室内空気中のホルムアルデヒドを3時間で78%除去、CO2を6時間で26%吸収
植物を用いた空気浄化装置が揮発性有機化合物(VOC)、二酸化炭素(CO2)等の汚染物質除去に高い効果を発揮
株式会社プラネット(本社:愛知県豊橋市、代表取締役:大林修一)は、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)のまん延やオフィスなど多くの人が集まる空間のIAQ(室内空気質)改善要望の高まりへの対応として、「植物のちから」を利用した新しい空気浄化装置(特許出願済、特願:2021-030571)を開発し、大型チャンバーを用いた実験によりその空気浄化効果を検証しました。
<空気浄化装置>
本装置は通気性に優れたハイドロカルチャー用混合培地(弊社プラネットソイル、特願:2022-014409)の使用を前提としています。
植物プランターには消費電力の小さい小型DCファンが内蔵されており、このファンにより強制的に室内汚染空気を混合培地に誘引し、空気中に含まれる揮発性有機化合物(VOC)などの化学汚染物質は、培地の根圏微生物(菌根菌とそのパートナー細菌など)による吸収・分解に加えて多孔質材料である混合培地にも吸着されます。
次に,この空気に植物由来のエッセンシャルオイルの香り成分を添加することによりウイルスなどの細菌やかびなどの浮遊真菌を殺菌・除菌して室内に戻す新しいタイプの空気浄化装置です。
<実験概要>
実験用チャンバー(縦,横,高さ2×2×2.4m)内に観葉植物が植栽された空気浄化装置を設置して空気浄化効果の検証を行います。チャンバーには風量制御可能な換気扇、VOC等の汚染物質注入装置、空気混合用のサーキュレータ―、CO2、ホルムアルデヒド、粉塵の濃度測定器が設置してあります。実験条件としてチャンバー内の温湿度一定,床上1.8mの照度5,700 lxとし、(1)混合培地の入ったプランター(植物なし)のみ、(2)植物あり(ファン停止)および(3)植物あり(ファン運転)の3条件における(ホルムアルデヒド、CO2および粉塵の初期濃度をそれぞれ2ppm,2,000ppmおよび2.5mg/m3に設定)の場合のホルムアルデヒド、CO2及び粉塵の濃度の時間変化を測定しました。
<実験結果>
本装置はホルムアルデヒド、CO2および粉塵の空気汚染物質に対する高い浄化効果を有することを確認しました。
結果要約
- ホルムアルデヒドの除去率(漏気による減少分を含む)は、本装置の運転開始1時間後に50%、3時間後に80%、8時間後に90%。
- 漏気による減少を除いた本装置の実質的なホルムアルデヒドの削減効果は、本装置の運転開始3時間後にに78%、6時間後に85%。
- CO2濃度の減少(漏気による減少分を含む)は、本装置の運転開始9時間後に50%、24時間後に80%。
- 粉塵濃度の減少(漏気による減少分を含む)は、本装置の運転開始1.5時間後に55%、3時間後に75%。
ホルムアルデヒド除去率
実験条件別のホルムアルデヒド濃度およびホルムアルデヒド除去率(初期状態の汚染質量に対する除去された汚染質量の割合[%])を図1に示します。植物有(ファン運転)の場合、実験開始後1時間経過時に除去率は50%を超え、3時間後に80%、8時間後に90%を超えています。
CO2除去率
初期濃度2,000ppmのCO2濃度およびCO2除去率(初期状態の汚染質量に対する除去された汚染質量の割合[%])を図3に示します。植物有(ファン運転)の場合、実験開始後3時間経過時に除去率(換気による効果を含む)は20%、9時間後に50%、24時間後には80%になりました。浄化装置の運転による除去効果は,時間の経過とともに次第に大きくなっています。
粉塵除去率
初期濃度2.5mg/m3の粉塵濃度および粉塵除去率(初期状態の汚染質量に対する除去された汚染質量の割合[%])を図3に示します。植物有(ファン運転)の場合、装置運転開始後1.5時間後に除去率(換気による効果を含む)は55%、3時間後に75%減少しました。
発表論文
扈カシュン、松本博、大林修一、高山弘太郎(豊橋技術科学大学教授):観葉植物による室内空気浄化に関する研究 その1 空気浄化装置の概要とその基本性能、日本建築学会大会講演梗概集, 2022(投稿中)
株式会社プラネットについて
当社はバイオフィリア緑化研究所(松本博所長・豊橋技術科学大学名誉教授)を設立し、植物の持つ環境改善効果、健康増進効果などの様々な可能性を研究しエビデンスを出しています。
また、独自の技術で植物生産から緑化施工、メンテナンス等の業務を一貫して行っています。また、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、環境負荷に配慮し、人と緑が共に長く暮らせる空間づくりを目指しています。
【会社概要】
会社名:株式会社プラネット
所在地:愛知県豊橋市南大清水町字元町61-2
代表者:大林修一
設立:1990年
URL:https://www.g-planet.com/
【事業内容】
・ハイドロカルチャーを中心とした各種植物の生産・レンタル、緑化工事及び植物工場の設計施工・メンテナンス
・環境浄化機能植物の研究開発
・グリーンインフラ分野の雨水関連緑化の設計、施工、メンテナンス
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