スミソニアン研究所、星間物質調査のための画期的なマイクロ波分光計を作製
強力に改良された分光計心臓部にスペクトラム社製デジタイザカードを使用
デジタイザなど計測機器を製造するスペクトラム・インスツルメンテ-ション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ / 以下、スペクトラム社)が、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究グループがこの度、スペクトラム社製のデジタイザカードを用いた次世代分子分光計の開発に成功したことをお知らせします。マイクロ波分光計は分子構造の解明に非常に有効な装置で、絶対零度に近い極めて低い温度(1~5ケルビン)で動作します。分光計は通常、高い感度を得るには非常に狭い帯域で動作させる必要があり、帯域を広げると感度は低下しますが、スペクトラム社製のデジタイザを使用した、この分光計は高分解能と高感度の両方を実現し、従来の装置に比べて非常に高速でサンプルデータを収集することができます。
画期的な成果:ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの新開発のマイクロ波分光計
マイクロ波分光分析は分子の形状や構造を検出するのに用いられる技術で、これにより化学反応時に生じる変化に関しての独特のデータを取得できます。前述のCarrol氏はさらに次のように述べています。「この分光計を作製するまでは、マイクロ波分光分析により化学反応について調べるには非常に複雑な装置が必要でした。今ではこの分光計を利用して化学反応の中間段階の動態を詳しく調べることにより、化学反応がどのように生じるかを解明することができます。宇宙の多くの場所と同じ絶対零度に近い低温状態では、化学物理特性を左右するプロセスはそれより高い温度の場合に比べて異なるので、今回の研究はスミソニアン天体物理観測所によって実施されました。」
新開発の分光計は、恒星間に存在する星間物質の研究を大きく前進させる一歩に
今回新しく開発された分光計は、星間物質の化学的性質を特定することで、惑星や恒星の間の空間に存在する物質についての洞察を提供します。星間物質は新しい太陽系が生まれる際にその原料となる物質であり、惑星がどのように形成されるか、さらには生命の起源にも極めて大きな影響を与えます。
Carrol氏は「この新設計の装置から得られる情報は、星間物質の化学特性の解明を大きく前進させるでしょう。極低温状態における複雑な混合物質の分析は、今後新たな発見が期待できる魅力的な研究分野です。」と結論付けました。
本リリースで紹介した分光計に関する最近の論文(2件)は、こちらでご確認ください。
https://arxiv.org/pdf/1902.05852
https://pubs.rsc.org/en/content/getauthorversionpdf/c8cp02055h
スペクトラム社製デジタイザカードM4i.2230-x8は、毎秒5ギガサンプルでアナログ信号を収集する能力があります。
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、www.spectrum-instrumentation.comをご確認ください。
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