カーボン素材から次世代電池の限界突破へ 東北大発3DC、リアルテックファンドから資金調達を実施
取り残された「グラフェン素材」に再び脚光を!
電池の進化を加速する革新的カーボン新素材の開発および製造販売を行う株式会社3DC(所在地:宮城県仙台市、代表取締役CEO:黒田 拓馬 代表取締役CTO:西原 洋知、以下「当社」)は、この度、革新性と事業性が評価され、NEDO NEP事業へ採択されるとともに、リアルテックファンドを引受先とする創業ラウンドで資金調達を実施いたしました。
左から、東北大学材料科学高等研究所 所長 折茂 慎一 教授、当社 CTO兼 同研究所 西原研究室 西原 洋知 教授、リアルテックファンド グロース・マネージャー 山家 創 氏、当社 代表取締役CEO 黒田 拓馬、当社顧問 株式会社リバネス 代表取締役グループCEO 丸 幸弘 氏
- 独自開発の新カーボン材料「グラフェンメソスポンジ (GMS) 」とは
一方GMSは、グラフェンと同様のほぼ炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備えます。このひと続きの構造が耐久性の課題を世界で初めて解決します。また、一般的な電池用カーボンよりも柔軟であるため、電池電極の構造変化に追従するだけでなく、様々な応用が期待できます。
当社は、GMSの量産性を高め、製造コストを大幅に下げる製造技術の確立に目処をつけつつあります。
GMSや当社との共同研究開発にご興味のある方、以下よりお気軽にご連絡ください。
また、ともに世界にチャレンジする仲間を募集しています。
採用フォーム:https://www.3dc.co.jp/careers/
メール:info@3dc.co.jp
- 3DCについて
当社のCTOを務める東北大学材料科学高等研究所(所長:折茂慎一教授)の西原教授による約15年にわたるカーボン素材の研究により、2016年にGMSの開発に成功。 西原教授は、Asian Scientist Magazineにて、「2020年アジアの科学者100人」に選出された、カーボン研究の第一人者です。また、GMSは西原教授が発明者として物質特許を取得したカーボン新素材です(特許第6460448号)。
3DCは現在、国内外の電池・機械・自動車メーカーなど多数の企業との各種製品の早期実用化に向けた研究開発を行なっており、2024年以降の本格的な市場参入を目指しています。高性能電池による真のサステナブル社会の実現に寄与するとともに、グリーン成長戦略(※2)を掲げる日本の経済成長と産業の発展に貢献してまいります。
- 3DCが取り組む課題
2050年のカーボンニュートラル社会の達成に向け、工場設備の電化や製品のEV化など、企業の脱炭素化に向けた動きはますます加速しています。GMSは、エネルギーの電化を支える次世代電池の開発に向けた企業の取り組みを加速させてまいります。
- 調達資金の用途
- 「グラフェンメソスポンジ (GMS) 」の特徴
- 化学的・物理的な耐久性に優れ電池の長寿命化に貢献:化学反応が起こりやすい面(エッジサイト(※3))が圧倒的に少ないため、純粋な炭素がもたらす性能を維持できます。柔軟性のある素材で充放電に伴う激しい構造変化に対応する物理的耐久性にも優れています。
- 多孔性に優れ電池の高容量化に貢献 :GMSは、従来のカーボン材料を大幅に上回る優れた多孔性により、空孔の内部に大量の活物質(※4)を内包することができ、電池の高容量化に貢献します。
- 柔軟なカスタマイズ性 :グラフェン一般は構造が単純な平面で選択肢がほぼありませんが、GMSは製品用途によってスポンジ構造の緻密さなどを柔軟に変えられます。
- 蓄電、発電デバイスへの効果
耐電圧の向上による高電圧化とエネルギー密度の向上
●リチウムイオン電池
電池の高容量化、長寿命化、高電圧化
● 燃料電池(Fuel Cell)
触媒の高効率化、長寿命化による貴金属触媒使用量削減
●リチウム硫黄電池 /全個体電池
硫黄の体積変化に追従することによる電池の長寿命化。 高温耐久性の向上
●空気電池など
電池の高容量化や長寿命化
- GMSが使用される電池市場
- 代表取締役 CEO 黒田 拓馬 コメント
アカデミアから日本の産業を活性化させる事業を生み出したいとの想いから、これまで技術シーズの事業化支援に関わってきました。本事業についても当初支援者として関わっておりましたが、サイエンスとニーズに立脚したGMSに圧倒的なポテンシャルを感じ、共同創業に至りました。多くの皆様にこの材料の素晴らしさを体感してもらい、仲間を集って次世代のインフラを日本から構築していきます。
- CTO 兼 東北大学材料科学高等研究所 西原研究室 西原 洋知 教授 コメント
GMSは日本発のカーボン新素材です。従来の炭素材料とは異なるユニークな特長を持っており、今までの不可能を可能に変えるチカラをもった材料だと確信しています。電池関連デバイスの高性能化や長寿命化を通じ、「素敵な炭素で低炭素」を目指します。
- 当社顧問 株式会社リバネス 代表取締役グループCEO 丸 幸弘 氏 コメント
西原先生との出会いは2021年。リバネスが開催した「ディープテックグランプリ2021」で見事に最優秀賞を受賞した「グラフェンメソスポンジ」が持つ技術の革新性、そして何より、その技術を社会実装することで世界を変えるという西原先生の熱い想いに強く心を打たれました。
3DCが持つ革新的な技術、世界で活躍する研究者に黒田氏という若い起業家が加わりました。カーボンニュートラル社会の実現は決して容易ではありませんが、電池のブレイクスルーが求められていることは明らかです。黒田氏・西原氏を筆頭とする熱いチームと創業をともにし、これから世界を変えていく3DC誕生に立ち会えたことと成長を支援できることを嬉しく思います。
- 投資家 リアルテックファンド グロース・マネージャー 山家 創 氏 コメント
今後様々な産業・生活シーンに「電化」が進む未来で重要になるのが「電池」です。従来の電池がより高性能化・長寿命化することは、電化を支えるインフラを強固にします。東北大学の長年の研究から生まれたGMSは、未来のエネルギーインフラを担う次世代電池に向けた革新的なカーボン素材です。日本・地域から生まれる技術で世界の課題解決を目指す私たちリアルテックファンドは、世界トップクラスの研究者と若きアントレプレナーにより生まれた3DCと共に歩んでまいります。
- 引受先 リアルテックファンド
<脚注>
※1) 炭素原子がハチの巣のような六角形に結びついている原子1個分の厚さのシートのこと
※2)2050年カーボンニュートラル社会実現に向け、「経済と環境の好循環」をつくるための産業政策や成長が期待できる産業分野の実行計画のこと
※3) 炭素材料を構成するグラフェンシートの端の部分。水素や含酸素官能基が結合している部位であり、電池の劣化の起点となることが多い
※4) 電池内部で電気を貯める役割を担う物質。負極活物質はシリコン、正極活物質は硫黄などが次世代材料として検討されている
<3DC会社概要>
企業名:株式会社3DC
本社所在地:宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 国立大学法人東北大学
産学連携先端材料研究開発センター
代表者名:黒田 拓馬・西原洋知
設立:2022年2月
URL:https://www.3dc.co.jp/
事業概要:炭素材料の開発及び販売
<本件に対するお問い合わせ>
GMSや弊社との共同研究開発にご興味のある方、以下よりお気軽にご連絡ください。
また、ともに世界にチャレンジする仲間を募集しています。
採用フォーム:https://www.3dc.co.jp/careers/
メール:info@3dc.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像