北大医学部発『HILO株式会社』がNEDO研究開発型スタートアップ支援事業(STS)に採択、DGインキュベーションより資金調達を実施
〜慢性骨髄性白血病の薬の効果を治療前から判定する「光診断薬」、薬事承認と適用拡大にむけた開発を加速〜
慢性骨髄性白血病の患者さんの生きた細胞ひとつひとつに対して、治療薬の効果を可視化する光診断薬。光診断薬で、患者さんのQOL向上をめざすHILO株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役:天野麻穂、以下「HILO」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)が実施した2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(STS)」(以下NEDO STS事業)第2回公募において採択されました。また、NEDO認定ベンチャーキャピタルである株式会社DGインキュベーションから資金調達を行いました。
■事業の背景と目的
慢性骨髄性白血病(CML)は、わが国で最も患者数の多い白血病です。今世紀に入って以降、分子標的薬という種類の薬(TKI)が標準治療に使われており、現在6種類が保険適用となっています。しかし、患者さんによって効果や副作用が異なり、薬代も1日2万円を超えることがあります。このように、治療を受ける患者さんにとって、肉体的・経済的に余分な負担を強いられる場合が少なくないことが課題となっています。
そこでHILOは、治療開始前からそれぞれのTKIの効き目や最適な投与量を患者さんごとに測定できる「光診断薬Pickles」を開発しました。光診断薬Picklesによる薬効判定サービスを担当医師に提供し、患者さんごとに最適なTKI治療を行えるよう活用いただきます。
これにより、治療成績の向上や副作用の低減が見込めるほか、将来的には休薬できるかどうかについても早期に判断可能になると考えられます。
■独自技術「光診断薬Pickles」について
北海道大学大学院医学研究院・大場雄介教授の発明です(特許2件は、北海道大学よりHILOに譲渡済)。
フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)という物理化学現象を利用し、がんの原因となっているBCR-ABLタンパク質の活性を測定します。具体的には、がんの患者さんから取り出した細胞ひとつひとつにPicklesを導入して、TKIを加えます。TKIは、BCR-ABLの働きを抑制することでがんを治療する薬であるため、薬が効けば(すなわち、BCR-ABLの活性がなければ)患者さんの細胞の中でPicklesは青色、効かなければ(BCR-ABLの活性があれば)黄色を呈します。
光診断薬Picklesは、その構造を一部変えれば、他のがんの治療薬の効果測定にも応用が可能です。
患者さんから取り出した生きた細胞1細胞レベルで薬剤感受性を判定するため、薬の効かない細胞のキャラクタライザーションや治験の加速など、創薬分野への貢献にも期待が寄せられています。
■資金調達の目的
CMLの患者さんや臨床の現場の医師の方々から、光診断薬を望む声を多くお寄せいただいています。臨床検査として社会実装できるよう、Picklesの薬事承認取得を目指しています。そのためにまず、Picklesの性能を詳しく調べ、検査としてのプロトコールを固めるための基礎的な試験のいくつかを行います。
また、他のがんにも光診断薬を適用できるような開発も進めます。
■NEDOおよび「STS事業」について
NEDOはベンチャーキャピタル等と協調し、シード期の研究開発型スタートアップ(以下「STS」) が必要とする資金や活動の支援を行う「NEDO STS事業」を実施しています。将来のユニコーンの創出やエコシステムの強化を目的としています。
詳しくは、「2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」に係る第2回公募について」をご参照ください。
https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100358.html
■出資担当者のコメント
(株)DGインキュベーション 取締役 佐々木 智也氏
数多くの賞を受賞しているHILO は、2021年8月設立前の事業のブラッシュアップ時から支援を行ってきました。本事業に大きな可能性を感じ、今回弊社が運用する札幌イノベーションファンド投資事業有限責任組合より投資・支援させていただくことになりました。今後の事業成長に向けて共に歩んで参りたいと思います。
■HILOについて
HILOは「私たちは、イメージング技術で患者さまひとりひとりの未来に光を当て、安心して治療に挑むことができる社会を目指します。」の企業理念のもと、2021年8月に設立されたJ-Startup HOKKAIDO認定・北大発認定スタートアップです。
コーポレートサイト:https://www.horizonillumination.co.jp
■本件に対するお問い合わせ
下記メールアドレスからお問い合わせください。
連絡先:info@horizonillumination.co.jp
慢性骨髄性白血病(CML)は、わが国で最も患者数の多い白血病です。今世紀に入って以降、分子標的薬という種類の薬(TKI)が標準治療に使われており、現在6種類が保険適用となっています。しかし、患者さんによって効果や副作用が異なり、薬代も1日2万円を超えることがあります。このように、治療を受ける患者さんにとって、肉体的・経済的に余分な負担を強いられる場合が少なくないことが課題となっています。
そこでHILOは、治療開始前からそれぞれのTKIの効き目や最適な投与量を患者さんごとに測定できる「光診断薬Pickles」を開発しました。光診断薬Picklesによる薬効判定サービスを担当医師に提供し、患者さんごとに最適なTKI治療を行えるよう活用いただきます。
これにより、治療成績の向上や副作用の低減が見込めるほか、将来的には休薬できるかどうかについても早期に判断可能になると考えられます。
■独自技術「光診断薬Pickles」について
北海道大学大学院医学研究院・大場雄介教授の発明です(特許2件は、北海道大学よりHILOに譲渡済)。
フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)という物理化学現象を利用し、がんの原因となっているBCR-ABLタンパク質の活性を測定します。具体的には、がんの患者さんから取り出した細胞ひとつひとつにPicklesを導入して、TKIを加えます。TKIは、BCR-ABLの働きを抑制することでがんを治療する薬であるため、薬が効けば(すなわち、BCR-ABLの活性がなければ)患者さんの細胞の中でPicklesは青色、効かなければ(BCR-ABLの活性があれば)黄色を呈します。
光診断薬Picklesは、その構造を一部変えれば、他のがんの治療薬の効果測定にも応用が可能です。
患者さんから取り出した生きた細胞1細胞レベルで薬剤感受性を判定するため、薬の効かない細胞のキャラクタライザーションや治験の加速など、創薬分野への貢献にも期待が寄せられています。
■資金調達の目的
CMLの患者さんや臨床の現場の医師の方々から、光診断薬を望む声を多くお寄せいただいています。臨床検査として社会実装できるよう、Picklesの薬事承認取得を目指しています。そのためにまず、Picklesの性能を詳しく調べ、検査としてのプロトコールを固めるための基礎的な試験のいくつかを行います。
また、他のがんにも光診断薬を適用できるような開発も進めます。
■NEDOおよび「STS事業」について
NEDOはベンチャーキャピタル等と協調し、シード期の研究開発型スタートアップ(以下「STS」) が必要とする資金や活動の支援を行う「NEDO STS事業」を実施しています。将来のユニコーンの創出やエコシステムの強化を目的としています。
詳しくは、「2022年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」に係る第2回公募について」をご参照ください。
https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100358.html
■出資担当者のコメント
(株)DGインキュベーション 取締役 佐々木 智也氏
数多くの賞を受賞しているHILO は、2021年8月設立前の事業のブラッシュアップ時から支援を行ってきました。本事業に大きな可能性を感じ、今回弊社が運用する札幌イノベーションファンド投資事業有限責任組合より投資・支援させていただくことになりました。今後の事業成長に向けて共に歩んで参りたいと思います。
■HILOについて
HILOは「私たちは、イメージング技術で患者さまひとりひとりの未来に光を当て、安心して治療に挑むことができる社会を目指します。」の企業理念のもと、2021年8月に設立されたJ-Startup HOKKAIDO認定・北大発認定スタートアップです。
コーポレートサイト:https://www.horizonillumination.co.jp
■本件に対するお問い合わせ
下記メールアドレスからお問い合わせください。
連絡先:info@horizonillumination.co.jp
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