を鑑賞者に提供します。そのことを通じて、自らの身のまわりだけではない、他者の存在の豊かさ、そこから生まれる尽きない生と表現の発露に触れ、思惟を深められたと、各界・全国から東京・日本橋の会場に集った人々は語ります。
作家活動から20年目を迎える、菊池歩のダイバシティあふれる共創型の作品と創作に触れることにより、それぞれの人々の「愛」をうむ、対話型展示の展覧会。
そこから生まれる新たな「人々との編み」と「思惟の愛」の発露に期待です。
菊池歩 きくち・あゆみ 経歴
2002年「TONBURI」にてデビュー。同年最上環境芸術祭にて「I was born.」発表。
2003年「Universe」にて、第18回国民文化祭環境芸術の祭典準大賞受賞。
2006年 第3回大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレにて「こころの花~あの頃へ」を発表。代表作誕生となる。
2018年には、本のカタチをしたアート「タレル・デ・マリア」発表。他に新庄市(山形県)にて環境芸術祭審査員、東北芸術工科大学特別講師、障がいの有無を問わない「美術の日」など…
「芸術家」という肩書は、美術評論家中原佑介氏によって与えられたものである。
展覧会情報
『愛になりたい 菊池歩 初個展』
主催: 一般社団法人ブルーオーシャン
キュレーション: 岡田智博
開催日時:令和3年(2021年)12月16日(木)~ 30日(木)
開場時間: 12:00 ~ 19:00 ※最終日は 15:00 まで
【会場では「感読会」を実施】
作家の菊池歩による「感読ワークショップ」を随時開催。
鑑賞ツールとともに、作品世界へいざないます。
鑑賞料: 2,000円 ※感読会鑑賞ツールつき
会場: NICA – Nihonbashi Institute of Contemporary Arts
東京都中央区日本橋大伝馬町13-1 地下1階
展覧会WEBサイト http://blueocean.surf/ayumi2021love/
本件の問い合わせ先
一般社団法人ブルーオーシャン
Mail info@blueocean.surf
電話 050-5374-2627
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